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インタビュー

2015-06-11 17:35 追加

気がつけば全日本へ。浅野博亮インタビュー

V1リーグ 男子

−−出身の長野では見る機会がないのですかね。

浅野:高校なら有名なところありますが。中学でも高校でも全国で有名な選手は誰1人も知らなかったですし。

−−対戦相手でも?

浅野:覚えないです。あ、そりゃまぁ凄い大会の決勝で当たった時に知っている人がいるみたいな。県選抜とかあの人凄いな〜と思った時は、たまに覚えますが。高校とか春高で特集されていて、有名な選手とかいっぱいいるじゃないですか。一切知りませんでした。

−−浅野さんの世代で愛知だったら…。

浅野:深津(英臣)とか(渡辺)奏吾とか一緒のチームの阿部(純也)とか、星野とか、中学選抜で一緒にやっていたので知っていましたが。彼らは一個上の有名な選手とか知っていたりはしましたけど、当時の自分は一切わからなかった。今はさすがにわかってきましたけど、そういう環境にいるので。

−−ある意味なんというか、無欲というのか、ま、色んなタイプの選手がいると思いますが、そこまで知らない選手も珍しいですね(笑) 確かにやることだけにしか興味を持たないという選手は結構多い気はしますが。

浅野:プレミアというものを上がるまでいっさい見たこともなかった。他の選手は、関東の大学出身選手は、黒鷲旗とか天皇杯でプレミアのチームと当たって経験したことがありますが。自分はプレミアに上がって初めて試合した時が、初めて見たプレミアの試合ですね。

−−内定選手の時はリーグのみですもんね。さらに上を目指そうという欲は、今は出てきているんですか? 話を伺うと、どちらかというと、バレーを楽しみたいというか。

浅野:あー、どっちかというとそっちですね。自分のチームに自分より凄い選手がいるのに、こんなところで活躍できるわけないと思っています。

−−例えば自分より凄い選手というのは?

高橋和人選手

高橋和人選手

浅野:高橋和人選手ですね。全てにおいて自分の上にいっている選手なので。まずはそこに達したいなというのがあります。何よりもチームで勝ちたいという感じですね。日本2位にはなったことありますが。ジェイテクトで優勝したい。2位になったのは高校2年の時の国体です。今まで選抜では日本2位、3位、4位ってなったことはありますが。1位だけが無いです。

自分は全日本に行ってそこまで有名になりたいというのがあるわけではなかったので、もしかしてこれから変わるかもしれませんが、今現時点ではそこで活躍するよりは「ジェイテクトの浅野」と言われる方がしっくりきます。

−−全日本の合宿では、子供からの人気が凄かったみたいですね。

浅野:なんか知らないですけど。いっぱい来ましたね、びっくりしました(笑)

−−そうなると、必然的に注目されてくるのでは。

浅野:注目があがっても、ジェイテクトで優勝するというのに目が向いています。あと、高校の時から取材される度に言っているんですけど、「この身長でもやれるんだぞ、通用するんだぞ」と少年たちに言いたいです。やっぱりバレーは身長が高い人が選ばれる傾向がある。でも、覆したいというのがあります。

−−そこに対する意識は、なにくそというか、やってやろうという意識はあるんですね。

浅野:そうですね。そこはあります。高い奴は身長が高いだけで選ばれたんだろって高校の時から思っていました。「俺だってその身長があればできるわ」って(笑)

−−そういう意識は成長に繋がりますよね。

浅野:はい。だから、今は逆に嬉しいですね。身長がなかったことが。身長無いのにあそこまでできるのかって、逆においしく感じます。今はですよ。

−−ジャンプ力というのは天性のものですか?

浅野:お母さんがものすごくジャンプ力あったからと思います。

−−何かスポーツをやっていたんですか?

浅野:母はバレーをやっていました。最初はテニスをやっていて途中からバレーをしていました。両親2人ともバレーをやっていたので、小学校からトレーニングさせられたのがジャンプ力にいいんじゃないですかね。

−−スパルタちっくに?(笑)

浅野:夜中に縄跳びさせられたり、スパイクジャンプさせられたり。

−−(笑) 小学校の時のトレーニングって効果があるのですか?

浅野:どうなんですかね。

−−小学校の時から跳んでいる感覚はありました?

浅野:まぁそうですね。中学の時から330cmにはいっているんで。

−−えー! その時の身長は?

