2021-04-26 06:05 追加
NECレッドロケッツで古賀幸一郎さん(元WD名古屋)が指導。「選手としてのキャパシティを広げてほしい」
NECレッドロケッツ、古賀幸一郎さんから学ぶ
SV女子
4月8日から10日にかけて、今シーズンで現役を引退したばかりの古賀幸一郎さん(元ウルフドッグス名古屋)がNECレッドロケッツを訪問。選手たちに自ら考案したメニューによる指導を行った。
古賀さんは36歳まで現役を続け、リベロとしてVリーグで数々の功績を残した、いわゆるレジェンド的存在。そんな古賀さんが女子チームにどんな影響をもたらしたのか? 3日間の最終日に取材に伺った。
金子隆行監督とはNECブルーロケッツの同期
実は今回の企画は、NECの金子隆行監督が古賀さんに送った1通のメールがきっかけとなり、実現した。引退に際し、「お疲れ様」という内容のもので、久々の連絡だったという。この時のメールのやりとりで古賀さんのバレーに対する考え方などを改めて聞いた金子監督は「ぜひうちのチームに来て、その考え方を伝えてほしい」と話し、実現に至った。
金子監督と古賀さんはNECブルーロケッツの同期(2007年入社)だった。日本電気の男子チームは戦前から存在し、1945年に実業団チームとして協会に登録されたという長い歴史があった。しかし、残念ながら不況のあおりを受け、2009年に休部となってしまう。2人が入団3年目のことだった。その年、筆者も弊誌の前身の「バレーボールワールド」誌で府中市にあった当時の男子チームの体育館を訪問し、取材させていただいたばかりだったので、とても驚いたことを憶えている。
休部後、古賀さんは豊田合成(現・ウルフドッグス名古屋)、金子監督はサントリーに移籍し、チームメイトから対戦相手へと立場が変わった。頻繁に連絡を取り合う仲というわけではなかったが、同期のチームメイトとして2年半を過ごした仲間であり、互いにリスペクトする存在であったようだ。「彼もいろいろな経験を積み重ね、チームメイトだった時代よりもはるかにレベルアップしたなと感じていました。同じチームで戦った時よりも敵同士で試合した時代の方がずっと長く、思い出も多いですね」と金子監督は言う。
この3日間は金子監督が日頃からチームに伝えたいと思い、発信していることを、古賀さんが監督という立場とは違うアプローチで、つい最近まで現役選手だったプレーヤーの立場から伝えてくれたという。「選手たちのマインドを変えていく。たくさんのアンテナを張れるような選手を増やしていきたい」というのが今回の狙いであり、金子監督にとって、期待通りの3日間だったようだ。
「ディグ1本、サーブレシーブ1本にしてもいろいろな考え方があって、正解はひとつではない。たくさんの考えを吸収して、そこから削ぎ落として、自分のスタイルを作っていく。そのためのヒントになればと。そういう意味で彼は選手たちとコミュニケーションをうまくとってくれたと思います。選手たちはこの経験をただの経験値に終わらせず、成長の糧にして、一人ひとりが次のステージにステップアップしてほしいですね」
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