2022-01-14 20:10 追加
河野裕輔のエール!14稿 2022年もバレーボールは面白い! 春高男子決勝とV1男子サントリーvsWD名古屋振り返り
元日本代表でJTサンダーズ広島でも活躍した河野裕輔さんのコラム。今回は年明けに無観客ながらも熱戦を繰り広げた春高男子の決勝と、V.LEAGUE DIVISION1MEN再開の5試合の中から、ようやくフルメンバーが揃ったサ
SV男子 / 高校バレー 男子
元日本代表でJTサンダーズ広島でも活躍した河野裕輔さんのコラム。今回は年明けに無観客ながらも熱戦を繰り広げた春高男子の決勝と、V.LEAGUE DIVISION1MEN再開の5試合の中から、ようやくフルメンバーが揃ったサントリーサンバーズと年末の天皇杯を優勝したウルフドッグス名古屋の2戦を振り返っていただきます。
皆様、あけましておめでとうございます。本年も「エール!」をよろしくお願いいたします。
さて、1月5日~9日、東京体育館において春の高校バレーが開催された。筆者自身も時間の許す限りWEB観戦に勤しんだが、2022年最初のエール!となる今回は、そんな春の高校バレーの振り返りから始めていきたい。
◆コレ本当に高校生!? 決勝は文字通りの死闘!
今大会数多くフルセットの試合を観戦したが、決勝においてもフルセットの死闘。1~2セットを見る限り鎮西#4の攻撃で押し切るかに思われたが3セット目から日本航空のブレイクが増え、フルセットでの逆転優勝となった。まずはこの2チームにクローズアップしたい。
まず優勝した日本航空高校についてだが、攻守においてハイレベルな組織力が目立った。昨年の関東大会の試合を目にする機会があったが、リードブロックを軸にしたトータルディフェンスに、相手はどんどんと手詰まりになっていく様子が見て取れた。今大会においても、さらにブロックの精度やディガーの位置取りが格段にレベルアップ。各々が「今何をしなければならない」という事をしっかりと把握しており、その戦術遂行能力には舌を巻いた。ポイントゲッターは#1前嶋悠仁だが、最後まで前嶋だけに的を絞らせないオフェンスデザインは素晴らしかった。
そして準優勝の鎮西高校。ポイントゲッターの#4舛本颯真が攻撃の中心になるも、こちらもディフェンスにおいての組織力は素晴らしかった。ゲームにおいては拾ってつないで舛本というパターンが大半を占めたが「いかに舛本にいい状態で打たせるか」という戦術を徹底しており、そのために各選手がやるべきことをしっかりと行っていたのが印象的だった。
◆一部のチームだけじゃない。進んでいる戦術アップデート。
今大会、男子を中心に観戦したが、戦術のアップデートがかなり進んでおり、「各チーム『組織力』を磨かれているな」というのが率直な印象だ。その中でも各チーム進化しているなと見たのが大きく3つ。
一つは「サーブ戦術」だ。ミスのリスクをしっかりと取った、強力なジャンプサーブ。戦術的の攻撃選択肢を減らすショートサーブ等、非常に研究されていると感じた。
もう一つはBickの多用だ。各チームの攻撃枚数が従来は2~3だったが、この春高においては大半のチームが攻撃枚数3、あるいは4を担保していた。ここも大きな進化であり、注目すべきポイントだ。
最後にリードブロックを取り入れているチームが増えたのも特徴だ。リードブロックにおいては習得に長い時間がかかるものであるが、将来的には必須の技術になることも考えられる。またブロックシフトにおいてもバンチリード、デディケートを使い分けるチームが増えたのも大きな収穫であろうと思う。このコロナ禍で練習量や練習試合の不足を抱えながら各指導者の方々は「今勝つ」ことも重要視しつつ、「将来的な必須技術」の習得も両立されていると思うと「大変な努力をされているのだな」と頭が下がる思いである。
同じカテゴリの最近の記事
- 元NEC川崎の小島満菜美、ダニ・ドルーズがアスリーツアンリミテッドに参戦中 [Others] / 2024.10.27
- バレー新リーグ開幕の期待と課題 [SV女子,SV男子,V女子,V男子] / 2024.10.09
- イタリア人記者から見た男子バレー日本代表と石川祐希「2チームのどちらかが敗北しなければならないのは苦しいことだった」「ユウキにとってそうだったように、タツにもミラノが成長できる環境となるだろう」 [Others,全日本代表 男子] / 2024.10.03
- 悼む 荒木田裕子さん逝去によせて 奥本浩平 [Others,全日本代表 女子] / 2024.10.02
- 荒木田裕子さんを偲んで [全日本代表 女子,全日本代表 男子] / 2024.10.02
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.