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コラム

2021-04-26 06:05 追加

NECレッドロケッツで古賀幸一郎さん(元WD名古屋)が指導。「選手としてのキャパシティを広げてほしい」

SV女子

Aパスだからいいパスとは限らない

 古賀さんが選手たちを集めて語ったことの中に「Aパスだからいいパスとは限らない」というものがあった。「いいパスというのは攻撃のために有利な状況を作るものであって、パサーの自己満足で上げるものではない。セッターやスパイカーのことを考えて返すことが大事ですね」と話す。また、「本をたくさん読んだりして、バレーに限らず、人としての視野を広げてほしい」と話していたのも印象的だった。「プレーの幅はアンテナの本数だと僕は思っています。自らシャットダウンしてしまうと、情報は入ってこない。サーブレシーブをする時も相手コートに情報がいっぱい落ちています。この選手は今、こういう状態だな、とか。それを意識して見ようとしないと絶対に見えないと思うんです」

 ただ、古賀さんは自分の考えややり方がすべてではないと話す。「こういう考え方もあるという引き出しのひとつにしてくれたらと思っています。これまで非常識だったことが常識になることもある。男子の場合、遊びの中から生まれたものがトレンドになることもあります。例えば、バックアタックを2本目で打ったりとか。それまでなかったものが当たり前になることも十二分に考えられるわけです。どの選手もいいものを持っていて、一生懸命なので、きっと発想の転換で伸びるきっかけになることもあると思います」

 古賀さんの今後は、6月から金融コンサルタントの道に進む。昨年、アキレス腱を切る大怪我を負ったが、リハビリをしている間に並行してファイナンシャル・プランニング技能士の国家資格などを取得した。もともと金融業界には関心があったそうで、「例えば給与明細を見て、この数字にはどんな意味があるんだろうとか。そういう意味では社会人になった頃から興味があったのかもしれません。ライフプランニング、将来設計などの面から人をサポートする仕事に惹かれました。現役引退後の第二の人生の方が長いですから、バレーボール選手が社会性を身につけ、引退後も輝けるようなプラットホーム作りも考えていきたいですね」と話す。もちろん、今後も今回のようなチームへの指導や、バレー教室で指導したり、試合解説などの機会があればバレー界にも積極的に関わっていきたいという。「いつかは指導者としてバレー界に戻ることもあるかもしれないし、通訳ができるコーチとして戻ってくるかもしれない。いろんな可能性がありますね」と笑う。所属チームの監督が外国人だったため、積極的に英語を学んだ経験も糧となっている。幅広い視野を持って競技に取り組んだ経験が引退後の人生を豊かにする。古賀さんは早速それを体現しているようだ。

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