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コラム

2013-07-19 01:44 追加

聞こえない人たちに教えること デフバレーと私 第4回

聴覚障害者のバレーボール環境について、今回は試合会場への移動に関して。

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皆さんは公式試合に参加する際に、普段どのような行動をとられていますか?
試合前日に集合場所や時間、試合会場の確認、個人の持ち物(ユニフォーム、シューズ、食事・ドリンクなど)、チームの持ち物(ボール、かご、救急箱、ビデオカメラ、三脚、ベンチスタッフのバッチ、床拭きタオルなど)を確認しますよね。集合時間になっても来ない場合、皆さんならばどうされますか?すぐに電話するということが可能ですよね。

基本的に聴覚障害学生の場合はそれができません(聴力の軽い学生で音声会話が可能が学生も中にはいますが)。相手が受話器を上げた「ガチャ」というようなかすかな振動・音を頼りに、通話できても相手の話している内容はほとんど聞き取れませんから、こちらが一方的に話して切る程度のことしかできません。コンビニエンスストアでFAX常設している所も少ない上に即時のやりとりはできない。ポケベルを使う時期もありました。

今では携帯電話が普及してメールのやりとりできる、メーリングリストも使える、SNSのツールも使えるなど聴覚障害学生にとってはかなり便利になりました(音声を文字化して伝える手段が増えた)。だから集合時間に遅れそうならば連絡する・もらう、それで待つか先へ行くかなどの判断ができるようになりました。これだけでもほんとに心の持ちようが全然違います。

移動が始まると一番最初は切符を買う場面で、また時間がかかります。ご存じのように彼らには身体障害者手帳の等級によって、鉄道の乗車券の割引があります。(2級だと乗車券が本人と介助者1名が半額)健常者のように自動券売機で切符を買ってすぐに改札口を通ってホームへと行きません。
近距離の切符でも有人の窓口に並ばないと買えません。並んでも筆談するために時間かかる、面倒だから音声で窓口の係員と会話して済ませようとしたら、間違った発券をされたなどは日常茶飯事です。
「浜松町」に行きたいのに「浜松」だったり、「新神戸⇒東京」と言ったのに「東京⇒新神戸」だったりと。間違えたらまた並び直さないといけない。有人窓口に並ばずに券売機で「こども」料金で買うと、自動改札機でこどもランプ点滅して、係員に呼び止められて最悪は駅員室に連れて行かれる(不
正乗車ではないかと誤解される)なんてこともありました。ちなみに飛行機移動の場合、人工内耳を装着していると、空港での保安検査場の通過ができないケースが多く、別室で連れて行かれて検査を受けます。

移動中の電車・バスの渋滞や事故情報が音声案内のみで何が起きたのか把握できない、大都市圏では電光掲示板や運行情報システムなどで情報はつかめますが、復旧にどの位かかるのか、電車は今どこを走っていて、このままここにいた方が良いのか、別の手段を使う方が良いかなどの課題はあります。
このように試合へ行くまでにいろいろなことを考えないといけないわけです。

試合だけではなく、こういう場面でも4年生にはリスクマネージメントを知る良い機会と捉えています。「あらゆる状況を考えて後輩たちを連れて行きなさい」と。
会場に着いた時にはすでにグッタリという学生もいて試合以前の問題ということもありました。次回は試合会場でのお話をしたいと思います。

文責:筑波技術大学 バレー部監督 今井計

音声を文字化できる手段が増えて、連絡がつきやすくなった。

音声を文字化できる手段が増えて、連絡がつきやすくなった。

待ち合わせをするときは、このように場所を画像で送ることもある。これは健常者でも役立つテクニック。

待ち合わせをするときは、このように場所を画像で送ることもある。これは健常者でも役立つテクニック。

 
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