2018-04-26 19:37 追加
新たな挑戦、ブラジル初の性転換女子選手ティファニー・アブレウ
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■塗り替えられた記録
スーパーリーグの上位8チームを決める予選リーグの終了時点で、1セットあたりのポイント獲得が1位ティファニー5.40本(308ポイント/57セット※試合出場が12月から)、2位タンダラ・カイシェッタ5.13本(534ポイント/104セット)という数字だ。また、12チーム中8位だったVolei Bauruと無敗で首位だったDentil Praia Clubeとの対戦で、ティファニーは1試合当たり39得点を挙げ、これまでタンダラの持つ37得点という記録を超えてしまった。
この活躍に対し、性転換選手の参加に異議が出始めた。現役選手は言いにくいだろうから私が言うしかないと手をあげたのが、アトランタ五輪銅メダリストのアナ・パウラ・ヘンケルだ。「性転換選手の参加は認めるべきではないと思います。女性選手がドーピングとして禁じられていることを、長年、男性として自然に成長していたからで、今のホルモン数値だけ女性でもとても平等とは思えません。今後、トランスジェンダーを女子リーグに入れるマーケティングも盛んになれば、女子選手の居場所がなくなります」というものだ。
リーグで得点トップをティファニーと争っていたブラジル代表のタンダラ・カイシェッタも「彼女の体は性転換する30歳まで男性として成長したもので、肩幅、肺の大きさ、脚力の基礎となる筋肉どれをとっても、女性がトレーニングで鍛えたものとは違うと思います。ティファニーの女子リーグ参加には同意できません」と言っている。
本人は、「女性に転換してから明らかにパフォーマンスは落ちていると感じています。今は男子のネット243cmではプレーできないでしょう」と言っているが、それが女性転換によるものか33歳という年齢からくる衰えなのか、判断は難しい。
しかし一方で、基準にのっとって参加しているのなら問題はないと擁護する現役選手もたくさんいる。もし、ティファニーがそれほど目立った活躍がなかったり、チームの控え選手だったらこれほど議論は起こらなかっただろう。比較する例がなく、選手の活躍はホルモンの量や体形だけではなく、もともと個人が持つ技量にも左右することなので、1例だけを取り上げて可否を下すのは難しい。今後は血液検査以外の基準、検査の期間の頻度、チーム内の人数制限など新たな基準も必要となるかもしれない。
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