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会見・コメント

2024-04-05 08:36 追加

「Vリーグでバレーがしたい!」信念を持ち続けてスタメンセッターになったデンソーエアリービーズ・山口結可「プレーできない時間の方が長かった。正直、怖さもありました」 V1女子

デンソー・山口結可コメント 

SV女子

「私の想像を超えた活躍でした。本人に聞いたらスタートセッターの役割を任されるのは5年ぶりくらいと言っていました。Vリーグでは稀な存在なんじゃないかと思いますね」

現行最後のリーグとなったV.LEAGUE DIVISION1 WOMENのファイナル6(順位決定戦)の記者会見の席で、デンソーエアリービーズを率いる辻健志監督はそう言った。「稀な存在」とは今季の主戦セッターとして活躍した山口結可のことである。

「山口を中学校時代からユースの合宿などで見てきました。ハンドリングにとても優れたセッターで大いに期待していましたが、高校、大学と怪我に悩まされてしまいましたね。そういうこともあって、なかなか学生時代にはファーストセッターとして試合に出る機会がなかったのですが、Vリーグで戦いたいという彼女の想いは強く、その気持ちに応える形でチームに迎え入れました」

昨シーズンまで、デンソーエアリービーズには松井珠己(日本代表)という個性の強いセッターがいた。その松井がブラジルのマリンガに移籍。山口がチームの主戦セッターを引き継いだ。

「入団2年目でスタメンに起用してもらいましたが、Vチームに入団する前に全然プレーをしてこなかったので、正直、怖さもありました」

キャリア形成に大きな影響を及ぼす高校、大学時代。山口は怪我との戦いを続けていた。

「中学生の後半から高校生にかけて怪我が続いてしまって…大学に入ってもその怪我と向き合うことになりました。自分はVリーグでプレーをしたいという目標があったので、大学では試合に出ることより体づくりをメインでやってきたんです。恩師の藤井(壮浩、東海大学)先生からもプレーの前にまずは自分の体を作ることが大切だと言われてきました」

山口は続ける。

「バレーボールから離れてる時間の方が長かったので、バレーに対する考え方を忘れている部分もありました。でもスタメンでコートに立つ以上はチームの代表ですし、その責任もあります」

プレーをする喜びと同時に、戸惑いもあったであろう。しかし、怪我という背景を知らなければ、傍目にブランクは感じない。
山口は自身にとって大きな転機となった2023-24シーズンをスタメンセッターとして見事に走り抜けようとしている。

「バレー選手としてはプレーできなかった時間の方が長かった。そのことも忘れずに思いっきりプレーをしようと考えてコートに立っています」

Vリーグは最高峰の選手、バレーのエリートが集うリーグである。学生時代、なかなか試合に出られない中で、それでも「Vリーガーになる」という強い信念を持ち続けることができたのはどうしてなのだろうか。

「小さい頃からずっと” V でバレーをしたい”っていう夢がありました。人生の中で、その軸はぶらさずにいたかったんです。その目標のために”今は耐えて頑張るんだ”っていう思いを強く持っていました 。怪我で苦しい時期に一番の支えになったのが家族です。家族が”もう1回 コートに立ってプレイする姿を見たい”って言ってくれて。家族の支えがあって、こうやって今コートに立ち続けることができています」

デンソーエアリービーズは今季の総決算となるカップ戦、VCupのファイナルラウンドに進出した。土曜日に準決勝、勝てば日曜日には決勝の舞台が待っている。大舞台で山口結可はどのようなタクトをふるうのか。週末が楽しみである。

撮影 堀江丈

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