全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>各国で優勝経験、ブルガリアの至宝カジースキ Vリーグのレベルは「思ったより高い」

インタビュー

2017-01-30 17:30 追加

各国で優勝経験、ブルガリアの至宝カジースキ Vリーグのレベルは「思ったより高い」

カジスキーインタビュー

V・プレミアリーグ 男子

matei1マテイ・カジースキ。バレーボールファンなら知る人ぞ知る世界的な選手だ。ブルガリア代表の2000年代の黄金期を、エース、キャプテンとして大活躍し、クラブレベルではロシア、イタリア、トルコといった世界トップ3のリーグで軒並み優勝を経験した。2015/16シーズンからジェイテクトに加入し、決して強豪とはいえないチームを、過去最高の4位に導いた。そんな優勝請負人ともいえるカジースキ選手に、2年目の今シーズンについて話を聞いた。バレー観だけでなく、意外な趣味の話まで語ってくれた。前後編に分けてお送りする。

 

——2年目のシーズン、ここまでのリーグ戦はどうでしょうか。

マテイ・カジースキ(以下、カジースキ):まず昨シーズン(2015/16シーズン)の1シーズン目は本当に素晴らしいシーズンでした。チームとして結果を出せました(Vプレミアリーグでチーム史上最高の4位)。日本のリーグはレベルも思った以上に高かったし、生活の面でも素晴らしい経験になった。本当に日本に来て良かった。観客ももの凄く良い。日本はバレーに対する興味があるし、レベル自体も高い。競った試合も多い。

2シーズン目を振り返って、ポジティブだったのはチャレンジシステム(際どいプレーに対するビデオ判定)を導入したこと。リーグのレベルを上げることについて色々と考えているし、代表の成果に結びつくという試みではないか。日本のバレーボール協会も色々と動いていると思います。

 

——それはスーパーリーグ構想(昨年9月にVリーグ機構が発表した構想)のことでしょうか?

カジースキ:今年(取材時は2016年)から力を入れているといる印象を感じる。まず2年後のプロ化構想を含めて色々と動いていると思う。日本の若手選手も少しずつ代表に選ばれている。見ている人だけでなく、選手のために動いているように感じます。

 

matei4——(通訳とカジースキ選手の会話の言葉が気になって)イタリア語でやりとりしてるんですか?何ヶ国語を話せるんでしょうか?

カジースキ:5ヶ国語です。イタリア語、フランス語、ロシア語、セルビア語、ブルガリア語、“えいご”(日本語で返答)。

 

——もしかして、日本語もある程度わかるんですか?

カジースキ:片言しかできませんが、ちょっとだけ理解できます。

 

——日本のVプレミアリーグは思ったよりレベルが高かったと答えましたが、どんなところでしょうか?過去所属されていたリーグ、イタリア、ロシア、トルコなどの最高峰のリーグに比べて、日本は遥かにレベルが落ちると思います。どんなところに、「思ったより高い」と感じたのでしょうか?

カジースキ:1番目の理由として、リーグ自体が各チーム競っています。首位と最下位チームの差がない。海外で長年プレーしたから言えますが、他のリーグだと差が激しい。

 

海外のチームの選手と日本人選手の大きな差は、フィジカルの面だと思う。日本人選手にはそれほど高さがないし、パワーがない。海外のリーグに比べてレベルは、劣るかもしれない。そのぶん、日本人選手にはテクニックのある選手が多い。一人一人のスキルがある選手が多いので、いい試合を観れるし、思ったよりミスが少ない。また、若い選手にどのチームもチャンスを与えられているので、これからもより良い試合が見られるのではないだろうか。

1レグの8試合に関しては、もう少し良い結果を求めていたが、他のチームもベストをつくしていたので、我々がこれからもレベルをあげていかないと、2レグ目でいいプレーできない限り、良い結果に繋がらない。

 

