全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>インタビュー>スポルディング✕柴田真果 世界を目指し、新たなステージへ(前編)

インタビュー

2022-08-03 07:00 追加

スポルディング✕柴田真果 世界を目指し、新たなステージへ(前編)

柴田真果インタビュー

Others / V1リーグ 女子 / 全日本代表 女子

6月7日、自身の28歳の誕生日にフランスリーグへの挑戦を発表したセッターの柴田真果選手(元JTマーヴェラス)。今年度は日本代表にも初選出となり、8月21日からフィリピン・マニラで開催されるAVCカップでは主将を務める柴田選手に現在の思いとサポートを受けているスポルディング社の製品について話を聞いた。

フランスリーグへの挑戦

――5月末でJTマーヴェラスを退団。フランスリーグへの挑戦という大きな発表がありました。5年間在籍されたJTを離れ、フランスリーグへのチャンレンジを決められたきっかけや思いは? チーム内での信頼も厚く、日本代表メンバーにも選出され、安泰と見える日本での活動からの挑戦、とても大きな決断だったかと思いますが、何か特別な思いなどがあれば教えてください。

柴田:3年くらい前からずっと海外でやってみたいと思っていました。発端は大学生の時のアメリカ遠征です。アメリカと日本のバレーボールへの取り組み方というかスタイルがあまりにも異なることに衝撃を受けました。例えば、朝9時からゲームスタートとか(笑)。また、JT在籍時にアメリカ代表のアンドレア・ドルーズ選手と一緒にプレーしていたのですが、彼女の考え方がすごく良くて。大抵、試合に負けたら落ち込みますが、彼女はそういう時こそポジティブなんです。その考え方をとても魅力的に感じて、自分の世界の狭さを知った気持ちになりました。これまで20年ほどバレーボールをやっているのですが、ここまでやってきたからこそ、海外へ行けるチャンスがあるのならば行った方が後悔しないと思いました。自身のバレー人生の中で、日本にこもって終わるのかチャレンジするのかであれば後者を選びたかった。少しでも海外に行けることで自分の考え方やバレースタイルを広げられるのではないかと思いました。

――行きたいと思ったとしても、実現に至るまでは大変だったのでは?

柴田:3年くらい「海外へ行きたい」と思っていたのですが、実際に思いを行動に移した時に海外行きを後押ししてくれる方々が多く、そこからさらに応援くださる方々をご紹介いただいて、どんどん思いが実現に向かって動き出すような感じでした。スポルディングとの出会いもそうですが、人と人のつながりのありがたさと、勇気を持って思いを口に出すことの大切さを実感しました。

――フランスリーグ参戦に向けて、これから具体的にはどのようなスケジュールですか?

柴田:今年は日本代表に登録され、8月に開催されるAVCカップ出場選手の候補に入っているので(※その後、AVCカップ出場選手選出と主将就任が発表に)、選出されたら大会終了後にフランスへ行って、チームに合流するつもりです。

――日本代表の壁は厚いですか?

柴田:そうですね、皆上手いなと思いました。3週間ほど合宿があったのですが、自身の課題に多く気づきました。こんなにもさまざまなトスが必要なのだと思い知りました、さまざまなスタイルのアタッカーに向けたトスのテンポや高さの違い、バリエーションなど、こんなにあるのだと。でもここで沈んではダメだと思っています。前に進む良い勉強ができました。

――なぜフランスリーグを選ばれたのですか?

柴田: もともとヨーロッパでやりたいと思っていて、その中でもイタリアに興味を持っていました。しかし、外国人選手枠の少なさと、ビザが発給されにくいという厚い壁があり、断念しました。ちょうどそのタイミングでフランスのチームからオファーをいただいて、行くと決断した後はトントンと話が決まりました。フランスのチームに在籍できることは、パリオリンピックを見据えた時にそこに向けての第一歩になると考えて、頑張りたいと思っています。

――今はどのような心境ですか?

柴田:今回のオファーは、所属するチーム“ヴァンドゥーヴル-ナンシー”の新監督から直接いただいたものなのですが、チームは現在リーグの中でも順位が低い位置にありますので、監督の期待に応えるためにも、ヨーロッパリーグに向けて、まずはチームの順位が上がるように貢献したいと思っています。

――監督やご両親など周りの方々の反応はいかがですか?

柴田:両親が心配していることは、口には出しませんがひしひしと伝わってきます(笑)。 振り返ると、これまでも節目で親が心配するような道であっても、自分の直感を信じてやってきました。親に心配されることばかりやってきているのに、何も言わず応援してくれているだけに、結果を残したいなと思っています。今でもバレーボールを続けている母とは、同じ競技を頑張っていることになるのですが、だからこそ何も言わず、応援してくれるのかもしれないですね。JTの吉原知子監督からは、多分、チームには残っていてほしいという気持ちもあったかと思うのですが、「チャレンジはすべき。やる限りはしっかり頑張ってくるように」と背中を押していただきました。ありがたいですね。吉原監督からは「ただ海外に行ったことで満足するのではなく、そこで何を学びたいのかなど具体的な目標を持った方がいいよ」ともアドバイスされました。

――吉原監督は現役時代にイタリアで海外バレーを経験していますが、その時の経験談は話してくれましたか?

柴田:はい。「私はボール拾いから始まり、最初は全然試合に出ることができなかった」と。でも、徐々にチームとの信頼関係を築くことができて、最後にはチームから必要とされる存在になることができたと仰っていました。

――スポルディングタイアップ企画の第1回は柴田選手の母校の日本体育大学で根本研監督のインタビューをさせていただきましたが、根本監督には相談されましたか?

柴田:はい、常々相談していました(笑) 根本先生も「実行していいんじゃない?」と前向きに背中を押してくださっています。今回、海外挑戦にあたり、スポルディングさんと個人で契約するご縁ができたのも根本先生が紹介してくださったおかげです。

――日体大ではコロナ禍になる前は4年に1回アメリカ遠征を実施していたそうですが、柴田選手は何年生の時に行きましたか? その時に海外のバレーに興味を持ったそうですが…?

柴田:4年生に上がる年の春休みです。文化の違いを肌で感じたことがスタートだったかなと思います。

――ご自身が海外にチャレンジされることで、どのような影響があると思いますか?

柴田:海外にチャレンジする女子選手がもっと増えたらいいと思っているので、そのための一歩になればいいなと思っています。海外で得たものを日本に持ち帰って広げる。その動きが日本のバレーボールの幅を広げていけるのではと思っています。

大学時代(本人提供)

>> インタビューのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック