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ゲームレポート

2019-03-31 10:27 追加

決勝進出かけた第1戦 ブレイクの鍵握るサーバー F3第1戦はJTがフルセット勝利

V1リーグ男子ファイナル3ゲームレポート

V1リーグ 男子

勝利を決めて吠えるJT深津

バレーボール男子V1リーグのプレーオフラウンド「ファイナル3」、東レアローズとJTサンダーズの第1戦は3月30日、神奈川・川崎とどろきアリーナで行われた。パナソニックパンサーズとの決勝への挑戦権をかけた争いは、JTが3-2(25-21、25-27、28-26、23-25、15-13)とフルセットの末、勝利をもぎ取った。勝利に近づけるためには、相手より少しでも多くブレイク(サーブ権を持つ方が得点すること)を取らなければいけない。そのためによりサーブでの崩しが勝敗に大きく左右する。この試合ではJTの深津旭弘によるサーブが起点のブレイク狙いが興味深かった。

 

レギュラーラウンドでは東レが3戦中2勝、昨年12月の天皇杯決勝ではJTが勝利、3週間前にファイナル6で激突した試合ではフルセットでJTが勝利していた。東レと対戦するチームは基本的にアウン・トゥ(ミャンマー)を狙うことが多い。攻撃力の高いアウン・トゥにプレッシャーをかけることでブレイクを狙う。実際アウン・トゥが耐えきれず、東レが失点を重ねることはこれまでの試合であり、JTも過去の対戦では同様にアウン・トゥを中心に狙っていた。

JT深津のサーブで連続ブレイクポイントを稼いだ

JT深津は敢えて狙いを変更も「怒られました…」

 

JTでブレイクを取ることが多いのが、セッター深津旭弘。深津は巧みなサーブで相手の守備を崩す。深津がどういう意図を持ってサーブを狙うのか注目していた。今回も当然、アウン・トゥを狙うのかと思いきや、深津は第1セット、徹底して東レのリベロ・井手智をジャンプフローターサーブで狙った。井手は深津のサーブをきっちり返し続けてはいたが、前衛で待ち受けるJTのセンターの小野寺太志がブロックを決めるなどの活躍などもあり14-15から5連続得点を奪取。第1セットを取る要因となった。東レのキャプテン、星野秀知は試合後会見で深津に井手が狙われていることを察知していたという。

 

「相手もわざと狙っているのは感じた。セッター(梅野聡)がレフト側から回ってトスを上げにくいのを知っていて、あえてそこを狙ってAパスでこことここ(のアタッカー)に上げてくるというのを分析して、(プレッシャーを)かけてきたのだと思う。アタッカー陣が踏ん張らないといけないとはいけないと思う。(井手の)パス自体は返っていたので。ただ、小野寺選手には(サーブで東レの守備を)崩されましたが」

 

第2セット以降も深津は井手を狙ってはいたが、徐々にアウン・トゥのいる位置へと狙いをシフトはしていた。この狙いの背景を深津はこう明かした。

 

「本当はアウン・トゥ選手と星野選手に打てと言われていたが、あの時はそっちの方が良いのかなと思いまして、自分の判断で打ちました。ただ、途中で怒られまして…変えました(周囲から笑い)。明日も色々と同じことを打っていたら対策されると思っていたので、良い意味で色んなところに打って、相手の嫌がるところに打っていきたい」

 

確かに、どのチームもアウン・トゥを狙ってきたので、東レ側も当然慣れや対策をするのは自明。そこで深津は試合中に自主的な判断で、相手の目先を変えたり、判断にプレッシャーをかけて様子を見たということだった。

ファイナル3第1戦の試合後会見で笑顔を見せる(左から)JTの山本、小野寺、深津

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