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インタビュー

2020-09-30 11:56 追加

荻野正二サントリー前監督「前シーズンより個々の選手のレベルは上がった。唯一の心残りは、リーグ優勝を果たせなかったこと」

荻野正二さんインタビュー

V1リーグ 男子

サントリーサンバーズの荻野正二前監督にお話を伺った。2019-20シーズンの振り返りなど。

――お久しぶりです。まず、おうち時間の過ごし方について教えてください。

荻野正二監督(以下、荻野):体育館に行ける時もあるので、そういう時は体育館でトレーニングしています。自宅では、公園なども近くにありますが、あまり行かないようにしています(笑) そして、夕方にちょっと散歩に行ったりとか…。そんな感じです。なるべく誰とも会わないように。

――三密にならないようにしているんですね。

荻野:電車などは乗らないようにして、外出時はマスクを着用するようにしています。

――それでは、ファイナルステージを振り返っていただきます。4位という結果でしたが、4位と5位では実は(システム的には)そんなに差がなくて、勝ち上がるために全力を尽くさないといけなかったと思います。ファイナルステージに入る時に選手たちにどんな声かけをされましたか?

荻野:後半、ムセルスキーが怪我を負い、テンションが下がりつつあったのですが、(レギュラーラウンドの) 最後に長野でVC長野に勝って、 最後に勝って終われたのがメンタル的によかったということ。
そして、言われたように4位も5位も一緒ですから、とにかく勝ち続けなければならない。なので、スタメンの6~7人だけでは絶対に乗り越えられないから、それ以外の選手もしっかり使いたいと思っていました。そこは、「みんなで戦う」ということは伝えて、初戦が堺ブレイザーズだったので、向こうも勢いがかなりあるし、その中で技術的にだけではなくメンタル的に勝つという意識を持つように話しました。(ファイナルステージは)トーナメント方式みたいなシステムだったので、技術よりも精神的に強くなってみんなでやっていこうということは伝えました。

あとはムセルスキーが(怪我から)復帰できるかどうかという感じで、常にトレーナーやメディカルスタッフと相談しながらやっていたんですけど、順調だったので、大丈夫だろうと。本人もやると言っていましたから。ムセルスキーがいるのといないのではだいぶ違うし、他のメンバーの気持ちも全然違うので、そこは帰ってこれると信じて、うまく持ってこれました。一致団結してもう一回みんなでやっていこうというので、ひとつの方向を向いてできたかなと思います。

――その堺戦は少し競りましたが…?

荻野:そうですね。こちらも硬くなったし、向こうの勢いもあったし。直近の試合ではムセルスキーがいなかったこともあり、負けていましたし。それも3-0で負けていました。そんな中、競り勝ったのが、かなり大きかったかなと思います。この試合に、選手が体調などうまく持ってこれたのと、ムセルスキーも帰ってきて初戦から一緒に戦うことができたこともかなり大きかったです。

――2戦目のJT戦は比較的すんなり勝てたように見えました。

荻野:JT戦はやっぱり(レギュラーラウンドの)最後に勝てたのもよかった。ただ、その前に負けた時の負け方があまりよくなくて。向こうもかなり自信を持っているのではないかと思っていました。こちらは(前日に)堺に競り勝ったことがかなり自分たちのモチベーションになっていて、逆にJTとしては(サントリーは)得意なチームという意識があるような雰囲気に見えたのですが、途中からちょっとJTらしくないなと感じました。「勝てる相手だから絶対に負けるわけにいかない」と思って、ちょっと硬くなっているのかなと。

負けているときはエドガー選手、陳選手、小野寺選手、山本将平選手などがいてまとまったチームだったのですが、途中で「あれ、焦っているのかな?」と感じました。自分たちは勢いがついているから、気持ちを前面に出してやっていたし、その差が生まれたのかなと。だから、向こうが途中で焦っていたというのもあるし、そこにつけこんでこっちも大宅のサーブなんかがよかった。あれでこっちが主導権を握ったのがよかったかなと思います。

ファイナルステージではレギュラーラウンドの勝敗関係なく、4位で行ったけど(前日に)1戦目を戦えたというのも、苦手とするJTと対戦するにあたってはよかったのかなと思います。

――そして、3戦目のジェイテクト戦。3連戦というのはきつかったのでは?

荻野:そうですね。トーナメントだと、言い方は少し失礼ですが、天皇杯や黒鷲旗などでは徐々に強いチームと対戦していくので、いろいろな選手を試しながら勝ち上がることができますが、この3連戦というのは力の差がないチームばかりなので、メンタルが厳しかったです。1セット目は勝てましたが、2セット目、3セット目とセットを追うごとに足が動かなくなったり。勝ちたい気持ちはみんな持っているけれど、少し歯車が狂うと向こうは元気だし、絶対的なエース(西田選手)もいますし。でも、そんなにやられたというのはなくて、悔しい負け方で最後の2点が取れなかったかなというのはありますね。

トータル的に考えても選手もスタッフもよくあそこまで頑張ってくれたと思いますし、順位も3位でしたが、昨シーズンよりはかなり力がついているのも実感しました。あそこまで精神的にも強くなったというのは、来シーズンに向けて良い材料ができたかなと思いますね。 最後はいいところでサーブで西田選手にやられたけど、あそこは競っていれば、2戦目に当たっていればどうかなというのはありました。たらればなんですけどね。やっぱり、あのサーブが打てるというのは並大抵の選手ではないんだと感じましたし、スパイクも結局、カジースキ選手よりも西田選手の方が本数も多く、決定率も上回っていた。サーブもいいところで回ってきて、自分でモチベーションを上げてやっていたのかなと。それに対して、こっちも対策をいろいろファイナルステージに向けて、練習は積んできたのですけど、最後にやっぱりサーブでやられたかなというのはあります。

――(西田選手のサーブは)決勝もそうでしたもんね。

荻野:はい、決勝も見ていましたけど、クビアク選手がレシーブをふっ飛ばされて(笑) うちのムセルスキーも途中でサーブレシーブにも入ったりしてくれていました。ムセルスキーは冷静でしたが、決勝を見ていた感じではクビアク選手はもう西田選手にイライラしていたのかなと(笑)
決勝を見ていた感じではカジースキ選手もすごかったですもんね。うちとの試合よりもさらに調子よくなっていたかなと感じました。

――1セット目はカジースキがサーブで狙われてダメになっていましたが、2セット目に入る前に彼が周りに声をかけて、「1セット目がダメだったのは自分が悪かった。自分で修正するから、もう心配するな」というようなことを話して、本当に修正してきたらしいです。

荻野:スパイクも、今までよりかなり角度があるのを打っていました。うちもムセルスキーをブロックで真ん中に置きながら、それを止めるための対策は組んでいたのですが、それも3戦目となると、怪我上がりでムセルスキーの負担が大きかったかなというのもあります。でも本当によくやってくれたので、チームとしては3位だったけど、3戦とも本当にいい試合内容でした。個人の力も多分ついていると思う。黒鷲旗、そのモチベーションで戦いたかったです。たらればですけど、連覇できていたような気がします。そこはすごく残念でした。

(コロナが)ここまでひどくなるとは思わなかったし、天皇杯は仕方ないにしろ、黒鷲旗だけは去年優勝しているし、今年も最後のしめくくりで連覇できればなと思っていたし、その力もついてきていたので、残念です。先ほど言ったように黒鷲旗は連戦ですけど、去年みたいにいろんな選手が活躍できるスキルを持っているので、楽な戦いではないけれど、そこの部分でちょっと自信はありましたね。

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