2021-10-20 05:37 追加
フィリップ・ブラン新監督就任内定記者会見「日本チームの長所である速さと柔軟性を伸ばせば、よりパフォーマンスも向上するはず」(全文)
全日本代表 男子
――ブラン監督に。先程メンタル面の強化が必要とおっしゃいました。それは結局メンタル面で、これまでやってきた中で日本チームに弱いところがあるのだと思いますが、どういうところを変えていきたいか。逆に身体的に外国チームに劣るところが多い日本ですが、5年間やってきて、日本人はこういうところが優れている、更に伸ばしていきたいと思うところを教えてください。それから、すでにコーチとしてこの人をピックアップしているという人がいれば教えてください。
ブラン:まず1つ目。メンタル面の強化というのは非常に幅広いもの。メンタル面と言ってもいろいろな側面がある。挙げられるのは個人のもの。抱えるストレス、パフォーマンスを伸ばしていく際に必要なことというのがメンタル面だと思っています。
次に挙げられるものとしましては、リーダーシップも非常に重要。団体競技ですので、パフォーマンスを伸ばしていくためにはリーダーシップが重要だと考えているので、そこを伸ばしていきたいと考えています。昨シーズンに関しましてはキャプテンの石川(祐希)選手とリーダーシップについて話し合い、その面を伸ばしてきたという自負があります。
先程質問のありましたフィジカル面に関しましては、体の大きさは変えることができない。ブラジルやロシアの選手みたいに身体面で大きさとして日本選手が勝っていくのは難しい。ただ試合においてはそれだけが重要なわけではないので、できるだけコントロールして大きな選手に対抗していくことが長期スパンでは重要です。私達が今しているのは現代バレーなので、現代バレーにおいてはもっと伸ばしていける面があると考えています。
日本チームの長所はまず速さ、それに加えて柔軟性があります。それらはアタックをする際にも生きている。それらを伸ばすことでさらにパフォーマンスを向上させていけると考えています。
監督として重要なことは、長いシーズンを乗り切るためにもまず選手の怪我を減らしていくこと。練習の質と同様に、休息の質も重要と考えています。それらの練習の質、休息の質といった面も重要な要素です。選手のコンディションを良くしていくためにも監督としてできることをしたいと思っています。
コーチなどのスタッフに関しては、先ほど南部さんからもお話があったように、私達にはあまり時間がありません。もちろんコーチのプロフィールも大事で、求めることもありますが、スカウトに時間を使うよりは、東京五輪を経験したスタッフとのこれまでに築いてきた関係性も大事に考えていきたいと思っています。
――ブラン監督に。5年間コーチをされてきましたが、試合中、戦術戦略面ではブランさんがほぼ指示を出していたと思います。中垣内(祐一)前監督とはどのように役割分担をされていましたか?
また、2021年シーズンに柳田(将洋)選手から石川選手に主将が変更されました。その後、柳田選手は代表を外れました。チームとしては最良の選択をされたと思いますが、その時、コーチとしての立場で柳田選手を外すことについてどう考えましたか? そして、これからどのような基準をベースに選手選考をしていく考えですか?
ブラン:最初のご質問について。中垣内監督については、最初から私の経験をうまく利用していきたいと考えていたのではないか。私自身、選手として、監督として5回のオリンピック出場経験があり、そこからの知見もあります。そういったものを選手に伝えていく役目もありました。練習メニューを考えていったり、シーズンを通して、一番選手の近くにいたのは私だと思います。
2つ目の質問について。最終的に誰が決定を下したかはそれほど重要ではないと考えます。おっしゃるとおり柳田選手はキャプテンから外れることになりましたが、サントリーでプレーしていて負傷したということで、柳田選手が外されたということではないと思っております。石川選手は当時リーダーシップもありましたし、選手としてのプレーが評価されたということもありますが、リーダーシップも優れていた。選択をした時点で一番チームが必要としていたものを持っていたのが石川選手であったということであって、私達は柳田選手を外したのではなく、その時に一番適任であった石川選手を起用したと考えています。
石川選手と交代する前の柳田選手は良いキャプテンだったと思います。ただ、オリンピックというのはさまざま状況を変えて臨む必要があります。福澤(達哉)選手もオリンピックで活躍してもらうことができませんでしたが、そういったことも含め、多くの変化がオリンピック前には必要でした。そのため、その時に下せる最善の決定をもってオリンピックを迎えました。
――最初の確認ですが、ゲーム中の戦術戦略はほぼブランさんに託されていたということでよいのでしょうか?
ブラン:確かに試合中選手に一番近いところにいたのは私ですので、戦術戦略に関して指示をしたということももちろんあるのですが、ただ、中垣内監督が指示をしなかったわけではありません。中垣内監督が指示を出したこともありますし、試合前に私達が会話したこともあります。誰が指示を下したのかが大事なのではなく、出した指示の内容がどのように選手に伝わるのか、選手達がいかに受け止めるかが大事だと考えています。
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