2021-06-21 18:49 追加
男子五輪代表12人決定。中垣内祐一監督コメント「昨年なら柳田選手も福澤選手も出られただろう。選べなかった全ての選手の思いを背負い、しっかり戦いたい」(全文)
男子代表 中垣内祐一監督 五輪12名選考に関するコメント
全日本代表 男子
6月21日に発表となった男子日本代表、東京オリンピック内定選手12人の選考に関する中垣内祐一監督のコメントをお届けする。
現在、我々はイタリアに滞在しております。VNLも残すところ3試合となり、佳境に入ってきております。選手たちも厳しいコンディションの中ですが、何とか東京(五輪)につなげたいという一心で頑張っているところです。
どうしてこの時期に東京オリンピックに向けた12人を発表したかということですが、当初は帰国後に一定期間のタイミングを経て公表させていただく計画をしていたわけです。そんななかで、先日、アルゼンチンやカナダに対して、当然勝たないといけない試合に星を落とした。どうも選手のパフォーマンスが上がっていかない。むしろ落ちている。その理由として、バブルシステムでこの大会は運営されていますけど、行動制限も多くかかっています。加えて4週間、1か月という長い期間にわたって、同じホテル、同じ部屋で、練習会場とホテルのみの往復で非常にストレスがかかった状態になってきています。
加えて、1試合1試合、あるいは1球1球が東京オリンピックへの選考の場だと言っていた手前、二重に緊張感、ストレスを与えていると判断いたしました。特に新戦力、若い選手にとっては極めて大きいストレスになっていたんじゃないかと思います。よって、この時期にしたわけです。今回、それを大会中に発表することによってモチベーションを下げる選手も出てくると思いますが、それよりも東京オリンピックに向けたチーム作りを優先いたしましたし、選に漏れる選手については帰国するまでの間、気持ちの整理をする時間が取れるのではないかとも考えました。よって大会途中ではありますが、このタイミングで発表しました。
これまで4週終えてですが、前半、イラン、オランダ、ロシアと3連勝でスタートすることができて上出来でした。大会までに練習してきたスパイクやブレイク率向上といったことが非常によく出ていたのではないかと。特にトランジションスパイクは5割近い数字を1週目は残してくれていましたし、練習の成果が出ていたのではないかと思います。加えてディフェンスも非常に機能して、選手がそれぞれ足を動かしながら、しつこいバレーボールが展開できていたのではないかと評価ができていました。しかし、それ以降、自分たちのペースで試合ができるもののそれが続けられない試合が続きました。先ほども申し上げたように過度なストレスによるコンディション低下があったと考えています。
西田(有志)のコンディションですが、5月8日に負傷して以来、もう6週間経過しています。受傷箇所についてはもう問題ないレベルまで回復していますが、あとはいかにゲームに慣れていくか。ゲームの中で細かい動きだとか、パフォーマンスを上げていけるか。ここにきてそういった練習も続けておりますので、最後の3連戦ではスタメンで出場できるのではないかと考えています。
新戦力の3人、高梨(健太)、大塚(達宣)、髙橋藍ですが、こういった長期間の海外遠征は初めてですし、そういった中で非常によくやれているのではないか。当然ながらいろんな選手、スタッフのケアがあってのことだと思いますが、心配されるようなコンディションの悪化もなく、厳しい状態の中、何とかやっております。今後さらに上がってくれることを期待しているところです。
セッターですが、従前より申し上げている通り、我々の攻撃の基本はクイック、それに絡めたパイプ、そして、それにつられたブロッカーに対する両サイドの速い攻撃が基本になっていますので、しっかりとクイックに積極的に上げられるセッターというのが大きなポイントになってきます。
アウトサイドヒッターの選手については、まずしっかりとサーブレシーブができる、スパイクの得点能力がある選手、加えるならサーブやブロックも重要になりますが、まずはその2つが大きいポイントになるでしょうか。
そして、オポジットは当然ながら、いかにポイントを取っていけるか。選手たちのディフェンスから、トスからの思いを汲んで、ポイントにつなげていけるかというポジションでもありますので、得点能力の高い選手、それからサーブ能力の高い選手といったことがポイントになるかと思います。
ミドルブロッカーですが、当然のことながらクイックを打つ能力、ブロックの中心となるのでブロック能力。さらに加えることがあるとするならば、ミドルの選手はサーブを戦略的に打っていくことが多いので、サーブをしっかりと着実に実行していける選手かどうか。こういったこともポイントになります。
最後にリベロ。リベロは当然ながら、スパイクレシーブ、サーブレシーブの2つは評価の基本になります。加えてコート内での的確な指示とコミュニケーションも重要なポイントになるかと思います。
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