全日本バレー、Vリーグ、大学バレー、高校バレーの最新情報をお届けするバレーボールWebマガジン|バレーボールマガジン


バレーボールマガジン>コラム>ブラジルのスーパーリーグ、日本代表・松井珠己のマリンガが全員バレーで勝利をつかむ

コラム

2024-03-08 15:08 追加

ブラジルのスーパーリーグ、日本代表・松井珠己のマリンガが全員バレーで勝利をつかむ

Others

 松井選手と対戦相手バルエリのワグナー・ルイス・コッピーニ監督に話を伺った。

―バルエリは10代の若い経験の少ない選手もいますが、197、188、187cmと高さのあるチームです。試合前はどの様に打ち合わせていたのですか。
松井: 相手の高いミドルの動き方を教えてもらいました。ボールについてくるので、遠い方でしっかり攻めようとか、パスが入ればミドルのフロント正面に跳んで来るから逆サイドを使おうとか。また、他のどの選手がブロックのヘルプに来るから、ここでBクイックは危ないなど情報をもらっていました。相手のセッターが前に来た時などは、ブロックのヘルプにつきにくいと思うので、セッターが前だったら、こちらはそのままレフトで行けると思うので、その使い分けを考えました。

―今日の試合は振り返っていかがでしたか。
松井: 1セット目苦しかったのですが、気持ちを切り替えて、組み立ても少し変えることができたのが良かったと思います。1セット目は自分たちのミドルが決まっていたのに、感覚的にあまり打数がなかったので意識して増やしていったのと、そこからサイドも乗って決まってきて、パイプを終盤うまく使えました。それがスタートからいけたら良かったかなと思います。どのタイミングで誰を使うか、とても頭を使った試合でした。

―松井さんのレシーブも上がっていたと思います。
松井:もうちょっといけたかなと思います。球が強くて、ブロックに当たった球も違った回転になってきます。手に当たってもコートの中に収めきれないところがあるので、球に対して体が入っていないと強い球には対応できないので、そこの反応や体の使い方はもう少し頑張りたいと思いました。

笑顔で団結するマリンガチーム。後列左が試合の最優秀選手MBジュサラ。その横2人目が松井選手

 対戦相手バルエリのコッピーニ監督は、ブラジル代表女子のアシスタントコーチやU21監督を務める。

―監督にお伺いします。バルエリは、シーズン出だしの連敗から年明けは一気に巻き返して来ましたが、どのあたりを強化したのですか。
コッピーニ監督:開幕当初は若さやプレッシャーがあったと思います。ここ終盤の順位決定戦ではプレッシャーも強くなります。だからそこを自分でどうやってリードしていくか、ですね。良かった所をさらに伸ばせるように、うまくいかなかった所は個人個人で修正が必要です。ですが、テクニックや体力の問題というよりも、気持ちの問題だと思います。
今日の試合は、スタートはうまくいったので、そこにもっと自信を持っていけるようにすべきでした。十分内容の濃い練習を積んでいます。しかしそれが試合レベルで出せるか、試合の最後まで維持できるかは、若い選手にとっては気持ちの問題が大きいと思います。

―日本人のセッター、タマキはどうですか。
監督: とても才能のあるセッターです。スピードもあるし、日本のバレー学校から来たんですから(バレー学校というのは、日本のバレーのレベルがとても高いということの例え)、ボールの選択もいいです。今日は、ゲーム全体の組み立ても良かったので、マリンガの攻撃に対するこちらのマークがうまくいきませんでした。

―代表チームで様々な日本人選手を見ていると思いますが、どのポジションであれ日本人選手がブラジルのスーパーリーグで通用すると思いますか。
監督:もちろんです。日本のバレー学校を尊敬する者として、もっと色々なポジションの選手も見てみたいです。こちらが学ぶべきこともたくさんあると思います。

 この勝利でマリンガは7位に浮上し、バルエリが8位へ後退。トップ4チームは勝利数、ポイント共に一歩リードを保っているが、続く5~10位あたりは試合ごとに順位が入れ替わる接戦だ。マリンガはすぐ上の3月6日現在5、6位のチームとの試合がまだあるので、今日の試合のように、メンバー全員、監督の采配、スタッフの力を結集して、残り試合に挑んで欲しい。

バルエリOP(青8番)にブロック2枚を抜かれたが、強打を拾う松井選手

取材・写真:ブラジル在住 唐木田 真里子

>> コラムのページ一覧へ戻る

同じカテゴリの最近の記事

コメント

Sorry, the comment form is closed at this time.

トラックバック