2009-04-13 00:00 追加
2008/09 V・チャレンジマッチ(2009/04/04-05)
SV女子 / SV男子 / V女子 / V男子
必死さと、初々しさと
V・チャレンジマッチ開幕を4日後に控えた3月31日、「NECブルーロケッツ、廃部を検討」のニュースが瞬く間に駆け抜けた。この件に関して当のチーム、Vリーグ機構からの見解が聞かれないまま、ファンの有志により存続を要望する活動が起こった。バレーボール関係者の呼びかけもあり、インターネット署名は、大会前日までで3000件近くを集めるまでとなっていた。
この大和での2日間、体育館入口の横でも「署名活動」は続いていた。隣にチーム受付があるという、ある意味複雑な配置ではあったが…
4月4日(土)
「いつも」とは異なる立ち上がりに思えた「入口」の空気。しかし、試合会場で見えたのは「いつも通り」の風景であった。
V・チャレンジリーグでも見られた、スターティングメンバーひとりひとりをほかのメンバーにより「発射」させる富士通の「儀式」も、いつもの通りだった。一方、NECはどこか淡々と気合いをうちに秘めた感であった。
第1セット、NECはセッター菅、ミドルブロッカー日高など若手選手を起用した布陣で臨んだ。そのNECに対し、富士通は互角以上に戦った。金子のノータッチエースでNECが8-7とし、1回目のテクニカルタイムアウトが終了した後、富士通が5連続得点で畳みかける。サウスポーの今、V・チャレンジリーグ敢闘賞の岩井が決めれば、セッター北沢もサービスエース。たちまちリードを奪った富士通が、その後も小刻みに得点を重ね、1セット先取。ある意味波瀾の幕開けとなった。
第2セットのNECはセッターを6高橋慎治に、ミドルブロッカーのひとりを日高から10大角竜敏にスイッチして開始。しばしば息の詰まるラリーも見られたが、NECが大角の連続ブロックなどで抜け出すと、そのまま一方的にNECペースで終了した。
ようやくエンジンがかかってきたと見られるNEC、第3セットは序盤から連続得点でリードを広げた。その後富士通がじわじわ追い上げて1点差まで詰めた部分もあったが、2回目のテクニカルタイムアウト後、NECが序盤同様高橋のサーブ時に連続得点で一気に引き離した。
第4セットは富士通がリードしていたが、20点直前でNECが抜け出し、3セット途中から菊地に代わって出場していた5鈴木健太のブロックでマッチポイントを迎え、最後はデジデリオが決めて緒戦の勝利をものにした。
NECは勝利こそしたものの、初めてチャレンジマッチに出場した富士通の善戦にかなり手を焼いた印象があった。
NECブルーロケッツ 3-1 富士通
スターティングメンバー
NEC:3前田和樹(OP)→23デジデリオ(WS)→19日高裕次郎(MB)→16菅直哉(S)→1金子隆行(WS)→7菊地洋之(MB)(リベロ:2古賀幸一郎)
富士通:14岩井浩二(WS)→9平澤徹(MB)→5今一騎(OP)→1神山哲郎(WS)→2徳武正哉(MB)→15北沢浩(S)(リベロ:17藤森圭)
4月5日(日)
FC東京昇格決定、その余韻の中で迎えた第2戦、NECは前日第2セット以降と同様のスターティングメンバーを組んだ。一方の富士通はここのところ不動のメンバー。
NECはこのメンバー交代が功を奏したのか、安定した試合運びで2セットを連取し、V・プレミアリーグ残留を確定させた。富士通も粘り強く1セットを返したが、結局こちらのカードはNECが連勝で終了となった。
NECはここ数年でメンバーが大幅に入れ替わり、発展途上のチームである。今後のチームとしての成長を見届けていきたい。また、富士通もこのチャレンジマッチ2戦を経て、着実に力をつけてきたチームであることを実証できた。来季V・チャレンジリーグでどのような活躍をするかについても注目したい。
NECブルーロケッツ 3-1 富士通
スターティングメンバー
NEC:3前田和樹(OP)→23デジデリオ(WS)→10大角竜敏(MB)→6高橋慎治(S)→1金子隆行(WS)→7菊地洋之(MB)(リベロ:2古賀幸一郎)
富士通:14岩井浩二(WS)→9平澤徹(MB)→5今一騎(OP)→1神山哲郎(WS)→2徳武正哉(MB)→15北沢浩(S)(リベロ:17藤森圭)
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