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会見・コメント

2024-01-25 01:45 追加

姫路・アヴィタル・セリンジャー監督「成熟したバレーを目指している。バックアタックが今のバレーの進化した部分だ。マユミ・サイトウは高さのあるプレーヤーだったよ」 Ⅴ2女子

アヴィタル・セリンジャー監督 インタビュー

V女子

バレーボールV2で開幕より12連勝と快進撃を続けるヴィクトリーナ姫路、アヴィタル・セリンジャー監督のコメントをご紹介する。

今季よりヴィクトリーナ姫路の監督に就任したアヴィタル・セリンジャー氏。
かつて名門(ダイエー)オレンジアタッカーズのコーチ、監督を務め、その後チームを引き継いだ久光製薬スプリングス(現・久光スプリングス)で2002年度まで指揮を執った経歴の持ち主だ。日本バレーの過去と未来をつなぐ重要人物と言って過言ではない。

そして、セリンジャーといえば、もう一人、別の人物を思い浮かべる人もいるだろう。
「セリンジャーのパワーバレーボール」を著し、ダイエーオレンジアタッカーズの監督、パイオニアレッドウィングスの監督として日本バレー界に大きな足跡を残したアリー・セリンジャー監督はアヴィタル氏の父にあたる。

実に20年ぶりに日本のチームを指導することになったアヴィタル氏だが、今の日本のVリーガーにどのような印象を持っているのだろうか。
2024年1月14日、前橋大会での群馬グリーンウィングス戦後にインタビューを行った。群馬との試合の感想も含めてアヴィタル監督のコメントをお届けする。

■ヴィクトリーナ姫路

●アヴィタル・セリンジャー監督

ーー本日の群馬戦(3‐0で勝利、開幕11連勝を達成)の感想を。

アヴィタル:出だしから昨日の良い流れを保つことができていました。良いパフォーマンスだったと思っています。
サーブが効果的に決まったので、相手の攻撃のリズムを崩すことができました。
特定のローテーションで少しミスが多くなってしまって、なかなか回せないところもありましたが、基本的にはきっちり勝つことができたと思っています。

ーー群馬は全員バレーを標榜しています。本来のポジションでないプレーヤーもいます。例えば5番のセッター(栗栖留生選手)は普段はリベロのプレーヤーです。群馬のバレーにはどのような印象を持った?

アヴィタル:いろいろ変えてきているのは向こうの事情です。そこに我々はフォーカスはしていません。
1周目に私たちが対戦したメンバーとは違う選手が入ってきていることには気がつきましたけれども、意識したとすればそのくらいですね。自分のチームに集中しています。
姫路でも本来と違うポジションをやらせたりすることはありますよ。大事なのは勝つためにプレーすることだと位置付けています。

ーー今シーズン、姫路はどういうバレーを目指している?

アヴィタル:チームがスタートした時と今では雲泥の差があります。チームは短期間に成長しました。どの局面においても能力を十分に発揮できる「成熟したバレー」を目指しています。
ブロックにもう少し磨きをかけたいですね。守備もそうです。でも、今日は守備で勝ったと言っても良いと思います。
第1セット9-12でうちが負けているところからボールを拾って、現代的なバレー、モダンなバレーをしていたと思います。
サーブレシーブの精度に関わってきますけれども、しっかりレセプションが返って、前衛プラスバックローを使う。そういうコンビネーション、モダンバレーを目指してやっています。
バラエティーのあるコンビのパターンなどにも取り組んでいますが、そこにはもう少し時間がかかると思っています。

ーー以前指導していた時(ダイエー~久光製薬時代)と今の日本のバレーボールや選手のタイプの違いは?

アヴィタル:まず、ゲームのコンセプト自体が変わっていると思います。
例えばバックアタックというのは…当時ダイエーには山内美加という選手がいました。おそらく彼女が(日本での)第一人者、最初にこのプレーを始めたのではないかと思います。
前衛にプラスしてバックアタックという攻撃を始めたのもダイエーだと思います。今は日本代表も、Vリーグの他のチームもやっていますし、加えて速いバックアタックもやっています。
プレーの中にあたり前のようにバックアタックが組み込まれていますね。それが以前から大きく変わったことだと思っています。

日本の全チームを見たわけではないのではっきりとは言えないですし、今から申し上げることが間違いではないことを祈りますが、体格や運動能力的なものや高さというのは20年前に監督をした時の方が印象として強かったような気がします。

クママエ(熊前知加子)、ムカイ(向井久子)、フクダ(福田記代子)、エトウ(江藤直美)、タジミ(多治見麻子)、ヨシハラ(吉原知子)、レオ…ササキレオ(佐々木みき)、オオムラカナコ(大村加奈子)、サキノ(先野久美子)、セキイ(関井陽子)…今、名前を挙げた選手たちは現役時代、みんな最高到達点が3mを超えていました。
もちろん今でも素晴らしい選手はいますが、全体を比較した場合、なんとなくそういう(以前の方が圧倒的な)気がします。ただ、V1のチームとはまだ全然対戦していないので、それが本当とは言えないのですが。

日本の高い技術力は変わらず素晴らしいですね。ハンドリング、レシーブ力。技術だけでなく、フォームも素晴らしいと思います。
1年後にまた同じ質問をしてください。もう少し多くのことを答えることができると思います(笑)

ーーマユミ・サイトウ(齋藤真由美/現・群馬グリーンウイングス監督。この日は体調不良のため欠場)は?

アヴィタル:ベリーハイ! とっても高かったですよ。マッチョは私の教え子ですからね(笑)

撮影 堀江丈

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