全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>ゲームレポート>チャレンジマッチ パイオニアvsデンソー JTvs上尾 二日目

ゲームレポート

2014-04-16 15:04 追加

チャレンジマッチ パイオニアvsデンソー JTvs上尾 二日目

チャレンジマッチゲームレポート

V1リーグ 女子 / V2/V3 女子

10177324_1491827927712157_3384427436637599538_n1日目の結果
パイオニア 0(23-25 23-25 20-25)3 デンソー
JT 2(25-13 19-25 25-17 24-26 10-15)3 上尾

2日目の結果
パイオニア-デンソー
0(18-25 13-25 17-25)3

一 番最初に感じたこととして、パイオニアのサーブの狙いがおかしいのでは?ということ。意図的なのか否かはわかりませんが、佐野選手にサーブを打つケースが 多かったように感じました。デンソーのレセプション総数46のうち、佐野選手と鍋谷選手が15本ずつ受け、それぞれ成功は13本と12本。厳しい言い方を すると、これではパイオニアは勝てない。鍋谷選手のレセプションがほとんど崩れていないのも立派ですが、佐野選手にサーブを打つのはあまりにリスキー。そ のあたりの指示はなかったのかと疑いたくなってしまいます。デンソーのレセプション成功率は76.1%でした。

逆にパイオニアも、レセプションはそれほど崩れていたわけではありません。三橋選手やアレクサンドラもレセプションではなんとか踏ん張っていました。ただ、冨永選手のトスが低いことが多く、アタッカーが打ち切れていないのが気になりました。

また、デンソーはブロックとレシーブが上手く連携できているように思いました。デンソーのゾーン4(フロントレフト)からの攻撃に対し、ブロックはライン側(ストレート)を締め、佐野選手がゾーン5~6(バッ クレフト~バックセンター)の非常に広い範囲をほぼ一人で守っている。パイオニアのトスが伸びすぎる傾向にあったので、打つ場所がなくストレートに打って もブロッカーが待っているのです。クロスに打てたとしてもそこには佐野選手がいる…という、佐野選手のディグの良さを十分に活かした配置がなされてい ました。

こ れによって、スパイク決定率はデンソーの45%に対し、パイオニアのそれは半分以下の22%と伸びず。苦し紛れのスパイクはデンソーのブロッカーにワン タッチを取られ、次々とトランジションアタックを決められる悪循環。さらにデンソーの気迫も乗って、パイオニアは完全に飲み込まれていました。

終 わってみれば2試合ともデンソーのストレート勝ちでプレミア復帰が決定。デンソーが1年間、ここまでモチベーションを保ってやってきたことは本当に素晴ら しいと思いました。また、佐野選手のディグの良さ、ポジショニングの的確さなどを再認識できた試合でもありました。国内で佐野選手のプレーを見ることがで きたのも本当に嬉しかったです。デンソー、昇格おめでとう!

逆にパイオニアは、 全てがちぐはぐで、歯車が噛み合っていません。プレーも雑なところが多く、なくせるミスも最後まで減らないままでした。まずはそういったところから丁寧にやっていく必要があると思います。来年は絶対にプレミアに戻ってきてほしい。頑張れパイオニア!

第2戦JTvs上尾

1日目の結果
JT 2(25-13 19-25 25-17 24-26 10-15)3 上尾
2日目の結果
JT 1(22-25 25-27 25-15 17-25)3 上尾

ま ずはレセプションについて、大差が付いているスコアだけを見ると、上尾のほうが成功率が高いのでは?と想像してしまいますが、意外にもJTのほうが上でし た。上尾は、誰をどのように狙うのかがしっかり考えられており、普段は70%ほどある石井美樹選手のレセプション成功率も50%台まで下がりました。石井 美樹選手は、レセプションでリズムを乱されたのか、スパイク決定率も18%まで落ち込みます。

そして、ここで大きく差が出てしまったと感 じたのが、アタッカーが打ち切れているかどうか、ということ。アタッカーが自らの最高打点でボールをヒットすることができていたのが上尾です。アタッカー はしっかりと助走をとり、セッターはファーストテンポのセットを供給。メトカフにトスが集まることはわかっていても、高さを存分に活かしたスパイクを、 JTは止めることができません。また、強打できるトスだからこそフェイントも効果的に決まります。
サイドだけでなく、上尾はミドルもしっかりと打点を活かしてスパイクを打っていました。高めのトスを上げるので、一見オープン攻撃にも見えますが、これは立派なファーストテンポのクイック(11と呼ぶこともあります)。

対照的に、JTは総じてトスが低く(橋本選手)、アタッカーが打ち切れない。かろうじて強打できたボールもワンタッチを取られ、打ち切れずフェイントで入れたボールも上げられるという展開に。JTは第2セット終盤から山口かなめ選手を入れたことで幾分トスが安定し、第3セットは取り返しました。山口選手のセットのほうが、アタッカーが気持ちよく打っているような印象がありました。

上尾のホームのような雰囲気に、コートも盛り上がります。フロアディフェンスが神がかっていた上尾。絶対に落とさないという執念を感じました。そして終わってみれば、想定外の大差で上尾が2勝。あまりの驚きとショックで、しばらく言葉を失いました。

こ の試合で、速さだけを求めることより、アタッカーが最高打点で打つことがいかに大切かわかりました。その点で、JTはセッターを橋本選手にこだわり続ける 理由でもあったのでしょうか。トスの質を見ても、明らかに山口選手のほうが安定していますし、もっとリーグの早い段階で山口選手に代えることができていれ ば、JTの結果も違ったのではないかと思ってしまいます。

さらに、高卒ルーキーの田中選手に最後まで負担をかけ続け、結果的にあのような経験をさせてしまうのも酷だと思いました。JTは監督、コーチの指導方法、起用方法など、もう一度見返してみる必要があるでしょう。

すぐにプレミアに戻ってきてほしい。頑張れJT!

上尾はようやくプレミア昇格。本当におめでとう!来年はさらにレベルの高いところで試合をすることになるので、さらなる戦力アップが必要かと思います。サイドに偏ったバレーであることは否めないので、もう少しミドルが攻撃参加をすることで、より強いチームになるでしょう。

文責:Sho Takazumi
写真:黒羽白

>> ゲームレポートのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック