2015-11-30 17:29 追加
「ブラジルバレーのすごさを感じています」荻野正二
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■日常生活について
ーー食事や言葉、治安など日常生活はいかがですか。
荻野 家の周りも日本食買いに電車乗るのも危険はないです。問題は食事だけですね、飯が自分で作れんから大変です。こっちに来てから12キロ痩せてしまって、ほんま糖尿か癌かと思いましたよ。自分じゃ何も悩んでないと思ってたんだけど、知らず知らずに小さなストレスがたまってたみたいですね。チームのみんなが心配してくれて、検査で何でもなかった時はみんな喜んでくれました。栄養士さんまでアドバイスしてくれて、もう大丈夫です、体重も戻り始めました。言葉はジュニアの子なんかよく教えてくれますよ。助かります。
★10月末、SESIでの研修の合間に、サンパウロ日本人学校で講演会を行った。参加した父兄によると、生徒はまず背の高さにびっくり。実演では、バレーの経験者から「サーブのフォームがきれい」、「どうやったらあんなに手元でボールを殺せるの」と感嘆が上がり、体育館の天井に届くような高いトスに生徒たちは口をあけて見入っていたそうだ。「ブラジルに来てかなり痩せてしまいました」と言えば、奥様たちが「私が手料理作ってあげたい」と黄色い声があがる一幕もあった楽しい思い出の1日となった。
ーーブラジルでは、挨拶する時に男性にはアブラッソ(ハグ)して肩や背中をたたきあったり、女性には頬にキスしたりと、スキンシップといいますかコミュニケーションを大事にしますね。もう慣れましたか。
荻野 女子選手とはほとんどしないですよ。むこうもなんか抵抗あるみたいでお互いに一歩ひいちゃって。日本に帰る間際くらいには慣れるんちゃいます? 「ボンジーア(お早う)」とかはちゃんと言いますよ。男が握手したり、背中とか叩きあったりとか、あれはいいですね。練習で言いあっても帰る時抱擁して、あとはけろりとしてる。がっちり握手されると、こっちも力湧きますわ。
ーー日本のファンの方々へメッセージをお願いします。
荻野 あと9ヶ月。きっとあっと言う間ですが、後で、ひとつ大きくなったと思えるよう頑張りたいです。W杯の後、バレーファンが増えたと聞いて嬉しいです。最初は一人の選手のファンでも、そこからチームにそしてバレー全体を応援してくれたらと思いますね。現役時代もスタッフになっても、ファンの方の応援は偉大な力です。ブラジルではセレソンもクラブチームも、こんだけ応援されたら負けられないですよね。そこからバレーをやる人も増えて、強くなっていくんだと思います。Vリーグだけじゃなくて、五輪予選そしてリオ五輪。やっぱりオリンピックに出てなんぼだと思うんで、そこまでの長い道、これからも応援して下さい。
SESIのパシェコ監督は、「言葉でじゅうぶんなことを伝えるのはまだ難しいところもあるだろうけど、いつも自分の考え、意見を持つことが大切です。オギノと私、どちらが正しいかというのではなく、お互いの考えの中から別の良い道が見つかることもあります。ブラジルにいる間にたくさんのことに触れ、考え、成長してほしいです」と、また、日本で荻野監督のもとでプレーしたテオ・ロペスは、「今度は僕がオギノを助ける番だけど、日本語忘れちゃったよ。でも一緒に楽しく頑張ろう! 日本語で、ガンバレ! だっけ? あってる?」とエールを送っている。
聞き手・写真:唐木田真里子
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