2018-09-01 18:00 追加
ヴォレアス北海道-豊田合成トレフェルサ「VOREAS presents V-THEATER 2018」レポート
SV男子 / V男子
ひとつのイベント、試合とその結果から多くの切り口を考える。考え方はひとつではない。
2シーズン目を迎えたヴォレアスは、設立当初よりホームタウン旭川市および周辺の自治体や企業と積極的に連携し、多くの仕掛けをおこなっている。
このイベントの会場・道北アークス大雪アリーナは、最大9000名ほどを収容可能な旭川市最大の屋内施設。ヴォレアス北海道は2018年4月より同アリーナと連携協定を結び、定期的にこの施設を使用出来るようになった。冬季はスケートリンクとなるため、リーグの試合会場にするのは困難だが、駅からも近く、夏季のイベントにはもってこいの環境であった。
組織として、未熟な部分はまだまだある。数多くの仕掛け、施策についても賛否両論ある。そのこと自体を論じることに意味があるかは微妙だが、ひとつだけは、どうしても書いておかなければならない。
イベントの告知が7月に入ってからというのは、あまりにも遅かった。
全国的に猛暑の中、涼しい北海道でバレーボール観戦というのは、観光を考える向きにも良い選択肢のひとつであったはずである。
会場と対戦相手、大まかな日程だけでも6月頃には発表していたら、そして、その内容を、チーム公式サイトのように、検索すればヒットするような場所に蓄積していたら、もっとイベント自体の認識は拡がり、集客にも繋がったのではないだろうか。
今回のイベントでは約100枚のS席は発売日に即日完売。ヴォレアス北海道は熱狂的なファンを掴んでいる。ただし、熱の高い100名を集めることと、大きなアリーナを埋めるだけの多くの観客にアピールすることとはまた別の方法論があるはずだ。V・チャレンジリーグ2旭川大会あたりからその課題が浮き上がってきているのではないだろうか。細かいことの積み重ねが大きな実りになるはずなのだが。
バレーボールをおおくのひとと共有するために、バレーボールとは別の切り口からのイベントを増やす。ステージを設け、ライブやダンスのパフォーマンスをおこなう。子どもたちの参加するお絵かきイベントを開催し「表現」する場を提供していく。スポーツカーをアリーナ内部に配する。様々な仕掛けから、どう、メインディッシュであるバレーボールの楽しさに繋げていくのか。その、たのしい問題提起を、おおくのひとと共有出来るには大きなチャンスだった。
広いアリーナでは2日間とも空席が目立った。理由はいろいろあるだろうが、それは非常に残念である。
文・写真 出口季里
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