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インタビュー

2025-11-04 12:00 追加

NECレッドロケッツ川崎U15・柳田光綺監督「スポーツは言語化が重要、選手には人との繋がりを大切にすることを学んでもらいたい」 SV女子

NECレッドロケッツ川崎U15 柳田光綺監督

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10月初旬、今季のバレーボールSVリーグ、Vリーグの開幕に先立ち、未来のバレーボール選手を目指すアンダーカテゴリーの大会「2025 SV-V.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP」の女子予選グループが千葉県の船橋アリーナにて開催された。

参加チームはSV・Vリーグチームの下部組織ということもあり、チームのスタッフをOG選手が務めるケースも多く、その点からも見どころのある予選大会であった。

準々決勝までは31チームが4グループに分かれて1セットマッチを行う大会方式。各チームがあわただしく会場を駆け回っていた。
その最中、貴重な時間を割いてもらい、NECレッドロケッツ川崎U15の監督に就任した柳田光綺さんにお話を聞いた。

――まだまだ大会の最中ですが、試合の感想を。

柳田:今年の6月からNEC川崎のU15がスタートして、そこからやっとですね。8月から練習試合やゲームライクな練習ができるようになりました。
2か月間、いろんなチームと対外試合をしたり、インターハイに出るような高校生のチームと練習させてもらったりしてきました。
それでもなかなかチームとしてはまとまるのが難しいところもあったのですが、実際の大会になった途端に一変しましたね。
試合だからこそ出せるパフォーマンスというものを今日は随所に見ることができました。みんなの成長が感じられて嬉しいです。

――監督業はいかがですか?

柳田:劣勢の時に監督として何ができるか、ですね。
教え子たちはまだ中学生。試合の中でスキルの部分だけを指摘すると反省しすぎたり、流れが悪くなったりもします。
モチベーションを上げる言葉を探さなくてはなりませんし、1セットの中でも考えることがたくさんあります。でも、すごくいい経験といいますか、選手にとっても私にとっても学びの多い大会になっています。

――この年代を教えるにあたって、どんなことに力を置いてやっていますか?
技術的なことだけでなく、クラブチームとして戦術を教えることもあると思いますが。

柳田:現役時代に学んだことなんですが、スポーツをする上で言語化することが非常に大事だな、と。
引退してトップチームのコーチを経てジュニアの監督になった今、子どもたちに「ただ頑張ろう」ではなく、「何を頑張るのか」「上手くいかなかったことに対して次はどうしたら上手くいくか」を具体的に言葉にして、行動につなげることを心がけています。話すという作業を重視しています。

――レッドロケッツのチームカラーや伝統をこの世代に伝えていくことは意識にある?

柳田:私が今、ジュニアの監督に就任した理由の一つとして「トップチームの良いところを下の世代に繋げる」ことがあると思っています。
例えば、一つのプレーにみんなが当事者意識を持って取り組むことや、バレーボール以外でも人とのつながりを大事にすること。
そういったことが最終的に競技力につながるという点を教えたいですね。
これは中学生にとってすごく大事なことだと思っています。そういうところをこのチームに還元できたらいいなと思っています。

――ジュニアの選手がトップチームの現役選手と交流したりすることはありますか?

柳田:結構ありますね。夏場に一緒に練習させてもらったり、トレーニングをやらせてもらったりしています。
データの話や戦術の話についてもトップチームのアナリストに講習会を開いてもらい、選手にはそれをどう練習に活かすかを考えてもらっています。トップチームとの交流は多いですね。

――U15大会ではどういうものを得たいと考えている?

柳田:U15の大会はこの1回しかないので、6月から4か月の間に積み重ねたものをみんなに発揮してほしいですね。
選手達自身が「上手くなった」「成長した」と感じられる大会にできたらと思います。
選手は3年生がほとんど。ここから高校バレーに進む子が多くいるでしょうし、学んだことを高校でも活かしてもらえればと思っています。

――大会の感想は?

柳田:参加チームが多いですね(笑)。いろんなチームと試合や交流ができるのがとても良いです。
私たちのチームは設立からまだ4、5か月。赤ちゃんみたいなチームなので、育成に実績のある他のチームから学ぶことも多いです。
選手たちだけでなく、スタッフも他のチームのやり方や話を聞けるので、そういう面でも良い機会になっています。

――今季、トップチームはすごい盛り上がりが予想されます。先輩の視点からトップチームにはどういうことを頑張ってほしいと思っていますか?

柳田:そうですね、今すごく注目されていると思います。
代表でスタメンを張るメンバーが多いチームになりますが、でもまだ完成形ではないと思います。
代表だけでなく、NEC川崎の中でも佐藤淑乃、和田由紀子の新しい面がもっと輝いてほしいですね。
みんなが「NECといえば…!」みたいな存在になってくれたら嬉しいです。

――柳田さんのファンに向けてコメントをお願いします。

柳田:イベントや今回の大会でも、選手時代から応援してくださっているファンの方からお声がけいただきました。今も気にかけてくれているのはすごく嬉しいです。
私自身、新しいことに挑戦している最中ですが、その背中を押してもらっていると感じています。
人との繋がりを大切にする、その気持ちを中学生たちにも感じてもらいたいですし、これからのために学んでほしいと思っています。これからも自分のそういう姿を応援してもらえたらと思います。

撮影 堀江丈

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