2022-05-12 17:55 追加
柳田将洋「(藤中謙也が)守備の面で精神的な支柱を担ってくれる選手。しびれる接戦でもクレバーにプレーしてくれる」山村監督「試合後に大塚くんラリーくんが目にいっぱい涙をためながら挨拶に来てくれた」
SV男子
●山村宏太監督
まずは今日ゴールデンセットですが、今年のファイナルをかけた試合に進出する権利を得たことでホッとしています。
今日の試合を振り返りますとフルセットで負けてゴールデンセットをとったという形なんですが、昨日も言ったんですが、パナソニックさんに勝って決勝に行きたいという話をしたんですが、ちょっと「勝ったのかな?」という感じはあります。ただシステム上ゴールデンセットを取ったほうが決勝への挑戦権を得られるということで、試合に勝って勝負に負けた? 試合に負けて勝負に勝った? 最後とりきれたところが今年のうちの強さであり、フルセット負けたのがうちに弱さ。お互い負けたくない展開で、譲らないセットが続いた。内容が濃い一日だったと思います。ファイナル3にふさわしい試合だった。
明日ファイナルの第1戦があるんですが、どんな試合展開を想像すればいいのか考えなければいけない。
まずは今日頑張った選手におめでとうと。
素晴らしい試合を展開してくれたパナソニックさんに感謝を。
試合後なんですが、大塚くんとラリーくんがわざわざ僕のところに来てくれて、目にいっぱい涙をためながら、必死に堪えながら「ありがとうございました。本当に楽しい試合でした」という言葉をかけてくれたのですが、負けたあとに相手の監督のところに来て、そういうふうに今の率直な思いを言える人柄に僕は感動しましたし、グッドルーザーという言葉が似合うチームだなと改めて思いました。我々もそういところは結構選手に言っていて、アスリートだから何をしてもいいわけでなく、まずは人として尊敬される人間であり、そういう集まったチームでありたいとは選手に伝えている。今日の彼らのような未来ある若者たちがそういう態度を持ってやってくれてるというのはみんなに共有して、さらにサンバーズを成長させていく糧にしたい。本当に素晴らしい試合でした。
――ゴールデンセットのフルセットのところでムセルスキー選手と大宅選手が合わなかったのは。あそこで選手をかえなかった理由。
山村:当然今うちの一番の課題。ディマ選手のバックロウの決定率が下がっているのがここ最近の課題。今日の入りはかなり高い数字を残せていたので「さすが」と思っていたのですが、終盤またミスが出てしまった。そこに関して僕らも当然いろんなプランも考えていたが、今日の試合内容に関しましては一進一退の中で僅差のゲーム内容でしたので、その中でスターティングメンバーを変える勇気が僕にはなかったですし
こういうプレッシャーのかかる場面には経験値の高い選手を送り込むべきだと思っていました。
ゴールデンセットはどうなるか全く未知数だったので不安な気持ちのほうが多かったかもしれませんが、始まってみれば何を心配することもなく、本来のムセルスキーの姿を見せてくれたので、これはいけると確信に変わりました。
――大宅選手のトス回し、ムセルスキー選手の打数も多かったが、ここ最近の中ではミドルを使っていたが。
山村:僕はセッターミーティングを試合前日に僕とセッターとでやるんですが、相手のミドルの動きを確認していく。どうしてもポンに上げる本数が少なくディマに走られる。マサの対角のアウトサイドの枚数が少なくなるというのもわかっていましたし、そこにあげて決まらなかったというのが上位チームとやってきてわかったことだった。
そこを突破していかなければ、勝つことは難しいだろうという話をしていた。
勇気を持って大宅がトスを上げてくれたし、期待に応えてくれた部分と応えきれてない部分。両方とも今日の試合の中ではありました。
パイプの謙也、レフトの謙也、小野、ポン。がさらに決定率を上げていけば、ムセルスキーの負担を減らすことができる。もともと我々がしたいバレーはディマだよりではなくて、みんなが均等に打っていくチームを目指しているので、そういう意味では今日もディマの本数はいつもどおり多かったんですけど、名古屋さんもクレク選手に上がる比率はうちと変わらないですし、むしろクレク選手の負担のほうが大きいと思います。今日本当に大宅が勇気を持って上げてくれたと思います。
――先に2セットとられてとりきれなくてメンタル的に難しかったと思いますが。
山村:我々サンバーズはフルセットに強いという認識がある。今日に関してはフルセットで決めようというよりも、最後のゴールデンセットがある、そこがフルセットだという認識があった。誰一人集中力が落ちていなかったので、そんなに心配はしていなかった。各選手に体のコンディションを聞いて行けるかどうか確認を取ったくらい。私の方から精神面のケアをした選手はいません。それくらい選手たちの中で浸透しきっている。今日のメンバーが昨年の優勝メンバーの6人。塩田選手がポンに変わっているだけで。やることは変わっていないので。遂行してくれた選手たち、またそれを決断できた僕(笑)を褒めてあげたいです。ごめんなさい。たまに褒めてもらわないと頑張れないんで(笑)。
――今のお話と関連しますが、控室に帰られませんでしたね。そうされたのは。
山村:自分たちのバレーボールができていたので、帰っていったんコート外の空気を吸いたくなかった。おそらく選手がそう思った。リセットしたいという空気ではなかった。結果的にそれがよかったのかどうかはわからない。なにか喋ったほうがいいかなとも思ったんですけど、変なこと言わないほうがいいなと。悪いことが顕著に出ていればなにか言わなければなりませんが、それはレオナルドコーチ、米山コーチから的確な指示が試合中に飛んでますし、チームとして泣いても笑っても1セット。試合前に選手たちに、このようなゲーム、1点の重みが他とは違う試合は本当にやっていて選手としてやってて楽しいんです。充実してて。僕なんかも終わってほしくないと思いながらいつか終わりが来てしまう寂しさを最大限楽しんでほしいし、そういう試合こそが一番自分を成長せさてくれる練習だと言って今日の試合を送り出したので、本当にそういうレベルの高い試合でしたし、見てる方も、どちらが勝つのかハラハラ・ドキドキできるような内容。ファイナル3にはもったいないような内容で、かつ見ごたえがありお互いチームの特徴も違う中で日本のバレーボールが今これだけもりあがっている。高いレベルで表現できていることに誇りを持っています。
写真:黒羽白
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