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会見・コメント

2019-01-18 08:00 追加

“ムーディー”手塚が、安定した決定力で勝利の立役者に FC東京が4勝目

FC東京VSVC長野ゲームレポート

V1リーグ 男子

バレーボール男子V1リーグのFC東京は1月12日、東京都の墨田区総合体育館でVC長野トライデンツに3-1(25-18、17-25、25-23、25-23)で勝利した。FC東京はVC長野の攻撃を抑えきれず、ブロックにも苦しめられた。カナダ代表のデロッコ・ジェイソンや2年連続スパイク賞の栗山英之が点を決めきれない苦しい展開だったが、この試合ではエースの手塚大が奮闘。イタリア人のロディ・アレッサンドロ監督が「ムーディー」と評する手塚は「(チームとして)やることを、1点1点積み重ねていって、逆転してセットを取れ、チームの流れを呼び出して勝てたのが本当に良かった」と、ホームゲームに訪れた観客の声援を背に、難しいボールを何本も得点する決定力と安定感を見せて勝利の立役者となった。

リーグ戦15戦でFC東京が3勝12敗、VC長野が1勝14敗と、厳しい戦いが続く両チーム。共にV1・V2の入れ替え戦(編注:現時点で詳細未定)がちらついてきた中での“裏天王山”。FC東京にとって、VC長野が試合の大半で主導権を握った苦しい試合だった。特に攻撃面で苦しんだ。アウトサイドヒッターのデロッコがレセプション(サーブレシーブ)の負担が大きいのか、ブロックポイントこそ4点も取ったが、スパイク決定率は36・4%と調子が上がらず、イラだっているのか、試合中に何度も相手に背中を向ける始末。また栗山や小田嶋大貴のミドルブロッカーもセッター山田要平とトスのタイミングが合わず、第2セット終盤から山田から手原紳にスイッチしたものの、流れが変わらない。第3セットに入ってもスタートからいきなり連続5失点し、終盤まで常に2点差以上を追いかける展開。ホームゲームでリーグ最下位のVC長野に白星を献上するのではないか、そんな空気が会場には漂いつつあった。

ただ、この日のFC東京には“頼れるエース”手塚がいた。レセプションやディグが乱れたボールでもきっちり打ちきる決定力を終始発揮する。何度も難しいボールを決め、VC長野に一気に持っていかれそうな流れを止めた。さらに、手塚のブロックやスパイクでブレイクして、徐々に点差を詰めていく。20−22から小田嶋のジャンプフローターサーブでVC長野のレセプションが乱れるのに乗じて、手塚が2点決めるなど連続4得点で大逆転。最後も手塚がスパイクを決めて第3セットを奪った。第4セットも、VC長野に主導権を握られる苦しい展開だったが、21−22から第3セットと同じく、小田嶋のサーブ時に3連続得点で逆転。最後は相手スパイクをディグして乱れたボールを小森郁己がアンダーパスでレフト側に高く上げ、その難しいボールを手塚がきっちりと決めて勝利した。

手塚といえば恵まれた身体能力と高さを武器に、とんでもない決定力を発揮すると思いきや、突然調子が崩れてミスを連発してしまったりと、同じ試合の中でも調子の波が極端に激しい。この日は試合を通じて、決定力を発揮し続けるという安定感を見せた。好調ぶりを問われると、手塚は「えー……、特に変わったことは自分自身やっているつもりはないんですが、練習でやってきたことをそのまま試合で出すことができただけだと思っています」と苦笑まじりに答えた。ただ、調子の波について、「どうしても試合途中で決められなくなる時があって、そこで(気持ちを)切らすんじゃなくて、いつも通りの(助走の)入り方だったり、打ち方だったり、常に意識して、やっています」と話した。

ロディ監督も試合後、独特の表現で手塚に大きな期待を表した。「手塚には常にこの状態を望んでいる。すごいポテンシャルの持ち主。少しムーディーなので、同じ試合中でも、すごく燃えているなと感じる時もあれば、(隣に座る通訳の肩を揺らしながら)「起きろよ!」としないといけない時がある。(口で効果音、『ドシュ!ドシュ!』)。手塚は(打点が)高いですし、色んな方向にも打てる選手なので、毎回良い調子で頑張って欲しい。時々勝負心を持てない時がある。ただ、今日の試合に関して手塚には特に何も指示してない。全く指示していない。彼自身が理解している」

そんな“ムーディー”手塚の真価が問われるのは、やはり上位チームとの試合だろう。FC東京が少しでも順位を上げていくためには、手塚の安定した活躍が欠かせないのは間違いない。

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