2014-11-03 16:30 追加
10シーズン目のサンガイア-前編:温故知新
V男子
○2009/10
2シーズン、学生選手として参画していた小橋口が正式に入団しての新しいシーズン開幕。山口監督の後任には、それまで主にクラブの企画・運営側で手腕を発揮していた松田裕雄が就任した。
7月に、サマーリーグ東部1次リーグが初めてつくばカピオで開催され、つくばユナイテッドSun GAIAは1次リーグを1位で通過し、9月の決勝ラウンドに進んだ。このときの会場に、所属していたJTサンダーズを5月に退団し、去就が注目されていた加藤陽一の姿があった。加藤は7月29日に会見を開き、つくばへの入団を発表した。
シーズン開幕前には、流行していた新型インフルエンザの影響で天皇杯ブロックラウンドへの出場を辞退したり、筑波大学が関東1部-2部の入替戦に敗れ2部降格したり、といった出来事があった。
V・チャレンジリーグは、チャレンジマッチに進出し、大分三好ヴァイセアドラーを破ったFC東京がV・プレミアリーグに進出、その後廃部を発表したNECブルーロケッツに代わって大分三好もV・プレミアリーグで戦うこととなったため、このシーズンは11チームでの戦いとなった。総当たり1回のレギュラーラウンドは前季と同様であるが、後半は上位リーグ6チーム、下位リーグ5チームでの総当たり戦で、やはりレギュラーラウンドの成績は持ち越されないため、一戦一戦の重みが更に増した。
レギュラーラウンドを2位で終了して上位リーグに進出したつくばだが、初戦の富士通戦でフルセットの末敗れ、2戦目の大同特殊鋼戦はフルセットで辛勝。第3戦のきんでん戦はストレート勝ちし、なんとか最終週のつくばカピオ2連戦に望みを繋いだ。
カピオでは土曜日にジェイテクトの優勝が決まり、つくばは最終戦まで2位の望みが残っていたが届かず、3位でシーズンを終了した。 なお、このシーズン中、翌2010/11シーズンから福井市をサブホームタウンとすることを発表している。福井市は創設当初からの重要なパートナーである、サカイオーベックスの本社所在地である。
○2010/11
シーズンを終えたつくばユナイテッドSun GAIAは前年に続き、黒鷲旗に出場しなかった。
実はクラブには静かに激震が走っていた。松田監督が監督はもとより、クラブの運営等すべてから退き、つくばは新しい運営団体、一般社団法人つくばユナイテッドサンガイア(都澤凡夫理事長)を以て再出発することとなった。当時を知る者は決して多くを語らないが、チームにとってのひとつの重大な局面であったことには変わりはなかっただろう。これに伴い、筑波大学構内にあったクラブの事務所も、つくばカピオ至近のデイズタウンに移転した。
2シーズンを戦った上場がFC東京へ移籍し、のちに主将となる吉野淳が東京ヴェルディから移籍加入。デンマークで選手生活を送っていた高橋賢行、高橋寛記も移籍。さらに、この年筑波大学に入学した出耒田敬、前田一誠、久原大輝、田城貴之という1年生が登録されるという大きな動きがあった。
前季に引き続き11チームでおこなわれたV・チャレンジリーグだが、大会開催形式は2回総当たりへと大きく変更された。開幕戦でジェイテクトに敗れたつくばだったが、その後徐々にチームの力を増し、16試合を消化(残り4試合)した時点で、首位のジェイテクトに1差の14勝2敗で3位につけていた。
ジェイテクトと対戦する最終週・刈谷での試合前につくばカピオでのホームゲームを控え、ダッシュをつけるはずであった。 しかし、つくばカピオでのホームゲーム前日、東日本大震災が発生し、つくば市内も大きなダメージを受けた。Vリーグの残り試合はすべて中止となり、それまで消化されていた試合で順位が決定され、チャレンジマッチも中止となった。
東日本大震災発生から2ヶ月弱。黒鷲旗は予定通り実施されることとなり、つくばは出場に向けて精力的に活動した。迎えた黒鷲旗では1勝を収めた。
○2011/12
黒鷲旗終了後に7名の退団選手が発表された。学生選手が一定数おり、出入りの激しいチームとはいえ、この人数はチームにとって大きな痛みを感じざるを得なかった。中でも、創設時からのメンバーで、「ミスターサンガイア」とも呼ばれた小川の退団は、チームを見る者に大きな寂しさをもたらした。代わって柴田恭平がサントリーから移籍加入、また、前年からの筑波大学2年生カルテットの他、李博、佐々木恵三、矢野諒介ら学生選手が登録されての戦いとなった。
このシーズンのV・チャレンジリーグは2009/10同様、レギュラーラウンド1回の総当たりのあとで上位リーグ・下位リーグに分かれての戦い。レギュラーラウンドも上位リーグも、ジェイテクト・つくば・富士通が各1敗ずつというつばぜり合いであったが、最終的には上位リーグでつくばがセット率の差で他2チームを抑え、V・チャレンジ初優勝と初めてのチャレンジマッチ進出を決めた。
チャレンジマッチで対戦したのは、V・プレミアリーグ8位の大分三好ヴァイセアドラー。つくばは初戦を3-1で勝利したが、2戦目0-3で敗れ、V・プレミアリーグへの昇格はならなかった。
同じカテゴリの最近の記事
- パリ五輪代表のリベロ・小島満菜美、アスリーツアンリミテッドで最終週に挑む。「選手も観客もリアクションが大きく、良い雰囲気です」 [Others,全日本代表 女子] / 2024.11.01
- STINGS愛知・関田誠大「やっとチームとして戦っている感じがあり、非常に楽しかった」 SV男子会見 [SV男子] / 2024.10.26
- 東京GB・柳田将洋「自分が地上波でSVリーグの開幕戦を見ているのは不思議な感覚だった」 SV男子 [SV男子] / 2024.10.19
- 群馬グリーンウイングス・白岩蘭奈「たくさんのファンの方々の前でプレーできることが本当にありがたい」 SV女子 [SV女子] / 2024.10.14
- Astemoリヴァーレ茨城・上坂瑠子主将「応援してくださる方々がいるからこそ私たちはバレーができる。持ち味を発揮して、定位置を突破したい」 SV女子 [SV女子] / 2024.10.14
コメント
Sorry, the comment form is closed at this time.