2021-12-24 07:00 追加
久光・井上愛里沙「みんながつないでくれたボールを1本でも多く決めようと思った」、東レ・石川真佑「悔しいというより情けない。何が足りないのか年明けまでに追求したい」 皇后杯決勝会見コメント
SV女子
■久光スプリングス
●酒井新悟監督
東レさんはヤナ選手、石川選手はじめ攻撃力のあるチームなので、そのチームに対して私たちはどのくらいブロック&ディグで仕留めていけるか。そこからの展開の中で点数をとっていけるかというところが今日のキーポイントでしたが、リーグ戦でも完璧にやられていまして、1セット目はそれと同じようなパターンでセットをとられることになりました。
ただ、サーブミスが前半出てしまいましたが、もう今日は前回の戦い以上にミスを恐れずにしっかりやっていこうということと、ヤナ選手に対するブロックの位置取りをセットを追うごとに少しずつ微調整しながら、ディフェンスがうまく機能していったというところが第2・第3セットをしっかりとれた要因だったかなと思います。第4セットもとり切りたかったですが、やはり相手は力のあるチームですし、粘り強さもあるので…。
その後、第5セットに入って、JT戦で戦った5セットの経験が生きたセットになったと思います。第4セットをデュースでとられてしまいましたが、選手たちが心折れることなく、しっかりと前を向いて、お互いに励ましあって、5セット目を全員で戦ってくれた結果が今日の勝ちにつながったのではないかと思います。本当に選手たちはよく頑張ってくれました。
――ここ2、3年、若手選手を起用するようになりましたが、結果が出ずに監督自身も心が折れそうになったこと、それでもブレずに貫いてきたこと、また今季新しいチャレンジや取り組み、意識の変化などがあったのかどうかなども含め、総括的にお願いします。
酒井:正直、東京五輪が終わるまでは、チームに選手がたくさんいて、それを支えながら、自分たちのチームもそうですし、日本代表のことも考えながらやっていく中で若手をしっかり育てていくという状態でした。それがコロナの影響もありますし、東京五輪が終わったということで、ひとつ腰を据えて、次の世代へ移すという形でチームもスタートしました。もちろん、そこには今回の五輪を経験している石井であったり、長岡(望悠)、野本(梨佳)、栄(絵里香)というベテランが残ってくれているのですが、そこに引っ張られるのではなく、ちゃんと若い選手がしっかりいろいろなことをチームに共有できて、主体性を持ってやるというチームの方向性が今年のチームなので、今日もそういったところが機能したかなと。どこかはっちゃけているというか、明るいチームだと思うのですが、そういうところを持ち味としながら戦っていくという形にしたのがよかったのかなと思っています。
この2年間で私自身にも考え方の変化があり、今までは久光のメンバーで戦う時には、勝たないといけない、結果を出さなければいけないという中でやっていました。もちろん今も勝ちにこだわってはいますが、それにプラスして、どうやってチームを成長させるのかということも考えています。勝つだけがすべてじゃないと言えば語弊がありますが、チームの成長、選手の成長というところに目を向けたり、選手自身にも負けを受け入れて、それを糧に次につなげること。相手をリスペクトすることであったり、やってきたことを勝ち負けよりも発揮することであったりということをやってきました。そういったところで私自身もチームに携わって、成長させてもらっているのかなと思っています。
――石井選手は今シーズン途中出場で活躍するという形が多かったと思いますが、今日の決勝はスタートから起用されていました。それにあたり、監督の中で葛藤のようなものがあったのでしょうか?
酒井:そうですね。おっしゃる通り、今日は石井をスタートから起用するにあたり悩みました。やはり、勝っても負けてもここ数週間は今村(優香)が井上(愛里沙)の対角で出ていましたので、それも考えました。しかし、マッチアップといいますか、前回の対東レ戦の結果も踏まえ、サーブレシーブを返して、攻撃力もというところがテーマとしてあったので、今日敢えて石井を先発に起用しました。
彼女は会場インタビューでも言っていた通り、これまでは自身が先発で出てチームを引っ張っていこうというスタイルでしたが、五輪から戻ってからは本当にチームを支えてくれて、いつでも出る準備をしてくれています。そういった中で今季のリーグを迎えて、実際、1戦目は外しましたけど、2戦目からメンバーに入って、しっかりチームが苦しい状況の時に流れを変える役割を担ってくれています。本当に頼もしい選手です。
――若い選手が多い中でタイトルがとれた意味はどういうところにあると思いますか?
酒井:今年は考え方もそうですし、システム的なことも詳しくは言えませんが、ちょっと変えたところがあります。正直、リーグ前は国体なども中止になり、公式戦をする場がないままリーグに入ったので、不安に思っていた選手もたくさんいたと思います。そういった中でひとつ、こういう結果を出せたということは、今までやってきたことに自信が持てるのではないかと思います。そして、何よりこうして優勝することで、次への成長のモチベーションになるのではないかと思っています。
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