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コラム

2023-01-04 09:02 追加

河野裕輔のエール!20稿 今年も激戦Vリーグ!! 前半戦振り返り V1男子

V1リーグ 男子

◆数字から見る前半戦 
首位のWD名古屋を見てみよう。スパイク決定率2位(52%)セット当たりのブロック本数1位(2.96本/セット)サーブ効果率堺と同率2位(6.2)レセプション返球率1位(64%)など、すべての部門で上位にいることがわかる。これは一人だけがいい成績を出しても上がるものではない。チームとして高いレベルにいることは当たり前なのだがやはり組織としての戦術遂行能力に裏付けられた数字なのではないか。ここで筆者は特にレセプション成功率に注目した。個人ランキングベスト10においてリベロの小川、山崎、高梨とレセプションをする3人がランクインしている。これがどういったことなのか。

ゲームにおいてサーブはおおむねリベロを外してOHの取る範囲を狙うことが多いがOHも高確率で返球する=サイドアウトにおいて「いい状態」での攻撃を仕掛けられる可能性が高いことを示している。よって被ブレイクの可能性が大きく減少することはお判りいただけるであろう。被ブレイクは連続失点である。この連続失点という致命傷のリスクを大きく減らせていることがWD名古屋の勝因の一つではないであろうか。

◆今シーズンのコート外の特徴
読者の皆様は東京GBの選手写真をご覧になっただろうか。モノクロのファッション雑誌のような写真となっている。筆者としては非常に素晴らしい取り組みであると感じた。それだけではない、様々な業界とコラボすることにより集客をする努力をチームとして行っているように見える。バレーボールをビジネスとして行くためにはもっともっとやってもいいのではないか。たくさんのしがらみや事情があるのは十分理解しているが挑戦することにより、より良い未来に繋がるのではないかと考える。東京GBだけではない。各チーム趣向を凝らしたHGを行っている昨今ではあるが、是非「お客様が1日楽しめる」HGというのも見てみたい。(筆者が過去にFCバルセロナの試合を見に行った時に1日楽しめた。)「楽しい」は拡散しやすいものだ。来場したお客様にどんどん拡散して頂き、お客様がお客様を呼ぶスパイラルで体育館を満員に出来たらこれほど素晴らしいものはない。

◆後半戦に向けて
現在首位のWD名古屋の牙城を崩すのは王者サントリーなのか、試合巧者パナソニックか。
何といっても天皇杯を優勝したジェイテクトの勢いがどこまで行くのかという楽しみが大きい。さらには得意のブロックからの連続ブレイクで勢いをもぎ取る堺や天皇杯準優勝の東レも粘りの展開に持ち込むことで有利な試合展開が望める。前半戦苦しい展開だったJTはアーロン、江川頼みにならずに攻撃の枚数を増やすことが勝利の鍵になりそうだ。そして東京GBも2勝して勢いを増す。大分三好も東レに勝利したことで流れをつかめるかといったところ。VC長野はスパイク賞首位の三輪の使い方がポイントになりそう。彼の打数の多い試合展開に持ち込みたい。いずれにせよまだ前半戦が終わったに過ぎない。この試合のない時期にどのような修正を各チームがしてくるのかは後半戦大きなポイントになるであろう。

天皇杯、オールスターも終了しいよいよ後半戦の始まりだ。ここからはファイナルまで突っ走るのみ。選手、スタッフの皆様には体調を万全にしていただき、目いっぱいファンを楽しませていただきたい。拙い文章ではございますが最後までお付き合いいただきありがとうございました。本年も何卒よろしくお願いいたします。

※プロフィール 河野 裕輔(かわの ゆうすけ) 1975年8月1日生まれ ポジション OP.OH 古河4ますらおクラブ-古河2中-足利工大附高(現足利大附高)-中央大学-JTサンダーズ(現JTサンダーズ広島) 現在社業の傍ら、V.TVにて解説者、オーカバレーボールスクール埼玉校にてコーチ業を勉強中。

写真:黒羽白

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