2025-03-14 22:02 追加
パナソニックスポーツ・久保田剛代表取締役社長インタビュー「地域に根付いたチームながら世界で一番になりたい」
SV男子
――「パナソニック パンサーズ」というチーム名を一新された理由を伺ってもよろしいでしょうか?
まず我々にとって「パンサーズ」は、大事にしてきた愛着のあるチーム名でした。今季から「SVリーグ」に変わり、世界最高峰のリーグを目指しているなか、もちろん我々も世界に出ていかなければなりません。今の日本国内に向けた運営や経営だけでは厳しい。とくにアジアには最初から目を向けないと、成り立たないと考えています。ですが世界に目を向けたとき「パンサーズ」だと、どうしても制限がかかってしまうんです。そこで今リーグが変わるタイミングで、思い切って変えなきゃいけないと思いました。
――ということは世界レベルのクラブチームとして運営していくのですか?
そうですね。日本のバレーボール競技は海外でもっと発展できるし、日本がリーダーシップも取れると思っています。このチームに来たからには 、やりたいと考えています。
――最近のクラブチームでは、地域密着を重視されているところも多いですが、そこはどうお考えですか?
地域密着は非常に重要です。 しかし正直、後付けは難しいと思っています。なぜなら日本のチームは基本的に企業から出てきているから、後付けで地域密着を打ち出しても、なかなか効果は得られないかなと思っています。ヨーロッパのクラブチームは、地域からボトムアップし100年近く育ってきて今の環境や熱狂がありますから、根本的にルーツが異なりますよね。とはいえ企業に頼ってしまう形もよくないと考えています。やはりクラブチームの維持を考えたら、一番安定性があるのは地域に応援してもらうことだと思うんです。もちろん簡単ではありませんが、企業ではなくチームを見てもらえるような努力はしていかなければなりません。
――今季、サントリーサンバーズとの開幕戦を地上波で中継したことは、どのようにお考えですか?
バレーボール界にとって大きなことだったと思います。やはり地上波でやると露出が増え、話題にも取り上げられやすい。なかでも西田有志選手や髙橋藍選手など選手自ら、意識高くさまざまなメディアでアナウンスしているのが素晴らしいと思いました。歴史的な瞬間だったとはいえ、空席もありましたし、まだまだ改善できることは多いと感じています。
――改善点もあるということですが、反対に日本バレーボール界の強みはどのようにお考えですか?
女性ファンが多いことが強みだと思っています。これはバレーボール特有のユニークさだから、大事にしなくてはいけません。女性ファンがいるのは猛烈な強みで、そこから友人や家族に広がることがある。だから「一緒にバレーを見に行こう」と言ってもらえるような、魅力的なスポーツになるようにどうすべきか考えていきたいです。最近では漫画「ハイキュー!!」の人気もあってバレーボールの認知も拡大しているので、すごいチャンスだからもっと盛り上げていきたいですね。
――今後の大阪ブルテオンの展望は、どのようにお考えですか?
ローカル向けとグローバル向けの両方をやっていきます。地域に根付いたチームながら世界で一番になりたい。ホーム&アウェイ方式でやっている以上、まずはホームを大事にしないとチームの存続や安定性が不安定になります。ネット配信環境が良くなったぶんリアルの価値が上がるので、いかに大阪ブルテオンをリアルで見てもらえるか、我々だったら大阪に根付いていくかが重要。かつグローバル、とくにアジアに向けてリスクを取りながらチームに投資していきたいと考えています。大阪ブルテオンがトップクラブであることを示せるように努力していきます。
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