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バレーボールマガジン>インタビュー>冷静と情熱のあいだ 福山汰一さんカーテンコール(後編)

インタビュー

2025-02-08 07:00 追加

冷静と情熱のあいだ 福山汰一さんカーテンコール(後編)

Others / SV男子 / 全日本代表 男子

引退後、指導についても若年層の指導をしたいと希望し、今の道(バレーボール教室などを行う『VB東京』のスタッフ)についた。

――現役を引退されたあと、VB東京ではどのような活動をしているのですか?

バレーボールに関していろんな活動を行っていますが、小学生からママさんバレーまで、いろんなカテゴリーのチームに外部コーチとして選手を指導しているのがメインです。スキルや知識の部分で僕が得たものを、できるだけ早く習得して欲しいという思いで指導しています。例えば、中学のときに、各高校や大学のスタイルやプロセスを知っていれば、どこに行ってどんなバレーがしたいか自ら選べると思ったんです。また技術的なことはもちろん、進路やキャリア教育を含めて指導していきたいと考えています。

――指導者の道を選んだのには理由があるんですか?

僕が日本代表に入った時にレベルと意識の高さを目の当たりにして、もっと早めに頑張っていればよかったと思ったのがきっかけです。今の学生の中には上を目指している子も多いと思うので、行きたいなら本気で取り組むべきということを僕から伝えたいと思いました。それがもし日本代表に繋がらなかったとしても、企業で10年以上選手としてやれる人もいるし、一人ひとりの視野が広くなればいいなと思っています。

――現役時代の話に戻りますが、ジェイテクトで何年間プレーされたのですか?

2016年からなので、8年ですね。

――その間に優勝も経験されてますよね。

あのシーズンは強かったと思います。(マテイ)カジースキがいて西田(有志)もいたので。

――あの年はシーズン途中から中根(聡太)選手が正セッターになり優勝して引退されましたね。

彼は自分が出なくても、やれるだけのことはやるんですよね、練習も誰よりもしてましたね。終わったらやめると聞いて、まじかよ。って思いました。

――ミドルからすると、セッターとの相性って大事だと思うんですけど、中根選手とはどうでした?

僕はめっちゃ好きなタイプでしたね。彼は身長が低いんですけど、下から上がってくるぶんの時間があるんですよね。自分の高さに来るまでにコンマ何秒差があるので、ブロックを見て後出しできるのが好きでした。

――最後になりますが、今後の目標をお聞かせください。

バレーをしている次世代の子どもたちに夢を与えたいなって思っています。例えば、大学生だと就職やその後を考えながらプレーしていると思うんですよね。他にもSVリーグの選手でも将来の選択肢が豊富にあれば、引退する時期がのびる選手もいるんだろうなって思ったんです。引退したあとにバレーに携わるなら、コーチ、審判、学校の先生が主な選択肢になります。けれどそれができない選手たちが田舎に帰って地元でバレーと全く関係ない仕事だけをするのは寂しい。彼らにもバレーに携わった仕事をしてもらいたい。そのために実際に繋げていって、セカンドキャリアを紹介するイメージです。

この取材の最後に雑談でモデルのことも聞いてみた。意外にもモデルの仕事はほぼしないままやめたという。「中途半端なことはしたくなかったので、モデルをやるならバレー部とは両立できないとわかったので」とさらりと笑った。

子どもたちにバレーボールを教えている福山さんは、シニカルでもなんでもなく、本当に楽しそうに見えた。

取材:中西美雁 構成:重村暁希
写真:火野千鶴 堀江丈 FIVB 中西美雁 
協力:VB東京

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