3月23日、小松総合体育館で開催されたバレーボールSVリーグ、PFUブルーキャッツ石川かほく対SAGA久光スプリングス（GAME2）はSAGA久光がフルセットで逆転勝利を収めた。
その終了後に今季をもって引退することを表明したPFU・池谷優佳選手（SAGA久光→PFU）の引退セレモニーが行われたのでご紹介したい。

池谷選手は下北沢成徳高校より日本体育大学に進み、2020年久光（現・SAGA久光）に入団。
ポジションはリベロ。
2023年に一度引退したが、同年PFUに入団し、2シーズン活動した。
今回の引退セレモニーは池谷選手ゆかりの2チームに見守られる形で執り行われた。

以下、池谷選手のスピーチを掲載する。

昨日、今日とたくさんの応援ありがとうございました。
先日発表があったように、今シーズンで引退する決断をしました。そして今日、引退スピーチの場を私の前所属チームであるSAGA久光スプリングスさんとの対戦後に設けていただき、本当にありがとうございます。
2シーズン前に一度引退という形でSAGA久光を退団しましたが、またバレーボールと向き合いたいという思いが募り、このPFUブルーキャッツ石川かほくというチームで現役続行を決意しました。
移籍をして2シーズンでしたが、今こうやって（前向きな気持ちで）引退の決断を出せているのは、ここまで支えてくださった方々や、ずっと応援してくれたファンの皆さんのおかげでもありますし、SAGA久光スプリングスでの素晴らしい経験があったからだと思っています。

私が移籍をしてからも、会場で会うと必ず声をかけてくれたり、石川県で大変なことがあった時もすぐに連絡をくれて、気にかけてくれたSAGA久光スプリングスの皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございます。
今日勝って恩返しができたら一番良い挨拶になったのかもしれないのですが、私たちも残りの試合を勝ち切って、自分たちにできることを最後までやり続けていきます。チャンピオンシップに出場したら、SAGA久光とまた対戦できるチャンスがあると思うので、その時は絶対に勝ちます。

私自身、選手として何か大きな成績だったり、結果を残せたわけではなかったと思いますが、本当に周りの方々や環境に恵まれた中でバレーボールができて、いろんな経験をさせてもらって、たくさんの方に応援してもらって、今日もこうやってお世話になった方々の前で感謝の気持ちを伝えることができました。こういう環境を作ってくださった温かいチームで最後にバレーボールができて本当に運が良かったなと思っています。その中でも、バレーボール選手として自分なりに頑張ってきたものや、積み上げてきたものがあると胸を張って今言えるので、そんな自分を誇りに思いながら、この競技生活を駆け抜けたいと思っています。

正直、今日ここで、またいろんなことを思い出して、ワンワン泣いてしまうのかなと想像していたのですけれども、今ここに立ってみると…こんなにたくさんの人に来ていただいて、本当にただただ幸せでいっぱいです。もう一度、現役を続ける選択をして本当によかったなという気持ちで、今ここに立っています。
まだ試合が残っています。どんな時も温かい言葉をかけてくれた皆さん、ずっと変わらず応援し続けてくれたファンの皆さんには、またシーズンが終わった時に改めて感謝の気持ちを伝えたいなと思っています。
最後まで私たちも諦めないので、変わらず応援していただけると嬉しいです。
引き続き、SAGA久光スプリングスとPFUブルーキャッツ石川かほくの応援をよろしくお願いします。

スピーチ後にはPFU・細沼綾、SAGA久光・栄絵里香の両主将から花束が贈呈され、2チーム合同で記念撮影を行った。
池谷選手を通じて両チームのつながり、リーグを戦う現場の結束を実感した1日にもなった。

特に紙などを用意ぜず、しっかりと自分の想いを自分の言葉で伝えた池谷選手。
スピーチでの感想を記者に問われると
「伝えたいことは昨日少し用意したが、その場に立ってみて自分がどう思うかということを一番大事にしたかった。皆さんが見守っている中でスピーチさせていただいて、本当に幸せだと感じました」
と話してくれた。

撮影　堀江丈