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会見・コメント

2025-11-21 20:55 追加

ヴィクトリーナ姫路・佐々木千紘「悔しさはあった。今季はミドルとして主将として成長したい」 SV女子

SV女子

11月8日、埼玉上尾とのGAME1でフルセットの熱戦を戦った佐々木に話を聞いた。
佐々木は今、どのような心境で自身の役割と今季のプレーに向き合っているのだろうか。

「昨シーズンなかなか試合に出れなかった悔しい思いがあります」

この日の佐々木は第2セットで途中出場し、第3セットからはスタートでコートに入った。

「リリーフサーバーで起用されることもあるのですが、今季はしっかりミドルブロッカーとしての役目を与えられています。クイックとブロックでチームに貢献したいですね」

自身の武器に昇華させたサーブについては次のように話してくれた。

「昨シーズンはチームの流れを良い方向に変えるという役目でした。今日の終盤でもその経験が活きました。
サーブで相手を崩すという自分の強みを少しは出すことができたと思っています」

プレーヤーとしてはまずまずの手応えを感じているようだ。では、チームリーダーとしての自己評価は?
セリンジャー監督の賞賛に対して自身の採点は辛い。今後の成長を心に期している。

「チームを鼓舞する、一つにまとめる、キャプテンの基本の部分はまだまだだなと感じています。
野中やカミーラ・ミンガルディ選手が常にみんなのことをプッシュしてくれるので、すごく助かっているんです。正直、そこに甘えちゃうところもありますね。
でも、自分がもっと率先してチームを引き締めなければ、と思っています。
今季は試合を重ねながら、そういったことも学んでいきたいです。キャプテンとしてもミドルブロッカーとしても成長できるように頑張っていきます」

姫路には忘れられない痛みがある。
2023年4月、入替戦でアランマーレ山形に連敗し、チームは2部行きを余儀なくされた。
顔を覆って逃げ出したくなるような記者会見に選手を代表して着座した一人が佐々木だった。

「相手の勢いに押されてしまった。すごく悔しい気持ちです」
涙混じりに話す佐々木の姿が痛ましかった。
本来、人を幸せにするはずのスポーツだが、残酷さも表裏一体に存在している。

臥薪嘗胆。
あの日の悔しさが姫路と佐々木を磨き上げたといっても過言ではない。

屈辱の入替戦を経験した選手も時間と共に一人また一人とコートを去っている。
しかし、佐々木はそんな仲間の思いも背負って戦い続けている。

「紘」という文字は太く強い紐を意味するという。
その名の通り、これからも佐々木千紘は心の糸を束ねて強靭な紐を紡ぎ、多くの人を繋いでいくに違いない。

撮影 堀江丈

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