2025-03-14 22:02 追加
パナソニックスポーツ・久保田剛代表取締役社長インタビュー「地域に根付いたチームながら世界で一番になりたい」
SV男子
バレーボールリーグは過去に何度も「プロ化」を目標に改革を試みているが、その都度名称が変わったり、多少外国人枠などが変わりながらも、結局は大きく変わらないままここまできた。地域密着の掛け声、そして女性ファンをなんとなく忌避する風潮。これらに毎回疑問を持ってきたが、そのあたりの論点に対する久保田社長の言葉は新鮮だった。
過去にパナソニックのスポーツチームで、バスケットボール部は会社から外れた。当時業績が思わしくなく、パンサーズの選手たちも殺気立って勝利に食らいついていた。確かな情報ではなかったが、ファンの間には「優勝できないと廃部かもって聞いた」という噂が飛び交った。このシーズン筆者はうつ病で休養中だったため、仕事としてではなくチケットを購入して決勝だけを観戦したが、レギュラーラウンドを圧倒的な強さで首位抜けした東レアローズをパンサーズがまさに死力を尽くしてフルセットで優勝をもぎ取った。
そもそもが「松下電器バレーボール部」 というチーム名だったように記憶している。その後「松下電器パナソニック パンサーズ」となり、「パナソニック パンサーズ」と変わった。パナソニック パンサーズに変わったときに内定だったのが、昨季まで現役だった元代表リベロの永野健氏(現ブルテオン コーチ)で、名称が変わることに「寂しさはやっぱりあるけど、その名前も僕が内定のときに変わってできたものだし、チームが続いていけばそれでいいですよ」と笑顔で答えてくれた。
余談だが、「松下電器パナソニック パンサーズ」時代は名前が長すぎて紙媒体では原稿を文字数調整するのが大変だった。
東京オリンピック金メダルのティリ氏が率いて5年。そのティリ氏が次の日本代表監督となる。彼の任期中、天皇杯では頂点をつかんだこともあるが、リーグ優勝はまだない。花道を飾るために今季を優勝で終えられるだろうか。日本代表やアメリカ代表がスターティングメンバーを競う豪華なチームメンバーで、世界的な人気も高い。「ブルテオンポーズ」とパピネスがグローバルな人気になり、サッカーにおけるバルセロナやマドリード、プレミアリーグの各チームのような世界的なファンを得られるようなチームに成長を遂げることを心より祈っている。
*この取材はSVリーグ開幕直後に行われたが、取材者の健康状態などのため、発表が現在まで遅くなったことをお詫びしたい。
パナソニック スポーツ株式会社
代表取締役 社長執行役員
チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)
[生年月日]
1968年7月9日
[出身地]
香川県
[趣味]
歴史街道歩き、ジョギング
[学歴]
明治大学 政治経済学部 経済学科 卒業
青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科修了(経営管理修士)
筑波大学大学院 人間総合科学研究科修了(体育学修士)
職歴
1992年4月
株式会社テレビマンユニオン入社
(テレビ番組制作担当)
1994年11月
株式会社エヌ・ティ・ティ・アド入社
(スポーツ文化イベント担当課長)
2008年6月
株式会社フロンテッジ入社
(スポーツマーケティングストラテジスト)
2010年11月
NTTスポーツコミュニティ株式会社入社
(Jリーグ大宮アルディージャ/取締役事業本部長)
2019年9月
パナソニック株式会社入社
企業スポーツセンター所長
2020年10月
同社 スポーツマネジメント推進室
スポーツ事業センター所長
2021年10月
同社 スポーツマネジメント推進室長
2022年4月
パナソニック スポーツ株式会社
代表取締役 社長執行役員
チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(CEO)
30年以上もの長きにわたってスポーツ業界に関わる。その間、チームを保有する会社側、チームやクラブの運営側、広告や映像制作などの代理店側など、様々な立場でスポーツと向き合うという稀有な経験を重ねてきた。各立場の考えや思いを含めた現場感覚に精通しており、スポーツが持つ影響力や可能性などスポーツの本質に関して深い見識を持つ。
スポーツの力を生かすことで描くパナソニック スポーツ㈱のビジョンは、スポーツを持続可能なモノにすることであり、スポーツを通じて心豊かな人のくらしを提供し、より多くの人々の幸せにつなげようと、業界や国への働きかけといった一企業の枠を超えた活動にも積極的に乗り出している。
取材:中西美雁
構成:重村暁希
写真:パナソニックスポーツ、中西美雁
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