——今シーズンのカジースキ選手のプレーを見ていて感じたのは、大抵の日本人は、外国人選手が活躍すると「高さがあるから」と言います。しかし、カジースキ選手のプレーを見ていると決して高さに頼っていません。どんなトスでも決めるのが凄いなと感じました。トスがネットから離れてようが、思った以上に近くても、どんなトスがこようが決めています。

カジースキ:経験がもちろんある。私はもう32歳で、これまで高いレベルでやってきていたのが理由だと思う。難しいトスでも処理できることを心掛けている。良い状態で打つのは誰でもできる。難しい状態で決めるのが一番大事だと思う。チームでは、難しい状況で私にトスを上げるのは当たり前。他のチームも確かに外国人選手に頼っている面はあるかもしれない。

 

——ブロックの上手さも感じます。シングルブロック(一人でブロックに跳ぶ)でも対応するのが上手い。通常、一枚ブロックなら、スパイクを決められて当たり前だと思いますが。

カジースキ:ブロックに関して、1シーズン目のこのチームの課題でありました。一枚だけでなく、二枚、三枚の時でも課題であった。そこを修正していかなければ勝てないと思ったので、監督とも話して、練習の方法を一緒に変えていき、ブロック力を身につけるということを話し合った。チームに加わった頃は、「このチームには高さがない」と監督からも選手たちからも聞いていた。1年経って、ブロックの練習をたくさんやってきたことで、身について成果が出て来たと思う。

ただし、ブロックはどちらかというとメンタル面の問題ではないかと。高さがないからといって、ブロックができないという勘違いをする。高さがなくても、動きや手の出し方で対応できる。相手に良い状態で打たせないことも大事だと思います。毎回ブロックシャットするこというでなく、プレッシャーをかけることが大事です。

各チーム、相手の弱点を見抜いて、そこから攻撃を突く。高さがないということでセッターの上から狙っていく。だから、セッターもブロックの際は、しっかり手を出して打たせないようして欲しい。今はセッターのことを話したが、他のポジションでも同様です。

 

matei5——これまで、欧州チャンピオンズリーグやイタリアリーグなど色んなところで優勝の経験をしてきました。ジェイテクトが優勝するためには何が必要でしょうか。

カジースキ:今までは優勝を目指しているチームでプレーしてきたが、ジェイテクトは私が来る前のシーズンは5位だった。どちらかというとチームのレベルをあげるために来た。もちろんこのチームで勝つ為に日本に来たが、チームに貢献できることは、先ほど話したように難しい場面で貢献することであったり、できるだけ安定したプレーをすること。試合で上手くいってない時にチームを勇気付けること、自分の技術や力を生かして、チームを難しい状況から抜け出させることです。チーム全体のレベルを上げるためにも、私の今までの経験をいかして選手たちに伝えていくことです。

そういうことをしていくことで、レベルがあがっていくのではないでしょうか。選手一人一人のパフォーマンスをあげるために、細かいアドバイスをしています。優勝のためには、プレーのシステム、“メカニズム”、難しい状態でも各選手が自然と動く様に、身につく様にすることで、優勝を目指せるチームになるのではないでしょうか。そのためには練習を重ねていって身につけることが大切です。突発的には(レベルは)上がるものではなく、徐々に上がっていきます。

 

——カジースキ選手が日本で印象に残った選手はいますか?
カジースキ:一人の名前をあげるよりは、たくさんの選手がいつも良いプレーをしている。日本に来る前には高さがないから楽だろうなと言われていたが、日本のリーグが思ったよりレベルが高い。各チームに良い選手がいるので、ここで一人の名前をあげるのは失礼かな。ただ、やはり、少し高さがあったら、あと20センチくらいあったら、もっと良い選手だったと思うことはある。例えば、ロシアの選手と対戦する時は、その20センチの差がやっぱり出て来るのではないか。技術の面ではあまり差はないと思うが、高さで負けるのではないだろうか。

代表の話題、趣味の話しなど後編に続く

聞き手:大塚淳史
写真:ジェイテクトSTINGS提供

 
COMMENTS
評価コメントが投稿されていません

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事