2022-01-13 17:00 追加
石井優希「1年1年やり切りたい。自分自身に自信があったら、パリも目指すと思います」 久光スプリングス 皇后杯優勝インタビュー(後編)
久光 石井優希インタビュー(後編)
SV女子
2011年に初めて日本代表に選ばれて以来、オリンピックにも2016年リオデジャネイロ、2021年東京と2度出場するなど、攻守に長けたオールラウンダーとして長く活躍してきた石井優希。集大成と話していた東京五輪が終わり、「日本代表は一区切り」と話す。後編では、キャリアについての現在の心境やバレーボールへの思いを聞いた。
──日本代表については、いったん一区切りとお話されていました。
石井優希(以下、石井):リオデジャネイロが終わってから東京を目指してやっていたので、その5年間の集大成ということで、一旦の区切りだと思っています。次のパリ五輪に向けてというところにはまだ行けていないですね。ただ、これからどうなるかはわからないですし、今、本当にバレーが楽しいので、今をやり切ろうという思いでいます。うまくいけば長く続くかもしれないですし、やり残しがないように。この歳(30歳)になってからは、1年1年楽しみながらやりたいと思っています。
──東京五輪が終わった後に、「代表引退」という記事が出ました。そういう決断をされたのでしょうか。正直な思いを教えていただけますか。
石井:決断はしていないです。集大成という言葉だったように思いますが、準々決勝に進出できなかったので、記者会見でそのときの感情で話したので、 マイナスに捉えられる発言になったのかもしれません。引退宣言は特にはしていないです。
──もしチャンスがあり、自分のプレーに自信が持てたら、日本代表での挑戦を続けたいという思いはありますか。
石井:そうですね。自分自身に自信があったら、パリも目指すと思います。ただ、日本代表ではずっと調子を落としていたので、この先は選ばれないだろうなという気持ちもありましたし、そういう意味でも代表は最後になるかなと思いながらやっていました。引退と明言してはいませんが、そういう思いが言葉に出ていたのかなとも思います。
──東京五輪が終わってから、どんな気持ちの変化がありましたか。
石井:日本代表に選ばれて東京オリンピックを戦うことになり、やはりプレッシャーがありました。自分自身、すごく悩んでいて、考えなくてもいいことまで考えていたので余計苦しかったんですが、そのオリンピックが終わって、お休みをいただきました。2011年から日本代表に選んでいただいていたので、長くお休みをもらったことがなかった。その間は実家に帰っていたんですが、バレーのことは一切考えなくて、動きもしなかった。そのうち、バレーを嫌いにはなっていないし、自分の現役最後がしんどくて終わるというのは嫌だなと思うようになって、そういう考えから、久光スプリングスに再度、合流したときには、肩の荷を降ろして素直に楽しもうと思いました。ゆっくりスタートさせてもらったんですが、それは本当に、チームの理解とチームの愛だと思います。日本代表に行っているときから萱嶋社長(萱嶋章・SAGA久光スプリングス株式会社代表取締役)にはよくしていただいていて、愛されていると実感していたので、自分もチームに貢献していくことをこれから考えたいという思いもあります。プレーや結果を残すこともそうですし、それ以外でもできることはあると思います。そういったものを増やすことも考えたいという思いになりました。
──確かに、オリジナルグッズのデザインやモデルなど、いろいろな企画も。
石井:デザインなどもそうですが、スポンサーの方への挨拶にも自分が行かせてもらったり。佐賀のホームゲームにスポンサーの方が来られていて、その試合は途中から出場したんですが、試合後に、「やっぱり石井選手が出たら、わーっと盛り上がるよね」という言葉をいただいて、そういうことでも会社に貢献できているんだと実感することができました。自分の気づかなかったところで貢献できているんだなと思うと、自分もすごく嬉しいですし、さらにやりがいを感じられるようになりました。
──確かに、拍手が大きいですよ。石井選手が出てきたときは。
石井:そうですか。それは嬉しいです。
──皇后杯のタイトルを取って、次はVリーグ優勝ですね。
石井:もちろんです、もちろんです。今、上位にいるチームも、久光スプリングスが皇后杯で優勝したので、より意識してくると思いますし、負けられないです。
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