2014-09-01 12:11 追加
加藤陽一 地上の星 第2部
V男子
バレーボールの普及と発展は宿命ですけど、やってはいきたいなと思います。サンガイアとか他のチームとかではないんですけど、自分としてはバレーボール人として、んーおこがましいですけど本当に松平さんがやってきたようにバレーボールの価値を上げて世間の人に楽しんでもらって興味を持ってもらえるかという事を、東京オリンピックが6年後にある中で、自分自身がどれだけ力があるのかは解らないですけどもちろん指導者としての道、解説者としての道を歩みながら、軸をぶらさずにバレーボールの楽しさというのを伝えていきたいなと思います。
―サンガイアには関わっていかれるんですか?
営業面でやはり関わっていかなければいけないなと思いますね。これから資金も必要ですし、パイオニアが廃部になって、NECに次いでですかね、なくなってしまった。クラブチームというものの価値をもっともっとあげていかないと。他のクラブチームと一緒に。それも含めて自分がバレーボール普及・指導と発展をする中でのサンガイアを応援していく事はやっていきたいなと思います。
―ファンの方へのメッセージと残る選手、サンガイアのチームメイトでも全日本の選手でも。
ファンに対しては今まで支えてくれてありがとうという気持ちでいっぱいですね。よく、結婚して離れていく人達もたくさんいますけども、加藤陽一というこの個人を最後まで応援してくれた人達にはとても感謝しますし、自分の選択に対していろんな所へついてきて応援してもらったことを感謝しています。これから自分が指導者になる上では、また一緒に子どもたちを育てて、加藤が育てた子供たちを応援してもらえるようなそういう活動をやっていきたいなと思っています。
後輩にはバレーボールをもっと大事にしてもらいたいなと思います。
バレーボール選手全員に。これから企業スポーツの中でバレーボールをやるというのは、凄く難しい選択をしなきゃいけない人達もいますし、バレーボールだけでは企業では生き残っていけないと思うんですね。昇格する、自分の給料を上げていくというんですかね。グローバル化していく企業で働く上で、電話応対も英語でできなきゃいけない。バレーボール選手の英語力を考えるとまだまだ足りない。企業でバレーボールをやる選手達は、バレーボールをやれる期間をもっと楽しく、自分の為にバレーボールをやって厳しく楽しくやってほしい。その先は企業チームとして保障される環境にあると思うので。また、指導者がどれだけ成長していくか、今までの根性論バレーのやり方ではなくて。海外のクラブチームの監督・指導者を見るとコーディネートが上手いんですよね。選手をとういう風に組み合わせていくか、GMとこういう選手が欲しいから獲ってきてくれだとか。
選手を育てるという事は大学まででいいかなという風に思うんですよ。良い選手達をどういう風にコーディネートしてチームを作っていくかというのが、これからの指導者の在り方なんじゃないかと思います。そういった意味でプロフェッショナルな選手が増えてくれば、もちろん大学選びも変わってきますし、自分がこれから歩んでいくという道が若い選手達の目標だったり道になっていくように、自分も自分の歩む道をしっかりと固めていきたいなと思います。
―海外に挑戦する選手は出てきてほしいですか?
それは思いますね。一緒についていきたいぐらい(笑)。そういう選手がいれば、自分がコーディネーターで海外で一緒に生活してあげたいと思いますし。海外は楽しいと思いますよ。言葉の問題とかそれだけじゃなくて文化に触れたり、外から日本を見るというのはなかなかない機会ですし。たとえレベルが低いリーグだったとしても、プロでやってる選手達と一緒に生活するプレイするという事は絶対必要だと思うので。夢じゃないですか、自分のプレイが評価されてそれに対して自分の生活が潤ってくるというのは。野球・サッカーの世界は当たり前のようにそれがあるわけですから。そういった意味でもバレーボールもプロフェッショナルな考えを持ってもらえば選手のレベルもリーグのレベルも上がっていくんじゃないかなと思います。
―家族とチームメイトへ向けて一言。
家族はよくここまでついてきてくれたなとは思いますね。自分の体の事も考えてなかなか子育てに参加出来なかったというのはありますし。海外で本当に厳しい生活の中で支えてくれた妻にありがとうと言いたいです。
サンガイアの選手達というのはやはり自分達に自信もってプレイ、そして自分のエネルギーを外に出せる選手になってもらいたいなと思いますね。それは自分だけのプレイだけではなくてバレーボールというのは誰かの犠牲があってのスポーツだと思うので、苦しい状況でレシーブで床を這いずりまわってなんとか繋いだボールを、必死になってトスを上げてくれた選手がいて、次スパイクを打って決める。そうやって点数を取った、それが積み重なって勝った、勝てたという、バレーボールの競技特性を本当に理解してもらいたいなと。自分がっていう事よりもその過程を大事にして欲しいというのはありますね。
同行したフォトグラファーのI氏が取材の終わりに加藤に握手を求めたのにつられて、私も思わず同じように手を差し出した。彼が学生の頃から取材をしてきたけれども、彼と握手したのはそれが初めてだったことに私は気づいた。彼の手は意外にもとてもやわらかく、そしてあたたかかった。
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第3部APPENDIX編に続く
文責:中西美雁
写真:Michi Ishijima,出口季里
編集補助:横幕祐美
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