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コラム

2014-06-10 19:04 追加

世界のバレー会場から 第6回 バレー愛は世界一!? ポーランド男子リーグ会場

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早いもので第6回目となる「世界のバレー会場から」。第1回のロシアから、イタリア、韓国、デンマーク、ドイツと取り上げてきましたが、これまで各国の会場を訪れてきて、毎回感じる共通項がありました。それは「男子バレーは男性からの支持で成り立っている」ということ。ロシアの中高年男性、イタリア、ドイツの壮年男性、デンマークの青年たち、応援スタイルの違いはあれど、会場を賑わせているのは男性の声。相対的な人数も男性の方が多く、海外観戦を重ねる度に「バレー=男性のスポーツ」という認識が深く刻まれていきました。

と、それはポーランドを訪れる前までのこと。正確にはポーランドの会場を訪れ観戦が終わるまで、この認識は確固たるものとされていました。ところがそれを覆す光景をポーランドでの観戦後、目の当たりにすることになったのです。

キルツェ会場を埋め尽くす観客達

キエルツェ会場を埋め尽くす観客達

Skra体育館グッズ売り場

Skra体育館グッズ売り場

レギュラーシーズン終盤、観戦に訪れたワルシャワ、キエルツェ、ケンジェジン・コジレ、ベウハトゥフのホーム4会場はほぼ満員。収容人数3000人(大阪府立体育館の固定数)~6000人(東京体育館の固定席数)の各ホーム会場は、人気チーム同士の対戦、チャンピオンズリーグともなるとチケットは試合前に完売してしまうといいます。当日券に頼らず前売りを買い、指定席であるにも関わらず開場前から入口で待機するポーランド人、ここにバレーに対する興味の深さ、思いの強さを感じることができます。会場入りすると直ぐに目に付くグッズ売り場の商品の多さも、バレー人気の高さを裏付ける一つ。試合を待つ観客を見ても、ホームのチームを応援しようとする姿勢に力の入れ具合が表れていました。

幅広い年齢層の男女が性別は関係なく、また一人でもグループでも人数に関係なく、おのおのが応援準備をしてきています。チームグッズのマフラーをさりげなく巻いている子連れのお父さん、派手なチームカラーのTシャツを着ているおばさまたち、メッセージを書いた模造紙を握る一人観戦の若い女性、フェイスペインティングをしている大家族、ふらっと来て観戦するのではなく、このために準備してきました!といわんばかりの格好で、ためらう様子など一切ありません。また堂々とコートサイドまで迫り練習中の選手を追っている女性たちのカメラも、携帯電話等ではなく高機能なものが多く、その数は他国に比べてダントツの多さでした。

キエルツェサポーター

キエルツェサポーター

観戦前から万全体制のポーランド人、観戦中ももちろん100%の力で後押しします。なんといっても相手サーブ時に発せられるブーイングの声は、合唱団並に揃っており、一緒に「Boo・・・」と言っておかないと周囲から浮いてしまい、居心地悪く感じるほど。プレイオフシーズンのイタリアのような怒り混じりのブーイングとは違って、勝負とはどこか関係のないところで楽しんでいるようにも見えます。相手サーブを阻止すべく、両手を前に出して手のひらを動かす、まるで呪いをかけるようなアクションは、大人のみならず子供たちも喜んで参加していました。

と、ここまでは他国同様、男性サポーターの存在が大きく「男性が支持する男子バレー」を感じていました。しかし、ここから驚きの展開へ。試合終了と共に会場は空気が一転するのです。

決着が付き対戦した選手同士が握手を終えるや否や、いち早く選手との接触を図ろうと女子たちは我先にとコート際まで詰め寄り、仕切りのパーテーションに張り付いて待ち構えます。セキュリティー監視のもと手にはサインペンやノート、カメラを準備し、ストレッチ中の選手に熱い視線を送るのです。中には男性ファンや子供の姿も見られましたが、女性が圧倒的に多く、ここに「女性が支持する男子バレー」の構図を見ました。

ワルシャワ会場でのファン対応

ワルシャワ会場でのファン対応

女性ファンの心をガッチリ掴む男性選手たちの対応を見ていると、なるほど、心を奪われるのがうなずけます。大人数でも一人ひとり丁寧に要望に応え、たとえ試合に負けていても、苦痛の表情をおもてに出すことはありません。言葉を交わすことももちろんあり、選手によっては会話が弾んでいる様子が伺えました。すべての対応に2、30分を要する選手もまれではなく、「また来たい!」、「もっと応援したい!」と思わせるような多大なる喜びと笑顔を、多くのファンに与えているのでした。

男性だけでなく女性ファンからも熱烈に愛されているポーランドバレー。試合翌日のスポーツ新聞は一面全体を占領することもあり、国民の関心の高さが見て取れます。もちろんナショナルチームや海外チームに関してもしかり。昨年のヨーロッパ選手権では、自国が勝ち進めなくてもデンマークのファイナルラウンドへと足を運ぶファンを団体で見かけ、バレーが人気ある競技であることを実感しました。

ZAKSA会場玄関マット

ZAKSA会場玄関マット

そんなポーランドでこの9月、4年に一度の「世界選手権男子大会」が開催されます。すでに先月、インターネットサイトにてチケットが発売されましたが、決勝戦は発売開始わずか15分で完売となりました。リーグチケットの価格の数倍~10倍、150~500ズオッティ (5,000円~16,000円)で販売されているにも関わらずこの売れ行き、早くも現地での盛り上がりを感じます。9月21日の決勝戦、果たしてその舞台へ勝ち進めるのは、一体どこの国なのか…。順位も気になりますが、会場の応援の様子にも注目したいところ。バレーボール愛はどの国にも負けない金メダル級のポーランド、どのような盛り上がりを見せるのか期待が高まります。

 

文責・写真:宮﨑治美
長崎県生まれ。2007年ワールドカップをきっかけにバレー観戦を始め、2009年頃から徐々に海外へも観戦に行くように。競技経験はないながらも、コートの中で繰り広げられるドラマ、選手の人間性に魅了され観戦し続けている。

第一回 ロシアリーグ
http://vbw.jp/5161/

第二回 イタリアセリエA1
http://vbw.jp/5267/

第三回 韓国Vリーグ「オールスターゲーム」
http://vbw.jp/5414/

第四回 ヨーロッパ選手権
http://vbw.jp/5760/

第五回 ドイツリーグ
http://vbw.jp/5923/

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