浅野:175cmですね。

−−175cmで330cmって中学レベルじゃもう……。

浅野:中学校の時はもうリングを垂直ジャンプでつかめていました。

−−えぇーー!!! すごいですね。その頃なら、身長高い選手がまだジャンプ力がおいてついてないころなので。高い選手の上から打てたのでは。

浅野:ブロックの上からではないですけど、人生の中で中学校のバレーが一番強かったですね。試合中に何本もアタックラインに打ち落としていました。これだけ高さがありましたし。高校に進んでからは身長が伸びなかったので、そこからは変わりましたね。中学のころはバレーが簡単でしたね。アタックラインの真ん中に打ち落としたり、そういうのができていた。高校では際どいコースが打てないので、今もですが、そこから打ち方が変わった。

−−大学リーグはどうだったのですが?

浅野:東海リーグは大学1年春と4年春以外は全部優勝。4連覇して、5連覇狙った時に負けて、またそれから4連覇。自分は確か6季連続猛打賞ですね。

−−その頃はプレミアに行きたいという意識はあったのですか?

浅野:いや、全然ですね。卒業する時、4年の頃、普通に就職活動しようとしていました。ジェイテクトに決めたのもギリギリ。他で指導者に誘われているところがあって、大学バレー部の監督をやってくれと言われていた。最終面接を受かってくれと。一方でジェイテクトから入団できるという話があって、面接がジェイテクトの方が1週間早かった。受けてから断るのも気まずいな〜と。監督とジェイテクとが知り合いなので…。断るのも気まずいな〜、どっちにしようかな〜、大学の先生の方が収入良さそうだしな〜って。バレーそんなにやりたくないな〜って思っていたんですよ。ただ、最終面接に受かる自信がなかった。落ちたら浪人だしな〜って。他の就職活動の最終面接を2、3度落ちていたし。しかし、実家に帰った時に、知り合いの監督とかが全員「教え子からプレミアに出てもいいんじゃね?」って言われて、じゃぁ面接に受かる自信も無いし、ジェイテクトに行くかって。

−−面白過ぎます。ここまで何が何でもプレミアに欲がなくてたんたんとバレーをやってきたとは。

浅野:もっとぶっちゃけた話をすれば、大学もバレーを辞めたくて愛知大学に入りました。自分が入るまでは東海リーグ4位とか5位で戦っていたんで。リーグ終わりに2カ月とか休みとかある楽な大学なんで。勝たないといけないとか、夏休みに合宿とかもないし。2カ月丸々何も無い時とかもありました。

−−えーーー!! それで4連覇2回も。なんか面白いですね。浅野さんの気持ちと結果が反比例しているというか。

浅野:そうなんですよ。愛知大学にいって、東海リーグの4位、5位やって普通に就職して、趣味でバレーしようと、まぁ楽しい生活をしようと。勝ちに拘らないバレーをと思っていたんですが、2つ上の自分の兄が愛知大学にいて、兄弟が揃ってどんどん強くなってしまいました。兄はリベロで自分はアタッカー。そして、西日本インカレで優勝して。そしたら、愛知大学は常に勝たないといけないみたいになってきて。練習が厳しくなって…。

−−普通は本人の上昇志向があって、チームを強くするというのはありますが。

浅野:試合になれば自分は負けず嫌いなので、絶対勝たなきゃていうのはあるのですが、普段はバレーで強いところに行きたいところとか無かった。キャンパスライフを楽しむぞという夢がありました。

−−実際キャンパスライフは楽しめたんですか?

浅野:いやー、結局バレーづくしでした。連覇していくと、OBが盛り上がって、勝たなきゃ、勝たなきゃ、勝てよってな感じで結局。

−−その時はキャプテンを?

浅野:3年と4年の春までやっていました。

−−そういう雰囲気を見ると、ジェイテクトでも必然的に中心選手に。

浅野:もうジェイテクトに入ってからは、そんな風に思っていないですよ。勝ちたいとしか思ってないです。勝ちたいというよりは上手くなりたいですね。もうここまで来たら。ぶっちゃけ、最初は迷惑かけないレベルにならないように必死でした。結局、自分が恥ずかしい思いをする。なんか知らないけどと言えば失礼ですが、試合出させてもらって、そこで出た時に、1回出た時に心が折れちゃって、サーブカットが返らなかった。そうなると、周りの先輩に申し訳ないですし、自分自身が負けず嫌いなので、必然と努力しましたね。

−−面白いタイプの思考ですね。

浅野:小さい頃からバレーをやりすぎている。今まで2000回くらい辞めたいと思ってきた。24歳でバレー歴19年目。もうバレーを辞めて、中学くらいの時から夢が、将来の夢は一般人でしたね。バレーの無い、土日を休んで家族で旅行する。遊びたかったですね。

−−今もその夢はかなってないですか。

浅野:そうですね。かなってないですね。

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