2025-03-07 13:53 追加
虎視眈々と初代女王を狙うSAGA久光スプリングス。荒木彩花「サイド陣が苦しいときにそれを助けるのがミドル」、西村弥菜美「チームとして何を目指しているか」 SV女子
SAGA久光スプリングス・荒木彩花、西村弥菜美インタビュー
SV女子
SVリーグもいよいよ佳境に入ってきている。
上位チームはプレーオフ(レギュラーシーズン上位8チームによる優勝決定トーナメント)でいかに戦うか、ということを念頭に置いて目の前の1戦にも向き合っている状況だろう。ファイナルに入ってからが本番と断じてしまうのはやや乱暴かもしれないが、レギュラーシーズンの長さに比して、そこで得られるアドバンテージが少ないというのがSV初年度の印象である。
常勝を謳われたSAGA久光スプリングスはこの記事の執筆時で6位。一見物足りない成績かもしれないが、8強入りは濃厚で、皇后杯で準優勝を成し遂げたように、依然、勝負所での勝ち方を知っている強みがある。
シーズンがちょうど折り返しを迎えた時期に、SAGA久光スプリングスの主力選手である荒木彩花と西村弥菜美に今季の手応えなどを聞いた。
インタビューは少し遡って1月12日、対埼玉上尾メディックス戦のGAME2後である。
埼玉上尾は監督の大久保茂和、ミドルブロッカーの濵松明日香が元SAGA久光。お互い意識せざるを得ない相手として、水面下では腹の探り合いもあったであろう。
この節はGAME1が3-1でSAGA久光、GAME2が3-0で埼玉上尾が勝利し、形としては痛み分けになった。ただ、荒木、西村にとっては敗戦後の悔しさの残るコメントでもある。
「相手がメンバーを変えてくることはチームの全員がわかっていた」
試合後の会見場で荒木彩花は言う。
「それでも、対応できなかった。昨日とは変わって出た選手にやられたという印象が強くあります」
今季の戦い方として埼玉上尾がGAME1とGAME2でメンバーを変えてくるのは良く知られているところだ。改めて埼玉上尾の両日のスターターを確認してみる。
●GAME1
S)岩崎こよみ
OH)サラ・ロゾ
MB)山中宏予
OP)黒後愛
OH)佐藤優花
MB)権田寛奈
L)山岸あかね
●GAME2
S)鎌田咲希
OH)目黒安希
MB)山中宏予
OP)ニカ・マルコヴィッチ
OH)椎名真子
MB)濵松明日香
L)岩澤実育
ミドルブロッカーの山中宏予以外は見事にメンバーが入れ替わっている。この起用法について賛否はあるだろうが、欧州の強豪サッカークラブのようなターンオーバーをSVリーグで実現しているマネジメントは評価して良いポイントだろう。
GAME2の埼玉上尾のスタッツを見るとニカ・マルコヴィッチの決定率が46.2%、濵松明日香が46.7%とオフェンス面でこの2人が良い数字を残している。
唯一の両日のスターター山中宏予も46.2%の決定率に加え、5ブロックと華々しい活躍だったが
「前日から変わったメンバー」
という点に着目するなら、おそらく荒木にはこの2人の印象が強かったのではないかと推測する。特に濵松明日香の存在はポジション的にも昨季まで共に切磋琢磨した相手として気にはなるだろう。
全体的に埼玉上尾のサーブ効果率がSAGA久光を上回っていた点も”GAME2のメンバーにしてやられた”という感想に結びついているのかもしれない。
ただ、相手だけではないと荒木は言う。
「自分たちのミスも目立っていた」
ストレートで負けたのはむしろそれが要因だと荒木は悔しさを噛み締めた。
この点についてリベロ、西村弥菜美も言及する。
「自チームのミスの中でもコミュニケーションさえ取ることができれば防げるミスがたくさんあったと思う」
守護神として最後方から俯瞰した景色にはその課題が浮き彫りになって見えていた。
「チームの流れが悪い時には会話が止まっていました。単純なことかもしれないのですが、ボールに対して誰がアプローチするのか、それがやっぱりおろそかになっていたと思います。防げるはずのミスが起きてしまっている。チームが苦しい時こそ、もっと仲間で助け合いながらやらなければと思いました」
GAME1とGAME2、実際のディフェンスでは何が違ったのだろうか。引き続き西村に聞いた。
「GAME1はレフトにやられるシーンが多かったので、GAME2ではそれを踏まえてレフトへの対策は良かったと思います。ただ、サーブレシーブで崩されるシーンが多くて、なかなか自分たちの攻撃展開ができなかったですね」
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