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バレーボールマガジン>インタビュー>清水邦広「東京オリンピックを戦って、まだまだバレーボール楽しいな、若い選手には負けてられないなと」

インタビュー

2021-11-25 18:47 追加

清水邦広「東京オリンピックを戦って、まだまだバレーボール楽しいな、若い選手には負けてられないなと」

SV男子 / 全日本代表 男子


――今回の膝の手術はどんな気持ちで?
「東京オリンピックの前から少し膝の状態が悪くなって。大会期間中も痛み止めを2日に1回打ちながらやっていましたので、正直、東京大会終わったら手術だろうなと思っていました。手術するなら、Vリーグがありますので、早くしたいなと思っていました」。

――黒豹フェスで「病院に行くのが気軽になっている」と言われていましたが。

「今回の手術というのも、たぶんきれいに治そうとするとまた1年2年かかってしまうと思うんです。1、2年かけてしっかり治していたら、38歳くらいになってしまう。それよりは、今の痛みと付き合いながら、最小限にメンテナンスして、もう一度優勝を目指したい。痛みがありながらでもやれる膝の状態にしながら、現役が終わるまでは膝と付き合わないといけないと思っています。7回手術してますし、7回復帰してます。そういう現状を受け止める。自分でどうもできないこと…コロナの状況もそうだし、3年前の怪我もそう。自分がどう頑張っても打破できないことは、受け止めるしかない。受け止めた上で前向きに過ごすことが大事だと思います。

最初の頃はネガティブになりましたし、落ち込むこともありました。でも落ち込んでいても現状は変わらない。だったら現状を楽しんでいったほうが人生プラスになるんじゃないかと思いました。」。

――清水さんのこれからの人生設計は? できるだけ現役を続けたいと言われましたが。以前ビーチバレーもしてみたいと言われていましたね。また、柳田将洋さん、福山汰一さん、藤井直伸さんと結婚ラッシュでしたが、清水さんは?

「ビーチバレーというよりは、東京オリンピックをプレーした中で、まだまだバレーボール楽しいな、¬やりたいなという思いが強くなりましたし、若い選手には負けられないなという思いがさらに強く芽生えました。逆にこの気持ちに満足して、若い選手に託して俺は満足したというなら現役にこだわることはないんですけど、さらに火が付きました。

バレーボールはこの年齢になってもさらに楽しいなと今の現状も楽しみながら、常に若い選手に負けないように、常に自分の今のステータスでどこまで技術を伸ばせるのかを考えながら、模索しながらやっていきたい。その中でプレーの幅を広げるという意味でビーチバレーなんです。大会に出るとかじゃない。4年前に怪我をした時に、リハビリでビーチバレーをしたんですけど、そういうのを取り入れることで、プレーの幅が広がるんじゃないかと考えています」。

――結婚は?
「うーん。まだそれはわかんないです(笑)本当にバレー界のおめでたい話がたくさんありますので、羨ましいというか、家庭を持つことで守るものが増えて、さらに力を発揮できると思います。藤井選手、柳田選手、福山選手、今後の活躍が楽しみです」。

――最後に、パナソニックが優勝奪還するのに必要なことを。

「2年連続2位。『決勝で勝つ難しさ』は僕たちも重々わかっています。何か一つが足りないから優勝から遠ざかっている。その何か一つを埋めるために、今年1年リーグを通して、優勝を目指して頑張りたい。ただ、優勝だけを見ていたら目先の試合を落としてしまうと思います。今回のVリーグ¬は監督が変わったり若い選手が入ったり、去年とは違うものになっている。チームとチームの相性もある。去年まではパナソニックのバレーができていましたが、今年は今年でパナソニックのバレーができなくなる可能性もあります。常に成長するチームが優勝に近づく。現状維持ではなく、成長する、対戦相手によって変えていくことが必要だと思います。まだまだ、僕もチームも成長していきますよ!」

東京オリンピックを経て、積年の借りをやっと返すことができたと語る清水。代表からは自ら退いたが、まだまだ「バレーボールは楽しい」という気持ちを新たにした。リーグ開幕からしばらくは大竹の好調もあり、なかなか出場機会がなく、調子を上げることができなかったが、堺との対戦では長くコートに立つことで本来の力を徐々に発揮し始める姿を見ることができた。リーグは長く、今後も清水の力が必要になる場面はきっとある。そのときに、「若手には負けていられない」という修羅場をくぐったベテランがチームを救うだろう。

聞き手:中西美雁
写真:火野千鶴、FIVB

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