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バレーボールマガジン>インタビュー>越境バレーボーラー今村駿「今できることは必死にアピールすることだけ、毎日が就活ですよね」

インタビュー

2017-03-15 17:30 追加

越境バレーボーラー今村駿「今できることは必死にアピールすることだけ、毎日が就活ですよね」

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――5ヶ月やってみて自分自身、大きく変わった部分はどんなところだと思いますか?

切り替えじゃないですか?さっきも言ったみたいに練習時間が決まってる国なんで、ここは。その時に出せないとできる時間がないわけだから、要はそれを引きずってもどうしようもないじゃないですか。もう戻ってこないから。だったら次どうしようかなと。それにここの国でずっとプレーできるわけじゃないので、あとあとやっとけばよかったなって思うより、その時ダメだったら次どうしようかなという切り替えが、日本にいた頃よりは上手くなったとは思います。負けたらもちろん悔しいですけど、それも次に向けてどうするかですね。

――5ヶ月プレーしてスウェーデンでも通用するなと思ったことはどんなところですか?

セッターの技術としてはそこそこ通用するんじゃないかなと。

――他のチームのセッターを見て、日本と比べてどう感じますか?

日本の方が優れてると思いますよ。優れてるけど、また別物かな。より堅実的というか。僕がここでプレーできているくらいなんで、日本でプレーしている選手も、たくさんの選手ができると思います。

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――海外でプレーしようと思ったのには、オリンピックを目指す気持ちもあったからですか?

当然そうですね。当然。

――何がそうさせたのですか?

自分一人の思考だったら全然そんなのはなかったでしょうし、今まで出会った人たちの影響です。ゲーリー監督の時もメンバーに入れてもらって活動しましたけど、違う国の監督の指導とか、違う国の人と戦ってみてなんでこんな劣るかなと。同じバレーボールでなぜこんなに違う?のかと。そこも気になっちゃってそのギャップも埋めたいし、印東さんとの出会いも、海外がより身近に感じられ、行ってみたいと思える衝撃的なものでした。もちろんオリンピックに出たいという気持ちもあるので。

オリンピックに出るためにと考えて、じゃあ、自分がどうするべきなのかなって考えた時に、日本のチームでやるのも一つの選択肢ではあったけど、バレーボール選手で人生が終わるわけじゃないんで、むしろバレーボール引退した後の方が人生はるかに長いので、その時にバレーボールしかやってこなかったとなると引退したあと残りの何十年を考えた時に、これ人としてどうなんだろうってのがあったんです。もちろんバレーボールの技術向上が大前提にある中でです。でも自分のトータルの人生を考えた時、バレーボールという手段を使ってその他の環境でやるというのは、上手く行く行かないにしろ、最終的に自分の人生プラスになるんじゃないかなと思いました。

――プラスになった実感はありますか?

大いにあると思います。

――このワンシーズンが終わったあと次はどう考えていますか?

やるからにはいろんなところでやってみたいですね。もちろん他の国で。このチームは本当に好きなチームだし、メンバーもみんないい奴だし、監督も本当に熱心な方だからもちろんここでプレーしたい気持ちもあるけど、もっと上でプレーしたい気持ちもある。まぁ、就活中です(笑)。

――パリバレーの古賀選手にお話を伺ったら、会社を辞めて行くとなるとゾッとするとおっしゃっていましたが…

ゾッとしますよね(笑)。

――でもその分得たものもあるのではないかと思いますが…。

意識は変わると思います。リーグの流れも変わりますし、食文化とか生活文化も違うわけじゃないですか。日本ではこうしていたというのが通じない。こっちはこっちのやり方があるので。こっちのやり方で適応できないと活躍できませんから。僕の場合は難なく溶け込めたということで、適応能力はあるんじゃないかな?と思います。

――よく言われるのは、海外のプロ選手は活躍して名前を上げていくことで契約金にも影響しモチベーションが高いと言われますが、どう思いますか?

堺の時も単年契約だったので、将来的に会社に残れる訳ではなかったですし、だけど日本にいるだけで守られているっていうか。僕自身テスト入団で拾ってもらったんで、それだったらそれなりに成長していかないといつ切られるか分からないし、その辺は堺にいる時からそういう気持ちでプレーしていたんですが、海外に出たらそれは別物ですよね。全然別物です。

――その辺りプレッシャーはありますか?

ありますけど、それ以上にやり残したことがないように練習をどう過ごすか。先のことが分からないので、今できることは必死にアピールすることだけ、それしかないです。必死にアピールした中で試合に出て、その映像を他の人がどう判断するか。言っちゃうと毎日就活ですよね。

――今回海外に出てみて、もっと他国でやりたいと思うようになりましたか?

やってみたいのもありますが、それは僕だけの思いだけではどうしようもないんで、今回のチームの監督さんみたいに目に留めてくれる人がいなければ叶わない訳だし、かと言って少ない可能性だからダメでしょという気持ちでもないし。欲がないと始まらないですからね。

――他の日本人選手にも海外でプレーすることを勧めたいですか?

出てみたいというんだったら出た方がいいと思います。ただそれだけ。けど、企業スポーツっていう中で大体が社員で、現役を終えた後に社業に専念って、会社に残れるのはすごいメリットですよね。それは本当にすごい。

――そこが海外のプロ選手との意識の差だと言われたりもしますが…

そこもどう捉えるかだと思うんですよね。もちろんバレーボールをずっとできると思っている訳ではないので、ましてやプレミアでチームを持っているのは大企業じゃないですか。そしたらバレーボールを一つの手段として入社できてる訳なので、それはその人の強み。すごいことですよね。トータルで考えたら凄い。凄いのひとことです。

ただ、バレーボールの枠組みだけでみたらどうかな。窮地に立たされたら人って思いがけない力が出る訳じゃないですか。僕の場合だったら、上の人が怪我をして出るしかない状況になって自分の持ってるものを出すしかなかった。火事場のくそ力、それが上手くいくか行かないかは正直分からないですけど。

日本の環境を見たときに、恵まれていると思います。練習環境にしろ、用具にしろ、こっちは全然ですよ。サーブマシーンが何台もあるとか。

――日本はケアの面でもサポートがしっかりしていますが、こちらはどうですか?

こっちはないですね、セルフケアが基本なので。海外で戦うんだったら身体が丈夫でないと。これがなかなか難しいんですよね。簡単なようで、環境が大きく変わるんで。

後編に続く

聞き手・写真:宮崎治美

 
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