2021-07-27 12:49 追加
河野裕輔のエール! 第2回 ベネズエラ戦分析 日本男子バレーの新しい冒険が始まった
河野裕輔のエール!第2回
全日本代表 男子
元日本代表、元JTサンダーズの河野裕輔さんにコラムを執筆いただいています。第2回は、東京オリンピック初戦のベネズエラ戦についてレポート! どこが直前のVNL(ネーションズリーグ)から進化したのか。詳細にお伝えいたします。
◆ついに開いたオリンピックの扉
2021年7月24日。日本男子バレーのオリンピックが開幕した。前回の勝利はバルセロナオリンピック。中垣内祐一監督の現役時代の話である。その中垣内監督が率いる日本男子チームの冒険が始まった。結果は3-0のストレート勝ち。29年ぶりの勝利を掴みオリンピックの扉を大きく開いた。そしてそこには中垣内監督就任からの集大成があった。
◆VNLを踏まえたディフェンスシステムの徹底
VNLの時もそうでしたが、しっかりと「サーブで殴って」リードブロックとディグによるトータルディフェンスを機能させること。これが現代バレーの生命線であるが、VNLの時よりもはるかにブラッシュアップされたトータルディフェンスが展開されていた。
一番のポイントは「ブロックがスプレッドしていない」ことである。VNLでは展開が悪くなるとサイドブロックが開きすぎてしまいMB(ミドルブロッカー)の移動距離が延びる=ブロックの間が開きやすくなりそこに打たれて失点するというパターンが見られたがしっかりと修正。サイドとMBの距離が短い状態でのブロックができていた。
結果ブロックのライン側を抜かせる意図を持ったディグシフトを展開。
ベネズエラはMBの打数が多かったが、焦ることなくやるべきディフェンスシステムを機能させるという意思統一がなされていたように思う。
そして素晴らしいのは、サイドのブロックのワンタッチが効果的に取れていた事。そうするとワンタッチを嫌がったベネズエラのサイドスパイカーがクロスに打ってくるスパイクに対してブロックが決まるという理想的なディフェンスが構築できていた。
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