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コラム

2013-05-22 18:46 追加

オーバーハンドでのレシーブに関するルール改訂について

議論の絶えないオーバーハンドでのレシーブにかんするルール改訂についての経緯など

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<第1稿> ルール改訂の適応延期をめぐって

今回のルール改訂及び一部適用延期の背景を、特に前代未聞の「適用延期」劇に焦点を当てFIVBとJVA双方の対応から見てみましょう。

FIVB前会長ウエイはかねてから「バレーボールとビーチバレーの融合」を提唱し、オリンピック後の総会(2012年9月USAアナハイム)で一連の改正案を提案し承認されました。方向性としては、我が国オリジナルの9人制ルールを年々6人制に融合させてきた歴史に似ています。

では何故「新ルール9.2.4」が、導入直後に適用延期の運命を辿ることになったのでしょうか。
第一に挙げられることは、FIVB内の改正議論や手続の未成熟さでしょう。「ラリー継続のために」オーバーハンド・サーブレシーブのハンドリング基準を厳しくする、という提案理由はかなり難解ですし、1995年改正(ファーストコンタクトの規制緩和)前に逆戻りさせる必然性も疑問です。
さらに、これまでルール改正時に踏襲してきた公式テストマッチ実施とデータ公開によるシュミレーション手続きの省略は致命傷でした。

国内的には、適用延期のタイミングが年度切替え直後という不幸も重なり、短期間で旧→新→旧ルールという事態も発生してしまいました。
では、このルール改訂問題に関するJVAの対応はどうだったのでしょうか。
9月総会でのルール改訂案は事前に公開されていましたが、JVA組織内での議論啓発(改定案への賛否と理由づけ)は機関決定せず臨みました。
ちなみに、FIVB会長選挙(3人が立候補)で誰に投票するかだけは6月に理事会決定しています。

そしてFIVB決定後の9月から6ヶ月間は、①新ルール国内適用(適用の是非・適応範囲の検討)、②移行措置(移行時期と周知徹底期間)を議論する好機でした。
が、3月末決定・4月実施のJVA上位下達方式を踏襲し、過去のFIVBルール改訂のたびに「決まってしまった」という被害報告と、「決まったものには早く慣れた方が得策」に終始するJVA体質を重ねました。その後のFIVB理事会決定(適用延期)は、想定内の丸呑みという対応かもしれません。

消息筋によれば、これらの背景にはFIVB内の主流派ラテン系・反主流派ヨーロッパ系の確執や会長選挙後の抗争が影響しているとの観測もあるようです。
この際JVAには自国に有利か不利かの観点だけでなく、アジア・アフリカのバレーボール普及発展に寄与するルール改訂試案づくりの推進者としての役割が期待されています。

第2稿へ続く

文責:南風 さやか

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