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インタビュー

2020-12-31 12:59 追加

カーテンコール 川村慎二さん(前パナソニック監督)「選手と仲間に恵まれた監督生活で、本当に感謝しています」前編

SV男子

ようやく初タイトルに手が届いた2017年天皇杯

――強いチームを引き継ぐにあたってプレッシャーはありましたか?
「もちろんプレッシャーはありましたけど、少し安易に考えていて、これだけ選手が揃っていれば勝てるだろうという考えは一年目にはありましたね」。

――そこから4年目までタイトルがとれなかったわけですが、その間苦しんだ思いは。
「いっぱいあります(苦笑)ありすぎますね」

――前には越川選手がビーチ転向する直前の黒鷲が、一番タイトルに手が届きそうで悔しかったと言われていましたが。タイトルには何が足りないと思われたか。

「何が足りないという具体的なことはあまりない。みんな能力高いんで。そこで勝たせてあげられなかった準備不足ですね。僕を含めベンチ陣の。そして黒鷲は連戦ですので、主力以外の体力を、維持できるかというところですかね。一番タイトルに手が届きそうで悔しかったというのも、黒鷲が終わってシーズンを振り返りますよね。直近なので黒鷲に思い入れが多い。そのあとは冷静に考えたときに、なぜ天皇杯とれなかったのか、リーグとれなかったのか、黒鷲とれなかったのか、それを考えていきます。

シーズンは6月からスタートしてるんですけど、そのときは体力的なことは必要、古田さんも必要といっていた。マウリシオが来たときにはトータル的な練習を組んでくる、しかもしんどい練習を組んでくるので、それに耐えられるようにしないといけない。彼が来たときに『なんだこれは』ということにはしてはならない。そういう連携ができていったのが就任4年目ですかね」。

――3年目はマウリシオコーチとクビアクが来た年ですが、そのシーズンは。
「クビアクが来ていい状態で臨めましたが、最終的にはあれだけけが人が出て、それを踏まえた四年目ですね。

3年目に割と、心機一転じゃないですけど、クビアクを連れてきてマウリシオ連れてきて、出だし非常にいいスタートを切れたのですが、シーズン最後の方はけが人が続出してボロボロでした。この年の最後の方は、思い出したくないです。怪我はつきものなので仕方ないんです。突発的な怪我だったので。仕方ないんですけど、そこでやはり違うメンバーが出ても勝てるように。そこからずっと『誰が出ても勝てるチーム』と言い続けてきた」。

――初めてタイトルを手にしたときのコメントが「やっととれた」だけで。それだけを繰り返されていて。

「正直な気持ちですね。長かったな。やっととれたな。それが正直なところでした。もちろんすごく嬉しかったですよ。でも、とれてもそこからリーグすぐ始まるので。

天皇杯に向けてではなく、やっぱりリーグに向けてと準備してきてたので、天皇杯の時は選手はみんな結構体がぼろぼろだったんです。なぜかと言うと、かなり練習で追い込んでいたので。『これで天皇杯は結構きついやろ』というくらい追い込んでいたなかで(優勝が)とれたので、まあこのままいけばというのはありました。その前のシーズンの怪我もあったので、気を引き締めて、という話をしましたし、選手も引き締めてくれた」。

後編に続く

文責:中西美雁
写真:火野千鶴、黒羽白

川村慎二(かわむらしんじ)
1978年5月2日生まれ 滋賀県近江八幡市出身
両親のすすめで武佐小学2年(武佐ガッツ)よりバレーボールを始める。
奈良県の菟田野中学に進学し、全国中学生大会、 JOC(さわやか杯)で優勝。大阪商業大学高校で春高2度の準優勝。
全日本ユース代表としてアジアユース準優勝などを経験、大阪商業大学を経て、2001年に松下電器(現パナソニックパンサーズ)に入団した。

2007-2008年Vプレミアリーグ、2008年黒鷲旗大会の優勝に貢献し、最高殊勲選手賞(黒鷲賞)とベスト6に選出。2012年の同大会でも、黒鷲賞とベスト6に輝いた。
2013年にはVプレミアリーグで敢闘賞を受賞。

2014年5月の黒鷲旗大会まで13年間パナソニックでプレーし、直後に同チームの新監督に就任した。6シーズン監督を務め、V・プレミアリーグ(現V.LEAGUE DIVISION1)で優勝2回、準優勝2回の成績を残し、2019-20シーズン終了をもって勇退。Vリーグ連覇は、サントリーサンバーズが5連覇して以来15年ぶり。また、天皇杯・リーグ・黒鷲旗の3冠も果たしている。

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