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コラム

2022-11-04 23:08 追加

東京グレートベアーズ、東京体育館でのチームとして初のホームゲームを終えて V1男子

V1リーグ 男子

スポーツといえば、チームのマスコットキャラクターの存在も欠かせない。今回のホームゲームでマスコットキャラクターの”グレベアくん”が初登場。グッと吊り上がる眉毛から凛々しいキャラクターのイメージだが、歩く姿やリアクションする時のちょっとした仕草、観客に積極的に絡んだり写真撮影に応じたりとファンサービスする姿は、FC東京のマスコットキャラクターの”東京ドロンパ”を彷彿とさせた。東京ドロンパはFC東京のサポーター・ファンからはもちろんのこと、他チームのファンからも可愛いと評判で、選手と絡んでいる姿やダンスをしている姿の写真・動画がSNSで多くアップされていた。

 

グレベアくんはオープニングイベントだけでなく、タイムアウト中も会場を走り回って盛り上げたり、ハーフタイムではサーブを披露。また退場時には側転をするなどアクロバティックな動きをして会場を驚かせた。グレベアくんはもしかすると今後、東京ドロンパのようにダンスなどのパフォーマンスも見せてくれるかもしれない。

 

他のチームでは、パナソニックパンサーズもパナ吉くんに代わる新しいマスコットキャラクター”パピネス”が登場したり、同日に愛知・刈谷で開催されたジェイテクトSTINGSのホームゲームでも、マスコットキャラクターの”スティンビー”が初お披露目。マスコットキャラクターによるチームの盛り上がりもVリーグで注目したいところ。

グレベアくんの姿を見てFC東京時代のことを思い出したが、FC東京といえば、音響に頼らず声と手拍子で応援したり、チャントを歌う姿が印象に残っているバレーボールファンも多いだろう。

2020年のコロナ禍の影響で声を出しての応援ができなくなり、FC東京のホームゲームではDJがコールしたり、音響を使った応援となった。2021年12月でFC東京バレーボールチームの休部が発表された後の天皇杯の試合では、選手たちが手拍子をしたりチームメイトのチャントを歌った。そして以降の東京ホームゲームでは、選手たち自らチャントを歌って録音し、それを会場で流していた。

 

2022年現在も、Vリーグでは観客が声を出しての応援ができないため、東京グレートベアーズの応援はDJのコールや音響を使っていた。FC東京に長く在籍していた長友優磨選手は、応援に関して「今日はDJ、音響、ハリセンを叩いての応援があったけど、FC東京の時は、サポーターを中心として声を出した応援をしてくれていた。そういう熱い声援は、正直また聞きたいなと思います」と願うような表情でコメントした。

現状はまだ声を出して応援はできないが、声出し応援が解禁されれば、東京グレートベアーズの応援スタイルはまた新しい形となって、ホームゲームで披露されるかもしれない。

 

東京グレートベアーズが誕生し、チーム初のホームゲームがバレーボールの聖地である東京体育館、様々な新しい取り組みや演出が注目されていたが、実際にホームゲームを見てみると、FC東京時代を思い出す雰囲気も随所に感じられた。FC東京にあったものも引き継ぎながら更なるチャレンジに取り組み、今後の東京ホームゲームがどう進化していくか楽しみである。

東京グレートベアーズ初のホームゲームの観客数は土曜日は4012人、日曜日は3708人を記録。初のホームゲームは大盛況で大きなインパクトを残したが、スポーツ以外にも娯楽やエンターテインメントがあふれる東京という地で、今後もそれ以上の集客ができるかどうか気になるところではある。そのためには宣伝方法、イベントの内容、演出面の進化や様々な工夫もされていくと思うが、東京グレートベアーズが勝利して観客と喜びを分かち合うシーンが何度も見られるようになれば、更に盛り上がるだろうと思う。

 

今回のホームゲームは、昨シーズン準優勝のウルフドッグス名古屋との対戦。名古屋の安定感抜群のブロックで東京の攻撃を何度も阻み、ラリーが続いても名古屋がボールを何度も上げ、強固なディフェンスを崩せず、東京グレートベアーズはストレートで敗北した。

この日の勝利者インタビューはウルフドッグス名古屋のキャプテン・クレク選手だったが、素晴らしくアレンジされた東京体育館で試合できることを喜んだ後「東京にバレーボールチームがあることは、すごく大事なことで素晴らしいこと。東京グレートベアーズはポテンシャルのあるチームだと思うので、日本のバレーボールが盛り上がるように、もっと一緒にやっていきたいと思う」と東京グレートベアーズを称えた。

ウルフドッグス名古屋のリベロ・小川智大選手も「人が多く集まる東京にチームがあることは大事なことだし、そのチームが強くなれば応援してくれるファンも多くなると思う。バレーボール界がもっと盛り上がるという印象がある。凝った演出をしているところはバレーボールではなかなか無かったので、対戦相手でしたが東京グレートベアーズを見ていて、バレーボールが変わってきたなと感じました」とコメントした。

 

東京のチームが強くなれば、日本のバレーボールももっと盛り上がると思う――そのための第一歩として、東京グレートベアーズの初勝利、そして勝ち星を重ね、リーグを面白く盛り上げてくれることを期待したい。

写真・文:火野千鶴

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