2022-04-13 13:56 追加
姫路・貞包里穂「みんなに助けられたシーズンだったと思います」、群馬銀行・田中瑠奈「どうやって相手を崩すのか、自分自身の挑戦でした」
SV女子 / V女子
●高橋悠監督
前日に1セットを取ったことで、昨年よりチャンスが広がっていました。まだチャンスがある、今日は引き続きチャレンジしよう、と。第1・第2セットはなかなか相手に対応しきれなかったのですが、その中でもできた部分もありました。古市梨乃選手に昨日はやられていたんですけど、その選手をすぐベンチに下げることができました。多少なりとも相手を苦しめた部分があったのですが、それ以上に我々のオフェンスのところであったり、サーブレシーブのところでもきつい部分が多くて先行できなかった。そこがやはり今日の試合中で苦しかった部分かな、と。
2セットを失って、昇格ができないという状況になったにも関わらず、最後まで勝ちにこだわって、勝ちに対して執念を持って戦い続けた選手たちを評価したいと思います。
ーーシーズン中、プレー機会の少なかった清水愛選手を第3セットに投入した意図は? 来季に向けての布石なのか?
高橋:ミドルブロッカーの中でブロックが一番高いのが清水選手です。我々のブロックがプラク選手のクロスに届かなかったので、届くのは清水しかいない!と。清水選手を投入したらその期待に応えてプラク選手のスパイクに触ってくれました。うちのスパイカー陣の中でも彼女だけ3メートルを跳ぶんです。後半の勝負どころでは絶対プラク選手にボールが集まるだろうと。そういった意味で起用しました。
清水選手には「トランジションからのオフェンスとか何も考えなくていいから、とにかくプラク選手のクロスにブロックポイント、もしくは触ってくれさえすればいいから」と。第3セットを取れた要因だったと思います。
ーー入替戦で感じた昨年との違いは?
高橋:戦ってる選手の立ち姿が違いました。なんとかいけるぞという自信があって、しっかりコートに立ち続けてくれたかな、と。昨日負けても気持ちが怯まずに、今日こそ勝つという強い気持ちを持ってコートに立ち続けてくれたところが大きな成長になっています。V1のチームともそれなりに戦える自信がついたチャレンジマッチだったかなと思います。
ーー年間を通して、もう少しV1のチームと戦う機会があれば、結果も違ったのではないかと感じました。
高橋:すごくそのことを痛感しています。姫路さんは昨日、今日と粘り強く戦っていました。プレータイムが長くなった中でタイムアウトによる立て直しの成功であったりとか、プレー持久力というところに関しては、やはりひとつふたつ、やっぱり姫路さんのが上手だったかなと。
我々の方が後追い状態になって、ラリーが長くなればなるほど劣勢を強いられる場面が多くなってしまいました。その差というのは、つまりは試合数であったり、強いチームと戦い続けるっていうところですね。経験、キャリアというところに差を感じました。
ーーサーブレシーブが崩されても、その中でできることをして戦えていたと思います。具体的には田中選手の活躍が目覚ましいと感じました。
高橋:数字的なところを見ると田中選手が非常に良い数字を残しています。ただ、そういう風に見えがちなのですが、バレーボールは見える数字だけじゃないところが非常に大事なスポーツだと思っています。だからこそ、会場に見に来てもらう価値があると思っています。田中選手がそれだけ活きるということは周りの選手も活きているということです。そこはとても大事な部分だと思っていて、入替戦を戦う前に強く選手に伝えてきたところでもあります。
具体的にはパスが崩れたとしても、菊地実結選手であったり、伊藤寿奈選手であったり。ミドルの選手だからといって武器はスピードだけではないですよね。彼女たちはリズムダウンしてもブロックをいなしたり、決める能力がある。だから、そういったことを絶対怠るなと。オフェンス枚数を常に増やす。参加できるところは全員が呼び切るんだ、と。そういう部分が相手のブロックを少し迷わせて、勝負どころで田中選手に集めて数字が出た。そういうことだと思います。
撮影 堀江丈
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