2025-03-09 09:06 追加
JAぎふリオレーナ・髙石明美が5ブロックの活躍。ミドルでチームに安定をもたらす。広島オイラーズは新鋭、竹氏彩乃がコートの強度を上げる V女子
V女子の結果
V女子
3月8日、バレーボール女子・V.LEAGUE WOMENは北ガスアリーナ札幌46、大崎市古川総合体育館、岐阜メモリアルセンター ふれ愛ドーム、安濃体育館、熊本県立総合体育館にて5試合を開催した。
いずれも上位のチームが勝利し、ブレス浜松は21勝目、リガーレ仙台も21勝目、信州Ariesは19勝目をあげている。(この3チームはプレーオフ進出が決定)
注目の4位争いはフォレストリーヴズ熊本(4位)とカノアラウレアーズ福岡(5位)が直接対決し、フォレストがフルセットを制しGAME1で勝利した。
岐阜メモリアルセンター ふれ愛ドームではホームJAぎふリオレーナが広島オイラーズに3‐1で勝利。シーズン途中よりミドルブロッカーに入っている髙石明美が5ブロックの活躍で勝利に貢献した。
JAぎふも広島もサーブを武器にするチーム。JAぎふは水野梨加、広島は安積あやねを中心に互いがサーブでイニシアチブを取りあった。
広島はサーブでJAぎふのレセプションを崩すところまでは到達したが、JAぎふの2段トスからの攻撃に苦慮し、サーブ効果を活かしきることができなかった。
広島・鈴木輝監督は
「サーブは良かったと思う。ただ、相手を崩しているのにそこから点数を取られることが多かった。ブロックディフェンスに課題を感じた」
と悔しさをにじませた。
広島は第3セットでスターターを4人一気に入れ替え。大胆なメンバー変更が奏功し、このセットを奪取。JAぎふに一矢を報いてGAME2への布石を作った。
中西杏実主将も
「サーブはさらに進化しているし、数字にも表れている。今日はJAぎふの選手のスパイクのタイミングに対応できなかった。ブロックとレシーブの関係を見直して明日は勝ちたい」
と雪辱を心に期した。
ヴィアーレ兵庫から加入した竹氏彩乃はコートでの躍動感が際立つ。
「ミスを恐れず自分たちの力で流れを持ってきたい」
と明日への抱負を語り
「今までやってきた舞台とは違うが、武器であるスピードと機動力、幅を使った攻撃はVで通用していると思う。自分でも伸びしろはあると思っている」
と一つ上のステージで結果を出す意気込み、意志の強さを感じさせた。
ブレス浜松に移籍した坂口莉乃に代わってセッターを務める安積あやねは
「崩れたときにもミドルを使ってコンビを組む。ミドルを絡めたスピードのある攻撃ができている」
と今季の手応えを語ってくれた。
鈴木輝監督も
「セッターとしての技術は坂口と遜色ない」
と新司令塔に信頼を置いていた。
JAぎふは前節の連敗の痛みを抱えながらも、ホームの声援に応えるべく全力で戦い、勝利を手に入れた。
鈴木智大監督は
「前節のフォレスト戦はプレーオフ進出に希望をつなぐ重要な戦いだった。正直、その痛手からすぐに切り替えるのは難しい。今日勝利という結果を得たのはひとえに選手の頑張りだと思う。ただ、内容を振り返れば先週苦しんだ部分が今日も垣間見えた。残り試合は少ないが、改善しなければ厳しい戦いが続く」
と勝利の喜びは程々に、指揮官としての責任を前面に出し、気を引き締めていた。
「攻めるサーブでのミスは許容してきた。しかし、攻めてはいない場面、コントロールする場面でのミスが目立つ。これは改善すべきポイントだろう」
鈴木智大監督は現状の課題についてそう分析した。
今季のJAぎふは特に前半戦で苦しんだ印象だが、シーズン半ばよりサイドプレーヤーの髙石明美をミドルブロッカーに起用することで安定感を得ることができている。
このオプションはオフェンスよりディフェンスにポイントがあると言う。
「髙石はチームで一番ブロックの力がある。彼女をミドルに入れることでブロック決定本数も、タッチブロックからの組織ディフェンスも向上した。数字に表れる部分だけでなく、数字に表れない部分でもチームにポジティブな変化が見られた」
エース・髙石明美をミドルに入れることで、高石自身の決定本数、特にバックアタックについてはトレードオフになってしまうが、チームとしてトランジションの攻撃に良い結果が出ているということなのだろう。
