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会見・コメント

2023-09-21 21:36 追加

チーム最年長、2部リーグで2度の廃部を経験した渡邊彩が五輪予選で魅せる「チームのために自分のできることを精いっぱいやりたい」

パリ五輪最終予選/W杯 プエルトリコ戦 ブルガリア戦 渡邊彩コメント

全日本代表 女子

国立代々木競技場第一体育館で開催中のバレーボール・パリ五輪予選/ワールドカップ2023。第3戦・プエルトリコ戦(9月19日)、第4戦・ブルガリア戦(9月20日)におけるミドルブロッカー、渡邊彩選手の試合後コメントをお届けする。

渡邊彩選手はチーム最年長の32歳。そのキャリアは平坦ではなく、2部リーグで2度の廃部(三洋電機レッドソア、仙台ベルフィーユ)を経験した苦労人でもある。
女子Vリーガーの選手生命は決して長いものではない。ましてや2部は社業との兼務があたりまえ。その環境下にあって渡邊選手は数々の苦境にめげることなくバレーを続け、着実にキャリアアップを果たした。

仙台の廃部後に所属したV1(1部リーグ)トヨタ車体クインシーズでは主将も経験。2021年にはそのトヨタ車体の指揮官であった多治見麻子氏が率いる日立Astemoリヴァーレに移籍し、長期にわたってVリーグで活躍した選手に贈られるVリーグ栄誉賞(10シーズン、230試合以上)を獲得した。

フル代表に選出されたのは2019年。10代の頃から各年代別の代表を経験し、引き上げられていく流れが主流のバレー界において異例の遅咲きであった。

選出はされたが、エリートひしめく代表の中で定位置確保は簡単ではない。
176㎝の身長は代表のミドルとしては低い部類に入る。そのことがネックとなったのか、代表メンバーとしては当確線上に位置することが多かった。

2023年、パリ五輪予選時の渡邊彩選手は32歳。常識的に考えれば、選手として上積みは難しい。しかし、同年代が続々と引退を決意する中、渡邊選手はさらにプレーを磨ぎ、パリ五輪予選という大きな舞台で見事14名の枠に残った。

プエルトリコ戦で途中出場して試合の流れを変えると、翌日ブルガリア戦ではついにスタメン出場を果たした渡邊選手。その両日のコメントをご紹介したい。

■第3戦・プエルトリコ戦(第2セットより出場)

――第2セットからの途中出場。どういったことに注力した?

渡邊:オフェンスの部分ではしっかりワンレッグに走ること。パイプ(中央からのバックアタック)と自分の移動攻撃の幅を使うということを意識しました。
ブロックの面ではしっかりムーブメントする。ブロックの完成を早くしてその後のトータルディフェンスを意識したのですが、何回か相手にブロックを利用されたシーンがありました。次は修正していきたいなと思います。

――交代出場にあたって監督やスタッフからの指示は?

渡邊:そこは特になく「次行くぞ」という感じです。

――コートに立ってどういう心境だった?

渡邊:出だしから結構苦しい展開だったので、流れを変えないといけないなという思いで入りました。

――渡邊選手がコートに入ることでチームが安定したように感じました。最年長として軸になる部分もあると思いますが。

渡邊:うーん、どうでしょうか。見ていた人がそう思っていただけるなら嬉しいですけれども…。
自分が入った時にやらなきゃいけない仕事っていうのは必ずあって、今日はその(タスクである)第2セットの入りでちょっと硬さがありました。一戦一戦修正していかなければいけない部分ですね。
どんな状況で出るかわからないので準備も必要ですし、いろんな場面を想定して、気持ちと体の準備をして、しっかりチームに貢献できるようにしたいなと思います。

――サーブに関しては?

渡邊:サーブはゾーン5に打つという指示がありました。そこを狙って何本か崩したシーンもあったので良かったなとは思うんですけど、もう少しスピードを乗せて打てるとなお良いのかなと思いました。

――途中から入る難しさは?

渡邊:状況とかチームの雰囲気とか流れというのもありますし、外から見て…ただ見ているだけじゃなくて「相手がこうなってるから自分が入った時はこうしよう」っていうイメージをしていかなけばならない。そういった面ではいろいろ難しいこと、やらなければいけないこともあります。ベンチスタートの方が大変だなと思います。

――最終セットは入澤まい選手が入って日立Astemoの対角となりましたが、何か会話などは?

渡邊:試合の展開も早く、そこまで会話する時間は取れませんでしたが、ハイボールのケアなどについて少しだけ話しました。

――チーム最年長、気負うものはある?

渡邊:気負っても仕方がないので…。
自分のできることをしっかりやるっていうことが、イコール、チームのためになると思っています。一番上だから特別こうしなきゃいけないっていうのはないですね。あくまで自然体。周りをちゃんと見て選手一人ひとりとのコミュニケーションの取り方を考えています。 

――Vリーグの記者会見で「パリを目指したい」とおっしゃっていました。その第一歩ですね。

渡邊:目の前の一戦一戦をしっかりやることが結果につながってくると思います。今回は五輪への切符を取ることが最大の目標。
その目標をしっかり達成できるように、チームのために自分のできることを精いっぱいやりたいと思っています。

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