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コラム

2019-02-02 08:00 追加

神がかった活躍の豊田合成・高松 若い子に伝えたい休むことの大切さ

豊田合成・高松卓矢 1/27サントリー戦会見コメント

V1リーグ 男子


1月27日、リーグ上位のサントリーサンバーズを開いてに0−2から試合をひっくり返した豊田合成トレフェルサ。神がかり的な活躍を見せたのが高松だった。スタートは内定選手の勝岡将斗だったが、第1セット途中から勝岡と交代して入ると、チームを牽引。第3セット終盤にはサントリーに23−24とマッチポイントを握られている中から、高松がスパイクを決め続け、最後は218センチのロシア代表ドミトリー・ムセルスキーをブロックシャット、27−25でセットを奪った。24〜27点目は全て高松の得点だ。

また、第5セットのジリジリとした競った展開が続き、5−7とやや劣勢になった状況から、スパイクを決めて、そして再びムセルスキーをブロックして7−7に戻した。最後も高松が高い打点からサントリーのブロックを打ち抜き勝利に導いた。

高松は試合後会見でムセルスキーをブロックした場面について聞かれると、こう答えた。
「(両腕でガッツポーズしながら)こんなんですよ(笑)。それは置いといて、ここ最近の試合で自分自身、うまく結果がでなくて歯がゆい思いをしてきた。その中で、ここでしっかり、ムセルスキー選手という世界的に有名で偉大なプレイヤーを抑えれてたというのは自分の中でとても良い気持ちでした」

うまく結果が出なかったー。高松はこの1カ月、実は痛みを抱えて、思うようにプレーができずストレスを抱えていたという。前日26日の試合後に明かしていた。

「先々週まで、背中と腰をちょっと痛めていて、自分が思うような動きとか、パフォーマンスの状態を作れてなかった。その状態で、思い切ってジャンプできないし、空中でも体を捻ることができないから、手打ちになってパワーもない。(1月12、13日の)福山大会の時はめちゃめちゃ痛くて、跳べなかった」

そんな体の状態の中、知人の整体の先生に相談をしにいき、自分の体の問題について知った。

「先生から骨盤と仙骨のつなぎ目の仙腸関節の動きが全然出てないと言われた。仙腸関節は元々2、3度ぐらいしか動かないらしいんですけど、体のいろんな動きに影響起こすらしくて、『そこを柔らかくしてあげれば、絶対に腰とか背中とか良くなるはずだよ』と。施術してもらうと、次の日から体のフィーリングが違うなと感じました。(施術は)沖縄大会に行く前くらいですね」

「皆から言われたんですよ。『なんか元気ないよ』『なんかあったの?』って。さすがに怪我とは言えないし、しかもその時は僕自身、怪我とも思っていなかった」

そこから、高松のコンディションは改善し、27日のサントリー戦での大活躍に繋がっていた。

高松は改めてコンディションの大切さを痛感したという。時同じく1月25日、ツイッター上で、体の痛みや練習の休みに関する記事を取り上げて、体を休ませることの重要性についてツイートしている。発信した意図について聞くと、高松は熱く語った。

「自分もこのトップリーグ(Vリーグ)にくるまで相当な怪我、腰のヘルニアであったり、肉離れだったりとか、色々な怪我をしてきた。結局、痛みを無理した状態でパフォーマンスを出そうとしても、良いパフォーマンスを出せない。日本人に多いんですが、痛みを我慢してプレーするというのが美徳みたいな感じというのがある。今、それは違うんだよって。まずは自分の体のパフォーマンスをあげて、そこからしっかりチームに貢献することがいいことに繋がる。そういう思いを込めてあのツイートをしました。今までその状況が僕だったんですよね」

そういった思いの矛先には、若い学生であったり、指導者たちにある。

「学生の時に多いじゃないですか。肉離れ、突き指、捻挫は別に怪我じゃないって。いや、怪我でしょ。そんな状態で頑張ったところで、チームのためにならない。もちろん、頑張るシチュエーションにもよります。僕も一昨年のセミファイナル直前に、ぎっくり腰をやってしまい、注射を打ってやった。でも、それはセミファイナルで、後の少ない状態だったからの選択肢であって、もし1レグ、2レグの時だったら休みます。若い子たちだったりとか、指導者だったりが、(休むと)言い切れない、環境づくりができてないというのが問題」

また、日本人が大好きな「気合い」「根性」の弊害についても言及した。

「根性というか、熱血というか、その言葉を使うのがいつなのかが重要と思います。使ってもいいと思うけど、練習の時から、気合いつかって、根性つかってやるのが重要なのか。根性や気合いを使うのは、試合の第5セット目の10−10とか、めちゃめちゃ踏ん張って、体がきつい時なら必要ですけど。練習で、体が痛いのに気合と根性で頑張るというのは僕は違うと思う。それを若い子たちに理解してもらいたい。それはサボりじゃない。練習、練習、練習と休みがなく、若いから練習を休まなくていいという、そんな道理はない。若い時こそ、自分で自己管理する能力を育てるためにしっかり休みを与えて、休みの間にどういうことをするか考えなさいとするべきです」

サントリー相手のハイパフォーマンスを見せられると、高松の言葉により重みを感じさせられた。この1、2年、日本のスポーツ界では、まだまだ残る、旧態依然な発想や指導方法があぶり出されて、ようやく改善されてきている。

「痛みがなくなれば、体も動けられるようになっていき、練習も楽しくできるようになる。楽しくできるというのが、僕は上手くなるのに絶対必要なもの」

写真・文:大塚淳史

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