ローテーションによってはサイドから攻撃するシチュエーションもあるが、現状は髙石明美をMB1のように活用しているわけではなく、スタンダードにミドルの仕事をさせている、という印象を本日の試合からは受けた。
その高石は
「自分がミドルになったことでチームが安定したのかどうかはわからないが、時期としてはそのコンバートの頃からチームの中でやるべきことが整理されてきたとは思う。サイドとは役割が異なるし、求められてることも変わってくる。攻撃に関しては迷うこともあるが、まずはブロックに期待されてのことだと思うので、自分のできることを良い形で出せるようにやっていきたい」
と今の心境を話してくれた。 GAME1のブロックに関しては
「しっかり相手のトス、相手の動きを見て対応できた」
と述べた。
高石がミドルに入っていることもあって、新たにエースとしての活躍を期待されているのが新人の熊沢美月だ。
熊沢はチームトップの21得点。攻守両面での貢献がアウトサイドヒッターの仕事だが、対角の水野梨加がよりディフェンスに、熊沢はよりオフェンスにウエイトを置くことになるだろう。
その熊沢は
「自身の攻撃のリズムを保つためにも、サーブレシーブで崩れないことを課題にしている」
と話す。
「高校、大学とエースでやってきたが、今はまだみんなに支えてもらっている立場。入団したころは自分の立ち位置がわからなかったが、試合を重ねながらそこをクリアにしている」
と成長の過程にあることを吐露した。
もう1枚のミドル、北山佳月にも注目したい。パワーのあるサウスポーのミドルブロッカーだ。
「左利きなのでセッターの後ろ、ライト側の攻撃が得意。今は相手ブロックが1枚だったり、セッターが相手を振って良いところにトスを上げてくれて決めることができている。劣勢な場面や、大事なところでボールを託される選手になりたい」
と将来目指すプレーヤー像を語ってくれた。
【V.LEAGUE WOMEN・8日の結果】
@北ガスアリーナ札幌46
アルテミス北海道 0 – 3 ブレス浜松
(16-25 14-25 14-25)
@大崎市古川総合体育館
リガーレ仙台 3 – 0 東京サンビームズ
(25-21 25-20 25-16)
@岐阜メモリアルセンター ふれ愛ドーム
JAぎふリオレーナ 3 – 1 広島オイラーズ
(25-22 25-17 23-25 25-19)
@安濃体育館
ヴィアティン三重 0 – 3 信州ブリリアントアリーズ
(13-25 18-25 15-25)
@熊本県立総合体育館
フォレストリーヴズ熊本 3 – 2 カノアラウレアーズ福岡
(25-22 25-15 21-25 23-25 15-11)
今日の結果を受けた最新の順位は以下の通り
(上位4チームがプレーオフに進出)
1位 ブレス浜松 (勝率91% 63ポイント)プレーオフ進出
2位 リガーレ仙台 (勝率84% 65ポイント)プレーオフ進出
3位 信州ブリリアントアリーズ (勝率83% 55ポイント)プレーオフ進出
4位 フォレストリーヴズ熊本 (勝率70% 45ポイント)
5位 カノアラウレアーズ福岡 (勝率52% 40ポイント)
6位 倉敷アブレイズ (勝率46% 39ポイント)
7位 JAぎふリオレーナ (勝率43% 29ポイント)
8位 ヴィアティン三重 (勝率39% 25ポイント)
9位 東京サンビームズ (勝率28% 24ポイント)
10位 広島オイラーズ (勝率16% 14ポイント)
11位 アルテミス北海道 (勝率0% 0ポイント)
【次回のV.LEAGUE WOMEN】
2025 03.09(日) 11:00 @北ガスアリーナ札幌46
アルテミス北海道 – ブレス浜松
2025 03.09(日) 12:00 @岐阜メモリアルセンター ふれ愛ドーム
JAぎふリオレーナ – 広島オイラーズ
2025 03.09(日) 13:00 @大崎市古川総合体育館
リガーレ仙台 – 東京サンビームズ
2025 03.09(日) 13:00 @安濃体育館
ヴィアティン三重 – 信州ブリリアントアリーズ
2025 03.09(日) 13:00 @熊本県立総合体育館
フォレストリーヴズ熊本 – カノアラウレアーズ福岡
撮影 堀江丈
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