2017-06-12 19:55 追加
ジルソン退任前の最後の声 引退・退団特集
引退・退団特集
SV男子
サントリーサンバーズは5月23日、荻野正二氏が監督に就任することを発表した。それに伴い、ジルソン体制は終焉を迎えた。2014年から3シーズンに渡って指揮し、15年の黒鷲旗で優勝したものの、Vプレミアリーグでは2014・15シーズンの準優勝が最高位。選手時代にはサントリーの5連覇を導いた英雄としては、少し寂しい成績に終わった。黒鷲旗の準々決勝・堺ブレイザーズ戦敗退後に退任前“最後”の声を聞いた。
——黒鷲旗が終わり、今シーズンを終えました。今シーズン、これまでの感想は?
ジルソン・ベルナルド監督(以下、ジルソン):今シーズンに関しては、有望な若手選手が活躍してくれた。ただ、ファイナル6の段階では経験不足だったのが、一つ大きかったかもしれない。ベテラン選手が経験という面ではもちろん、若手選手たちを色々とサポートしてくれた。若い選手たちはこれからも期待できる。私の個人的な意見ですが、あまりに、日本のバレーボールの若い選手たちに対して、プレッシャーがかかっている。例えば、話題の「NEXT4」とか。ある部分まだ未熟なところもあるなかで、「彼らが日本のバレーを作ってくれる」という雰囲気を無理して作っている傾向がある。そういうところは修正する必要があるのではないか。
——その「NEXT4」と言われている一人である、柳田将洋選手を指導してきました。ジルソン監督の目から見た柳田選手はどううつりましたか? 海外リーグへの挑戦を表明しましたが。
ジルソン:日本にとって大事、非常に真面目な選手。プレッシャーに強いタイプ。プレッシャーの中で、バレーボールで強い選手になるまでには、いろんな状況、いろんなプレッシャー、いろんな厳しい状況、そういうプレッシャーが当たり前となっていくまでは、まだ時間がかかると思う。彼がさらに成長するためには海外挑戦するのは不可欠。正しい選択だと思う。
——海外挑戦の相談はされていましたか?
ジルソン:本人から直接、相談されたわけではないけれど、相談される前に、私の方から彼に言うことがあったり、他の記者から「柳田選手をどう思いますか?」「彼が成長するためにはどういうところが大切ですか?」とたまに聞かれ、よく答えていたのは、海外のリーグで、外国人選手のいるところで、徹底的に挑戦した方がいいですよとは言っていた。
——柳田選手の身長(186センチ)で通用すると思いますか?単純に身長の面から見てどうでしょう。
(*身長が全てではもちろん無いが、世界トップレベルのウィングスパイカーは190センチ以上はある)
ジルソン:クビアク、ジバ、ムーリオ(と名前を挙げた。「彼らは決して高身長じゃないよ」という意味を指すと思われる)のイメージ。もちろんいい選手だったら、確かに海外のバレーでいうと190センチ、193センチはあるかもしれないが。
——敗退後、胴上げされていましたね。監督を辞めるのは決定ですか?それとも継続ですか?
ジルソン:はは(笑)。大会に始まる前に、選手たちが「何があっても胴上げするぞ」と言ってくれて、「やめてよ、恥ずかしい」とは言ったんですけど(笑)。彼らがどういう気持ちでやってくれたかわからないけど。今後については、ブラジルに帰るか日本に残るか。
——ジルソン監督自身の気持ちは?
ジルソン:正直にいいますと、監督になって、ブラジルで1年間しか経験してなかった。そしてサントリーからオファーをもらって3年間したが、正直にいうと、ちょっと他のところで勉強したほうがいいのではないかなと、監督としての経験だったり、勉強とか。一つのオプションとして一度日本を出て(バレーを)勉強する。また、縁があったら日本に戻ればと。
——もしサントリーでの監督がラストという前提で、今までの感想は?
ジルソン:感謝の気持ち。現役選手の時からいろんな方々にお世話になって、監督という仕事もいただきました。監督として日本に戻って、チームのスタッフもそうですし、現役時代の知り合いにも会場で再会できた、皆さん温かく迎えてくれた。感謝の気持ちしかない。万が一、来シーズン再会することができなくても、あなた方の仕事は重要なのでがんばってください。
——ありがとうございます。お疲れ様でした。
聞き手・写真:大塚淳史
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