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インタビュー

2012-10-15 14:07 追加

佐野優子選手 インタビュー

ロンドン五輪銅メダリスト、全日本のリベロ佐野優子選手に話を伺った。

全日本代表 女子

--いまさらですが、銅メダル受賞、おめでとうございます。

ありがとうございます! 本当に嬉しいです。

--感慨はありますか。

本当にほしくて、メダルが獲りたくて獲りたくて。選手村に入ってほかの競技を見るじゃないですか。それとか、過去の五輪で、閉会式でメダルを掛け合って行進しているのをテレビで何度もみんなで見て、「絶対ほしいね!」「獲ろうね」って言い合っていました。なんだろう…やっぱりほしいと強く願わないと、絶対獲れなかったと思うんです。そういう意味で、みんなの強い気持ちが一つになって獲れたメダルだったなと思いますね。

--今大会を振り返ってどこが一番キーだったのかな?

やっぱり、前々から予選リーグ終わってトーナメント戦に入る一発目の試合、8月7日の試合が勝負やって監督からも言われて、チームとしてもその日に本当に集中していかないとという意気込みでした。個人的にもコンディションをそこにピークに持っていくように努めました。

--ピークが前に来過ぎちゃうと、困っちゃうもんね。

とは言っても、全部全力なんですよ(笑)。全試合全力なんですけど、ピークも考えなくちゃならない。精神的にもそうですし。プレイももちろんなんですけど。
予選の間にはあまりよくないときもあったんですが、とにかく8月7日に出し切ろうと思って調整していました。自分でもそういうコントロールができたので、いい試合でした。

--やっぱりキーは中国戦だったということでいいかな?

はい、そうですね。

photo courtesy of FIVB

--木村選手がテレビで言ってたんだけど、眞鍋さんは準々決勝には中国が来ると断言していたとか。ほんと?

もう、夢に出たからって言ってました(笑)。だいぶ前から言ってましたね。それで、「そんなこと言われたら本当に中国のような気がする」ってみんなで言ってて。でも、中国は相性的には苦手だったのでやだなー、でも当たるならしょうがないと思ってたら、本当に当たっちゃいました。

--中国と実際当たってみてどうでした?

あーやっぱりというか、さすがというところもあったんですけど、やっているときは、苦手意識と言うよりも、ここまで来たら相手もプレッシャーがかかってるし、条件は一緒だと思いました。

--中国戦って、ツイッターで国内で総ツイート数が一番多かったんだって。だからとても注目されていたんだと思いますよ。

全種目の中でですか。ホントですか。まあ期待されていたんですね。その時は知りませんでしたけど。

--準決勝、ブラジル戦の1セット目の途中まではよかったと思うんだけど、途中からおかしくなった?

あの試合は、自分たちは悪くなかったんですけど、途中からブラジルがここ数年なかったくらいによくなってしまって。予選で苦しんでいたというのが嘘みたいに良いバレーをされてしまって、全然ダメでした。

--佐野選手も何本かいいディグを拾っていましたが、なかなか得点につながらなかったですね。

向こうはサーブからセットアップからスパイクからブロックから、全部よかったですから。つけいる隙がありませんでした。

予選を見ていて、ブラジルと当たりたいと言っていたんですけど、大間違いでした。本当に強かったですね、決勝トーナメントでのブラジルは。

--3位決定戦に向けてどうきりかえたのですか。

こてんぱんだったので、切り替えるしかないと思ったんですけど、簡単に勝てるとは思っていなかったので、まずは対策。OQTで負けていますし、できる限りの対策は練って。チームでも練りましたし、個人的にも万全の対策をとりました。それでゲームに臨みました。

--3位決定戦のポイントは? 迫田の爆発?

それもありますし、最初にヨンギョンがミスしてくれた。リオが本当に当たっていたのは大きかったですね。途切れず最後までこちらのペースで行けたのが勝因だと思います。

photo courtesy of FIVB

--銅メダルが獲れるってなったとき、竹下さんに駆け寄って泣いていましたね。

はい、後1点でメダルが獲れるってなったときに、うるうるきてしまって。「実現できた!」という気持ちが強くあって、その場では「嬉しい」という気持ちは通り越していました(笑)。

徐々に、コンディションを精神的にも安定してきて、こういう風に最後まで行けたら、ともったとおりになれたのでいい大会でした。

--表彰式で日の丸が揚がっていくのを見たときはどんな気持ちに?

選手村にて。

オリンピックで日の丸、国歌は聴けなかったけど、日の丸が揚がるってすごいことだと思いました。ほんとにこれ、自分たちが表彰台の上のこの場にいるけど、スタッフは向かいから見ていて、テレビで見て応援してくださってる方とかもいて、みんな感動してるんだろうなと思ったら、ますます胸が熱くなりました。
ちょっと客観的になりましたけど。

--銀座のパレードはどうでしたか?

人の多さに「すっご~い!」を連呼してました。
ホントに貴重な経験が出来た喜びと、メダルの価値を改めて感じる事が出来ました!

--昔の話になりますが、アテネの直前で落ちたとき、どんなところを修正しようとしたの?

自分ではプレイも自信を持って試合に向かっていけるというレベルではなかったので、あの時点ではあれが精一杯の自分でした。自分の力が足りなかったんだと切り替えていたので、とにかく、プレイも全ての面も全てを成長させたいなと思いました。

--海外でそれは達成された?

今までの海外での経験が、プレイも上手くなったし、他にもたくさんプラスになったと思います。
今思うと、バレー以外にもありますね。

--ところで、佐野選手はアンダーパスが話題になりますが。

自分で、2本目を上げないといけないとなったときに、最初はブラジルみたいなと言っていたので、オーバーで上げようかという話になったのですが、やっぱり安定するのは今までやっていたアンダーだから、監督も「アンダーの方がいいんじゃないか」と言われて。わざわざ苦手な方で上げて、アタッカーも思いきって打てないだろうし、余計に負担をかけると思うから、完璧にアンダーが安定している訳じゃないですけど、自分にとって一番いい選択がアンダーで上げるということだったんじゃないかな。
ブラジルを目標にしていたから、最初はオーバーでということでやりましたけど、やるのは私で、その私にフィットしたやり方でいいと思いました。人間なんでできるできないもありますし、私のやり方で、チームは結果を出しているのですから、それでいいと思います。

--アンダートスを批判する人も多いですが。

まあブラジルを目標と言っていたのに、というのはあるんでしょうね。でもそれは、私がやることですから。チームでやるスポーツなので、周りでカバーしてくれる選手もいますし、あのチームはそれでよかったと思っています。

--今後の予定は。

まだちょっと休んでから考えたいです。もうちょっと、もうちょっとという感じで休んじゃってるんです。気持ちが本当に全てがリフレッシュできたら次のことを考えたいと思います。

聞き手・撮影:中西美雁

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コメント

山田太郎 [Website] 2012.04.20 13:00

佐野優子さん!おめでとうございます!良かったですね~応援してたカイがありました。

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