2018-09-04 19:04 追加
「メンタルを強くするには」ブラジル研修で見つけたもの 堺・坂梨朋彦コーチインタビュー
SV男子
■チーム内の意識
――チーム内の競争心は感じましたか。
坂梨 ありますね。でも、俺が、俺がみたいに目立とうとするのではなく、チャンスを与えられたらその時にすべてを出し切る。サーブひとつでも118㎞くらいで打ってくる。たとえミスしたとしてもその1本にすべてをかけるみたいなのを感じましたね。サッカーの試合を見に行ったんですが、小さい子どもが罵言を叫んだり、やっぱり貧富の差みたいなのがあるからハングリー精神や人との競争心が早くから根付いているのかなと思ったりしました。
――以前、日本のスタッフの方に日本はまだレギュラーと控えの意識の差がある、控えの競争心が足りないと伺ったことがありますが。
坂梨 その方の意見もわかります。でも自分も選手の時、2番手のリベロでなかなか出場機会がない。練習してもチャンスがない、気持ちがくさりそうになる。今はスタッフの側にたってよくわかりますが、そういう時にモチベーションを保つように働きかける、サポートするのはスタッフの責任でもあります。すべてが選手だけの問題ではないと思います。
――海外だったら多くの選手が1年契約で更改していくので、そういう時に移籍して他のチームでチャンスをつかむというのもありますね。
坂梨 日本ではまだ移籍が自由に頻繁にという状況ではないですね、新リーグで少し変わってきますが。海外に行くというのもまだメジャーじゃないですから、どうしても28~30歳あたりでバレーを辞めて社業に専念するというのが多いです。ブラジルではあらゆるチャンスを求めて移籍して、セッターのウイリアム(ウイリアム・アルジョーナ、リオ五輪代表)やマーロン(マーロン・ヤレド、2010年世界選手権代表)なんかも40歳前後でもまだやってます。移籍でチャンスが増えるというのが選手寿命が長い要因だと思います。日本の社員契約ではすべて海外と同じにできないというのもわかりますが。
――堺は海外のクラブチームに近い形態ですが、こちらでクラブチームの中で活動して、日本の学校の部活と比べてどうでしょう。
坂梨 日本の部活動じゃなくてクラブチームじゃないとだめだという意見もありますが、18歳くらいまでなら世界の中で日本の方が高いレベルだと思います。一番違うのはフィジカル面。自分の勝手な想像で、外国人はもとから筋肉がついていると思ってたんです。だけど街中で一般のブラジル人と日本人はさほど身長や体格も差がない。でもスポーツ選手となると13、14歳からフィジカルのトレーニングをしっかりやっている。だから日本の技術とうまくミックスしていけば、日本のオリジナルというものが生まれるんじゃないかと思います。
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