2022-01-09 08:10 追加
鎮西が4年ぶり、日本航空が初の決勝進出。日南振徳・甲斐優斗「初出場で4強は大きいが、優勝を目指していたので少し悔しい」 春高男子準決勝
春高男子準決勝の結果
高校バレー 男子
春の高校バレー(第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会)は8日、東京体育館(東京都)で準決勝が行われた(無観客)。
男子第1試合は4大会ぶりの決勝進出を狙う古豪の鎮西(熊本)と、初出場でベスト4入りを果たした日南振徳(宮崎)による九州対決となった。身長2mの大エース日南振徳・甲斐優斗に対し、鎮西は2年生エース対角の舛本颯真(182cm)、平田悠真(192cm)が奮闘。打ち合いを制した鎮西がストレートで勝利し、4大会ぶりの決勝に駒を進めた。
「甲斐君に対して3枚ブロックを徹底したが、(ブロックに関して)今日雑な部分があったので、明日は丁寧にやっていきたい」(宮迫竜司コーチ)という鎮西。舛本は「絶対勝ってやるぞという気持ちでセンターコートに立った」と笑顔を見せた。前日にダブルヘッダーを経ての朝からの試合に「身体はちょっときつかったが、絶対やらないといけないという気持ちでやってきたので、勝ててよかった」と語った。また、好調だった対角の平田に対して、「本当に尊敬しているし、大事なところで決めてくれたのですごく助かった」と賞賛した。
一方、敗れた日南振徳の甲斐は、「鎮西のブロックは形がいいのでプレッシャーはあったが、その中で打ち切れたスパイクが何本かあってよかった。前衛の時はブロックの上から打とうという意識で、バックアタックの時は弾き飛ばしてやろうという気持ちで打った」と試合を振り返った。初出場でのベスト4入りについては、「大きな結果だとは思うが、優勝目指してやってきたので少し悔しい」と話した。「大学進学後はチームの事情にもよるが、サーブレシーブもするサイドをやりたい」とまだまだプレーの幅を広げたいという意欲を見せていた。
続く第2試合は春高出場20回目で初のセンターコートに立った日本航空(山梨)がオリンピアンの宇佐美大輔監督率いる雄物川(秋田)と対戦。互いに190cmを超えるエースは不在のチーム同士の対戦となったが、ディフェンス力でここまで勝ち上がってきた日本航空が堅い守りから攻撃につなげて緻密なバレーを展開し、ストレートで試合を制した。
「今の3年生は1年生の頃からレセプション、ディグの練習を積み重ねてきているので、その成果が出たと思う」と語った月岡裕二監督。実は1986年に藤沢商(現藤沢翔陵)が春高全国制覇した時のエースで主将だが、当時の経験を選手たちに話すことはないという。かつて選手として立った決勝の舞台に36年ぶりに監督として立つことになるが、「昔のことすぎて、もう当時の気持ちは覚えていません」と笑った。
一方、敗れた雄物川の宇佐美大輔監督は「センターコートに立つことが選手たちの目標だったので、そこでちょっと満足してしまったかなという感じで、集中力が足りてなかった。日本航空さんの方が1枚も2枚も上で、うちはボールが拾えていなかったし、ブロックの形もできていなかった」と試合を振り返る。相手のミドルブロッカーをおさえるため、リードブロックで止めるべきところは止めて、抜けたコースは拾うという作戦を立て、練習ではそれができていたが、本番で機能しなかったという。
ここまでチームを引っ張ってきた3年生の2枚エース、石塚蓮主将と角田颯哉が大学でもバレーを続ける。2人とも教員志望で、「将来は大輔先生のように秋田に帰って、指導者として地元のバレー界を盛り上げたい」と夢を語った。「2枚看板が抜ける新チームは平均身長が小さくなるので速いテンポのコンビバレーを軸にしたい。2年生でトスを上げた滝澤大希にはこの経験を生かして新チームでも頑張ってほしい」とセッター出身監督は、チームの今後にも期待を込めた。
男子決勝は9日の11時30分から行われる。
【1/8男子準決勝の結果】
鎮西(熊本) 3(25-21,25-23,25-21)0 日南振徳(宮崎)
日本航空(山梨) 3(25-19,25-14,25-19)0 雄物川(秋田)
【1/9男子決勝の組み合わせ】
日本航空 vs 鎮西
写真:黒羽白、坂本清
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