2021-11-26 20:02 追加
カーテンコール 星城高校監督・中根聡太さん「長期的な目標は、Vリーガー、代表に入るような選手を育てたい。直近はまず愛知県予選を抜けること!」
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――母校に戻ることはいつ頃に決めたんですか?
中根:それも1年目のシーズンのときですね。試合に出られなくて、自分にとって悪いシーズンだった。その話をいただいたから、もうやめようとなったんです。
――着任されては?
中根:これがもう全くうまくいかなくてですね。もーーーーう、難しいの一言に付きます。
わかってたことなんですけど、全く違う仕事で、全く違う難しさがあって。わかってたんだけど、うまくいかないなーというイメージかな。難しいですね。
――やはり教えるということの難しさ?
中根:伝えるということがまず難しい。
――今は体育の先生なんですか?
中根:そうです。自分が選手のうちは、自分が頑張れば自分の成果が出るじゃないですか。指導者は違う。自分が頑張っても、直ぐに結果になるわけではなくて、選手を頑張らせるための僕が頑張りをしないといけない。それはかなり難しい。人を理解し、理解させる。自分は出来てる方だと思っていたけど、全然できてないですね。
――竹内先生とか秋山先生に相談されたりは?
中根:竹内先生は身近にいるから、もちろん「こうなんですよね」と相談するし、竹内先生が見本を見せてくれるから、なお感じますね、自分の力のなさを。
答え合わせができない。指導者は。なぜならば、答えがわかんない。教えてくれる人がいるわけじゃない。常に自分が発してた言葉が間違ってるのか合ってるのか、選手たちを見て判断するんだけど、模範解答はない。「この言葉が間違ってたんだ」って気づくのが、1日後のときもあれば、1週間後のときもあれば、1ヶ月後のときもあるなって。それをすごく感じてる。一人前になるのに20年はかかりますね。学校の業務も含めて。
――初めて指導者として迎えた春高はいかがでした?
中根:なんもできなかったです。僕がなんかやってるわけでもなくただ立ってるだけで、伝えられたことがあったのかなと。
高校のバレーの感覚に戻すにまず時間がかかった。企業のバレーとは違う。企業大学のバレーは6年やりました。6年違うバレーを見たせいで、高校のバレーに戻すのにかなり時間がかかった。今でも戻ってるのかわかんない。カテゴリに合った目が必要。高校生の面白いところですし、日本中の指導者がいろんな事を考えて、1点をもぎ取るためにいろんな戦術や技術を教えて、オーソドックスじゃないじゃないですか、高校のバレーって。
――まだまだやりがいがありすぎる?
中根:はい、面白いです。
――原状の個人的な目標は?
中根:愛知県を勝ち切るのが難しくて。それがすべての始まりで、常にそこが始まりでそこがゴールと思っちゃいけないけど、まずは愛知県を勝ち抜くこと。愛知県予選で勝ち切ることにフォーカスしてます。なかなか難しいです。
――長期的な目標は?
中根:長期的な目標は、Vリーガーになるような選手を育てられたら、代表に入るような選手を育てられたらいいなとか。竹内先生見てて、いろんな選手を育てて、その選手が活躍してる記事を読んだり見たり、調べたりしてる楽しそうな姿を見ると、ああいいなと思います。まあそれは、なかなか簡単なことじゃないですね。まずは指導者として力をつけないと。それが目標です。
中根聡太の指揮する星城高校は、フルセットの激戦を制して春高の愛知県予選を勝ち抜いた。中根の言う「まずは愛知県を勝ち抜くこと」は無事に達成された。指導者になって初めての春高は「何もできなかった」という中根。今度の春高では、どこまで高みに向かって駆け出せるか。「選手のときよりも難しいです」と苦笑した中根。恩師の竹内を継ぐ名指導者として第2のバレー人生を歩んでほしい。
聞き手:中西美雁
写真:火野千鶴
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