2017-07-18 19:48 追加
悲願の金メダルへ!デフバレー男子代表がトルコに出発
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主将の狩野拓也選手はデフリンピックに初参加。身長は177センチで、最高到達点が320センチ。エースとしてチームを引っ張る。今大会の意気込みについて尋ねると、
「金メダルを狙います!」
と宣言した。狩野選手は医学部を卒業し、現在研修医1年目として勤務する。研修医は相当忙しいはずだが、
「選手によっては、『そんなお遊戯に参加して』と会社から許可が下りないこともあった。うちの院長が懐が広くて、『行ってこい』と背中を押していただきました」
と所属病院への感謝を口にした。
チーム最年少の15歳の千原浩平選手(静岡県立沼津聴覚特別支援学校1年)は、今年1月から代表に参加する。身長は164センチと小柄だが、ピンチサーバーとして期待されている。
「ジャンプフローターサーブで貢献したい。(最年少での代表参加について)人生の中でも一度あるかどうか。金メダルを取りたい。また、自分と同じ聴覚障害者と一緒にバレーをする機会がなかなか無いのでこういう機会は楽しみです」
と顔を綻ばせた。
チーム最年長で46歳の信田光宣選手は、1997年のコペンハーゲン大会から6大会連続の参加となる。経験値だけでなく、188センチとチーム内では高身長とあって、ブロックにアタックと活躍が期待される。
「一戦一戦を大切にして、相手に負けない気持ちで、全員の力を合わせて最高のメダルを取りたい。(個人としては)センターなので、Aクイックを決めたい。そして、セットに2本はブロックを決めたい」
と意気込んだ。46歳と体力的には厳しいはずだが、
「さすがに苦しいですね。でも、この大会のために、食事や体力づくりなどに取り組んできました。若い人たちに負けません」
とベテランならの自信を見せた。
デフリンピックの認知向上、聴覚障害の子供を持つ親たちにロールモデルを見せる
また、彼らは金メダルを狙うのと同時に大きな役割を担う。同じ障害者スポーツの祭典であるパラリンピックは、この10年で多く報道されたり、パラリンピック代表選手たちはテレビCMや広告で採用されるなど、社会的に大きく認知された。しかし、デフリンピックはパラリンピックほどの認知があるとはいえない。今大会の活動費やピーアール活動も、鹿谷監督、選手、日本デフバレーボール協会や様々な関係者らが奔走し続けた。狩野主将は、デフバレー代表として選ばれた意味について問われると、言葉を選びながら答えた。
「代表に選ばれるまで、そもそもデフリンピックのこと自体を知らなかった。監督が全国で選手を発掘されていて、それで初めて知った。国を代表するのは名誉なことです。一方で、聾学校の子供達だけでなく、また、むしろ親御さんたちにとっても勇気付けられると思います。聴覚障害の子供さんを持った親御さんは、子供が将来どうなるか不安がられると思います。僕らの様な大人が、仕事をしながらバレーをしている姿を見せれば、ひとつのロールモデルとして勇気付けられるはず」
社会的な認知を少しでも高める上でも、活躍する姿をトルコから日本へ届けたい。
取材・文:大塚淳史
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